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『ウィッチクラフトワークス 13巻』ネタバレ感想!あらすじから結末まで!

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多華宮君の調査を進める、工房の大物魔女・アルシナ。陰謀を張り巡らせていく、火々里さんの実母にして妖獣・火々里火陽。古き魔女達の参戦は、魔法戦争勃発の予兆なのか? 強力な魔女達の思惑、嗜好、陰謀、理想、信念、悪意が絡み合い、魔女勢力間の緊張も臨界点間近! 読者待望の第13巻登場!!

Amazon内容紹介より

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前巻においてアルシナが登場し、引き続き13巻でも仄や綾火に近づいてきます。

エヴァーミリオンのことやかざねの過去が少し垣間見え、緊張感がさらに増してきますが、日常パートが挟まっていることもあり話自体はあまり進んでいません。

相変わらずのんびりしているので、その空気感を楽しんでもらえればと思います。

この記事では、13巻のあらすじや個人的な感想を書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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第71話 火々里さんと一つ屋根の下

仄の夢の中。

多くの魔女が倒れる中、獣と化した火陽は鎖に囚われていて、かざねに対して恨み言を言いますが、かざねは黙ってそれを見ています。

その後、場面が変わって鐘が聞こえ、挙式での神父の声が聞こえる中、ウエディングドレスを着た長くて綺麗な髪の女性が立っています。

振り返るとそれは綾火で、ここで驚いて仄は目を覚まします。

今日は霞ちゃん添い寝デーで、仄の横で気持ちよさそうに寝ています。

まだ朝の五時でしたが、何か飲もうと下に行く仄。

途中で明かりのついている部屋を見つけ、中を覗くとそこにはシャワーを浴びた後の綾火がいました。

これから髪を乾かすところで、仄は彼女を座らせ、ドライヤーをかけてやります。

ちょっと早すぎではと仄は疑問を口にしますが、髪のセットに二時間、それから洗濯、朝食の用意をして、終わった頃に仄たちが起きてくるのだといいます。

仄は色々やってくれる綾火に感謝する一方で、母親の小町が朝食を作っているのだからそんなに無理しなくてもと彼女を気遣います。

それに対して綾火は、居候の身だからと譲りません。

引き合いにたんぽぽを出し、どこぞの猫じゃあるまいしと。

仄はもう何も言わず、深い意味もなく良いお嫁さんになるねと褒めますが、綾火はプロポーズと受け取っていいのかと真顔で聞き返し、仄は慌てます。

彼女は覚悟の上でこの家に嫁いできたのだと言いますが、どう考えてもただの居候です。

しかし仄が突っ込む前に、綾火は一つ屋根の下で暮らしているにもかかわらず、仄が自分に関わってこないことを気にしていました。

仄は慌てて興味がないわけではなく、今日綾火の夢を見たとフォローしますが、彼女は仄の夢を寝てない時でも見ると意味の分からないことをいいます。

仄は、今度は魅力的だと綾火を褒めますが、妹と寝ておいてそういうことを言うんだと綾火は白けた顔をしています。

いつもと様子の違う綾火に戸惑う仄ですが、それ以降、綾火は黙ってしまい、髪が乾くともう少し寝ると部屋に戻ります。

天井に呼びかけると、あとりが下りてきて、綾火の様子がおかしいと相談します。

するとあとりには思い当たる節があり、その時のことを話してくれます。

ここからは回想。

工房の魔女定期女子会と称して集まる綾火、あとり、りのん、棗、凍子。

凍子の言葉をきっかけに誰もが口々に仄と綾火の仲を詮索しますが、ここであとりがいいます。

普通若い男女が同じ屋根の下で暮らしていれば、プロポーズの一つや二つはされて当然だと。

つまり、綾火がああなったのはあとりのせいでした。

あとりは謝りますが、一方で綾火のことをもっと考えてもいいのではと仄に少し怒りを見せます。

仄はあとりの頭を撫で、綾火が友達に恵まれていることを喜びます。

そして登校の時間。

いつものように二人で学校への道を歩く仄と綾火ですが、ここで仄が手を出してくれないかと切り出します。

一方、他の四人は二人の仲を進展させようと待ち構えていましたが、やって来た仄と綾火は手を繋いでいました。

そのことを確認すると、破廉恥だとりのんは逃げ出し、いらぬ世話だったと凍子が突然現れた火柱に飲み込まれてしまいます。

そのまま火球になって空高く上がり、花火のように散るのでした。

ところが翌日、何事もなく登校する凍子でしたが、なぜか少し幼くなっていました。

第72話 多華宮君と妹の友達

霞の部屋で一緒に漫画を読む霞、田沼、たんぽぽ。

霞は最近気づいたことがあるといい、それは最初から仄の服になればいい、人間に生まれて辛いというものでした。

これには田沼も大慌て。

一方、たんぽぽはいつものが始まったと平然としています。

場面は変わり、アルシナの家。

彼女は何かを探して段ボールに入ったままの荷物を漁っていて、少し汚れたポットを見つけると何やら呪文を唱えます。

するとポットはパンダのような獣に姿を変え、アルシナに襲い掛かります。

アルシナは寸前のところで指を鳴らし、元のポットに戻します。

これじゃないと改めて探し始め、取り出したのは小瓶です。

かけられた魔法を解くと、またしても大量の段ボールが現れ、その奥から何やらうめき声が聞こえます。

アルシナは声の主にキオラパメラと声をかけ、こっちに出てくるよう促しますが、相手は明るい場所が苦手で出てきません。

ほとんど陰で見えず、唯一、頭のてっぺんに帽子のぼんぼんのようなものだけが見えます。

キオラパメラは呼び出された時点で、使い走りさせられることは承知していて、アルシナも呼び出す理由は一つしかないといいます。

『竜の首(ハイドラヘッド)』に召集をかけたから、彼女たちの指揮をお願いしたいと。

キオラパメラいわく、彼女たちはならず者の魔人で、かつてはアルシナと対立していたようです。

それに対してアルシナは時は流れるものと答え、一方、キオラパメラは反時空なんとか体質のせいで時が止まっていることが判明します。

キオラパメラはあくまで平穏を望みますが、アルシナは自分の所有物だからどう扱おうが勝手だと切り捨てます。

その時、家の黒電話が鳴り、アルシナは出ると少しだけ驚き、ちょっと出かけてくるといいます。

キオラパメラに対しては部屋が出るなと注意します。

部屋にあるものも位置が決まっているから触らないでほしいともいいますが、キオラパメラはこんなごちゃごちゃなのに?と真っ当な指摘をします。

これに対してアルシナは自分にとっては整理されている状態なのだと片づけが出来ない人の常套句を口にし、どこに行くのかと聞かれて答えます。

不思議なことに呼ばれた、友達に、と。

場面は変わり、霞の部屋。

彼女はこれまでのことを忘れたかのように笑顔でアルシナを紹介し、敵だろうとたんぽぽが騒ぎます。

霞とアルシナは握手をして仲直りし、その美しさに見とれる田沼ですが、一方で会話がハイソ過ぎて理解できていません。

そんなことはお構いなしに霞は、アルシナに自分を仄の服にしてほしいと満面の笑みでお願いします。

さすがの田沼も冷静になるよう霞に呼び掛けますが、広い視野で物事を捉えた方が良いと諭され、何が正しいのか分からなくなっています。

一方、アルシナはあなたも変態なのねと理解を示します。

霞は変態であることを否定し、兄妹なんだから当然だと主張しますが、アルシナも譲りません。

彼女は霞が良い変態になれそうだと褒めていますが、霞は耐えられずに窓ガラスをぶち割って外に飛び出します。

残された三人。

アルシナは何が彼女を傷つけたのか分かっておらず、田沼は正論のパンチか効きすぎたのかな、と明言は避けます。

ふと、アルシナはたんぽぽに四つん這いになるよう要求。

逆らえずに四つん這いになると、アルシナはその上に座ります。

アルシナは、以前見た時から彼女は素のままで家具になるのが一番だと思っていて、やはり自分の審美眼は正しかったと満足げです。

たんぽぽはいっそ殺せと涙を流し、田沼は霞を探しにその場から逃げます。

霞は、ドラえもんに出てくるような土管のある空き地の土管の上で俯いていました。

田沼は昔、霞が落ち込んだ時にもここに居たことを知っていたのです。

霞は自分が変態かどうか田沼に聞き、田沼は彼女のために厳しくするべきだと心を鬼にします。

ところが、気付けば霞は何も間違っていないと口にしていて、霞が抱きついてきます。

服にどうやったらなれるか一緒に考えようと持ち掛けられ、友達失格だと胸の中で謝るのでした。

その夜、霞は自分が変かどうか仄に聞きます。

すると案の定、彼は別に普通じゃない?と満面の笑顔で、霞は大喜び。

一方、それを聞いていた綾火は何か言いたそうな顔をするのでした。

第73話 多華宮君と冬の嵐 その1

目を覚ますと、見知らぬ草原にいた仄。

次の瞬間、足台に足を乗せて偉そうに椅子に座る白姫が現れます。

彼女は主である仄にエヴァかイブと呼ぶよういい、仄は以降、エヴァさんと呼びます。

ここは夢の中でした。

以前、エヴァは嵐になると言っていて、それにはアルシナが関係しているようです。

また彼女は、綾火が仄の中から彼女を追い出そうとしていることを知っていました。

しかし、仄は違います。

綾火には言えないけれど、彼女が無事に生き続けられるのであればエヴァの魔力に飲み込まれて死んでも後悔しないといいます。

すると、エヴァは魔法で仄を小学生くらいのサイズに小さくし、その姿の方が好きだといって彼を肩に乗せると、どこかに向かいます。

崖の先に城があり、エヴァは飛んでそこに向かいます。

仄はさらに小さくなると、エヴァの髪に隠れて先に進みます。

侵入者の気配を感じて姿を現したのは、かつて『冬の嵐』と呼ばれた始まりのアルシナ、まだ幼さの残る彼女でした。

アルシナはエヴァを見つけることができず、どこかに向かい、エヴァもそのあとを追います。

ここはアルシナの夢の中でした。

城の中では大勢のアルシナが厳重に何かを守っていて、エヴァはそれをかいくぐって門を突破して地下に侵入します。

第74話 多華宮君と冬の嵐 その2

地下の深さはアルシナの業の深さによるといい、一番下まで降りると地下にもかかわらず雪が降っていました。

しばらく進むと、四足歩行で白骨の顔がいくつも付いた獣が現れ、仄は逃げた方が良いといいますが、エヴァはこれを一蹴。

その騒ぎでエヴァを見つけた何百人に及ぶアルシナが行く手を阻みますが、エヴァは薙ぎ払い、一本の塔に辿り着きます。

あの塔こそがアルシナの本性だといい、中に入ります。

中には警備するアルシナたちの真ん中に、バスタブで入浴する現在の姿のアルシナがいました。

彼女はここまで侵入できた手練れの魔女に興味がありましたが、エヴァだと気が付くと驚きます。

エヴァは旧友との再会を喜ぼうとしますが、アルシナは人を物に変えるなんて気色悪いという理由で嫌われていると記憶していました。

二人は昔からお互いのことを知っているようで、エヴァはアルシナが究極の先に何を見たのかを知りたがっています。

しかし、アルシナはそれに答えることなく、エヴァについて言及。

エヴァは『出来損ない』に堕ちることなく唯一の力を手に入れましたが、彼女にふさわしい魔女などいないといいます。

それは仄も同じで、屑だと断言。

しかし、エヴァはそうは思っていません。

彼女の身体は主を表す鏡、宿主の魂を表すといい、これまでと違うことを訴えます。

しかし、いくら着飾ってもどこに本性を隠しているか分からない、今までそういう奴らばかりを見てきたとアルシナは耳を貸しません。

エヴァはまだあのことを忘れられないのね、と何か知っているようです。

ここで怒りを露にしたアルシナは悪魔のような姿になり、エヴァに襲いかかります。

エヴァは逃げ出し、もうすぐ夢から追い出されて、ここでのことは忘れてしまうと仄に告げます。

しかし、記憶の底には残り、それがいつか役に立つと無駄ではないことも伝えます。

最後にエヴァは、なぜ仄に協力するのか、どうして究極を求めたのか思い出せないと口にして夢は終わります。

仄は綾火に起こされて目を覚まします。

うなされていたことを心配されると、夢で冬の嵐の中にいたことを綾火に伝えるのでした。

第75話 多華宮君と冬の嵐の試験

学校の体育倉庫で、これまでの仄に関する調査報告をアルシナにするローランとウィネ。

調査を始めて一ヶ月経ちますが、ローランたちからしたら仄はどこにでもいるかわいい男の子にか見えません。

これ以上調べても裏の一面など出てこないと怒った口調で言いますが、調査結果の判断をするのはあなたではないとアルシナは一蹴。

報告にない、お風呂の中や布団の中も調べるべきではと言い、ローランも任務なら仕方ないと受け入れてしまいます。

アルシナが仄のことを知ったのは随分前、かざねが火々里家の悪事を暴き、工房に取引を持ち掛けてきたことから発覚しました。

九尾の首と自分自身を交渉材料に、かざねは仄と綾火の保護を求めます。

その後、かざねは火々里家の当主となり、綾火は養子になります。

そしてアルシナたちも仄の封印に参加しました。

アルシナはこれまでエヴァを取り込んだ魔女を何人も知っていますが、男子は初めてだといいます。

理由は、女性に比べて魔力に乏しい男性ではエヴァの力を抑えられないからです。

そして彼女の力を得たものは例外なく堕落するとして、仄のことも危険だと認識していました。

そこにヒール、網タイツを履いた女性が現れますが、それが誰なのかは分かりません。

場面は変わり、火陽が封印されていた場所に立つかざねと栞。

栞は追跡魔法を使用していますが、望みは薄いです。

恭一郎に頼んで街の記憶を辿るのが一番ですが、それでも火陽は一筋縄でいく相手ではありません。

栞は、元を辿れば自分たちの因果か、と言って回想に入ります。

火陽を退治した後、かざねは仄に対して罰を与えなければならないと考えていました。

それはエヴァを封印し、仄の今回の記憶も消すというものでした。

仄は殺されないのかと聞きますが、ふざけるなとかざねは激怒します。

十歳そこらの仄は多くの人に生かされていて、自分だけの命ではないと。

仄は他にも綾火のことを気にしていて、自分はどうなってもいいから彼女を助けてほしいと涙を流しながら懇願します。

かざねもそう言われると予想していて、すでに手は打ってありました。

かざねは今回の一件で火々里家の当主となり、綾火を養子として引き取る。

さらにこの街の工房まで引き受けることになり、呆れながら全て仄のせいだといいます。

それに対し、仄はありがとうと何度も口にし、こういうところが母親の小町に似ていると思うかざねでした。

ここで回想は終わり、栞は棗に電話で恭一郎と一緒に聖域の樹へ来るよういい、かざねはため息をつくのでした。

場面は変わり、下校途中で遭遇する仄、綾火と霞、アルシナ。

霞の提案で駅前の美味しいパフェのお店に行くことになり、アルシナも仄を直に判断するためにすでに用意をしていました。

凍子の母親の運転する車のハンドル、ブレーキが操作できなくなり、仄たちに向かって突っ込んできます。

アルシナは逃げるだろうと予想しますが、予想に反して仄は霞とアルシナを庇うように前に立ち、ぶつかる前に綾火が拳一つで車を止めます。

その拍子で仄は倒れる霞、アルシナに覆いかぶさる形になりますが、予想外の行動にアルシナは茫然としています。

しかし、これも報告通りだと考え直し、次の手に出ます。

突然地震が来たかと思うと、霞とアルシナの立っている地面が消え、二人は下に向かって落ちていきます。

これならとアルシナは得意顔ですが、仄は寸前のところで霞を助けると、今度はアルシナを助けるために飛び込み、守るように彼女を抱きしめます。

大丈夫だからと仄は言いますが、まったく大丈夫ではありません。

しかし、箒に乗った綾火が助けてくれ、今回も難を逃れます。

さすがに我慢できなくなった綾火は、ここ最近のトラブルの原因はアルシナだと指摘。

しかし、アルシナはかざねよりも権力があることをアピールし、以前攻撃したことも反逆罪に問われる行為だと逆に指摘。

綾火はそれにも屈せず、慌てて仄が仲裁に入ります。

アルシナは、眷属である綾火に謝罪させるよう仄に要求しますが、彼は、綾火は下僕ではなく同級生で、友達で、大事な人だと明言し、悪く言わないでほしいとアルシナに強く出ます。

アルシナはこの言葉に納得できず、夢の中でエヴァが言っていたことを思い出します。

さらに回想で、かざねはアルシナの前で膝をつき、自分の身を捧げる代わりに仄の人生を続けてさせてほしいとお願いします。

アルシナはそれだけの価値が仄にあるのかと疑問に感じていましたが、少なくともかざねはその価値を信じていました。

回想が終わり、アルシナは言い過ぎだと謝罪するのでした。

第76話 多華宮君とアルシナの決断

ソファーに寝転がるアルシナ。

彼女がこの街にやって来たのは、仄の件で密告があったからでした。

『彼の封印が解けている』

『かざねは塔と通じている』

ファイアクラフト(エヴァ)を塔の手に渡れば今ある均衡が崩れてしまうため、なんとしても阻止しなければなりません。

と、ここでキオラパメラが準備が整ったことを伝えますが、少し出掛けるとアルシナはどこかに向かいます。

場面は変わり、公園のブランコに座るアルシナ。

そこに現れたのは綾火でした。

綾火はついてくるよういい、二人は彼女の部屋に行きます。

綾火が畳んであったふとんをどかすと、地下に通じる階段が出現し、二人は地下に下ります。

そこにあったのは、大量の仄に関するあらゆるグッズでした。

写真、人形、日記など、綾火はここを多華宮君地下博物館(ミュージアム)と称します。

アルシナは素晴らしい変態性に大興奮で、崇高な眺めだとご満悦です。

しかし、綾火がアルシナにここを見せたのは彼女を喜ばせるためではなく、仄から何も出ないことを証明するためでした。

このことは彼女の独断で、アルシナに早く街から出ていってほしいといいます。

しかし、ここは綾火の聖域。

ましてや嫌いなアルシナを立ち入らせるわけがありません。

これはあとりの助言によるものでした。

あとりは仄が今まで綾火に何をしてくれたか、綾火が彼に何をしてあげられるか。

この点について訴えかけ、今回の招待に至ったのでした。

綾火は最後に、自分には信じるものがあると言い切り、アルシナは家を後にします。

彼女は今見たもの、これまでの報告、そして初めて宿主の味方をするエヴァのことを思い出し、危険はないと判断するに至りました。

作戦を練り直すと自宅に戻ると、テーブルの上には彼女の部下が置いていった手紙がありました。

それを読んだアルシナは顔色を変え、部屋を飛び出します。

場面は変わり、理事長室で向かい合うかざねとアルシナ。

かざねの後ろには栞が立っています。

アルシナはかざねが嘘をついていて、本当は火陽が逃げ出したことを怒っていました。

さらにアルシナは写真を持っていて、そこには火陽と仄が笑顔で抱き合おうとしている姿がありました。

一方、恭一郎と棗は聖域の樹に辿り着き、作業を始めるところでした。

記憶をコピーする簡単な作業だといいます。

さらに霞とお出かけの日だった仄は彼女と出かけ、家に帰ると綾火が出迎えてくれます。

平穏な一日を過ごしている一方で、アルシナはかざねが裏切ったことに腹を立てていて、かざねは追い込まれていました。

第77話 多華宮君 VS.アルシナ その1

霞はいなくなった摩加ロンを探していました。

ようやく見つけますが動かなくなっていて、泣きながら仄に見せてきます。

さらに綾火が上空を見上げると、動きの止まった鳩がいました。

摩加ロンは普通のぬいぐるみに戻っていると綾火は分析。

何かが起きていると工房の本部に向かおうとする綾火。

心配しすぎじゃないかとしながらローブを身にまとう仄ですが、綾火に飛んでみてと言われて箒に跨ります。

しかし飛べず、思ったより深刻な状況でした。

霞を残して二人は本部に向かいますが、途中で動かない女性を見つけ、信号も動いていません。

さらに進みますが、そこは動きも音もない、まるで時の止まった世界でした。

その時、悲鳴が聞こえ、二人は声がした方に向かいます。

そこには見たこともない化け物、そして一人の魔女がいます。

化け物は魔女の身体を拘束すると、お腹に収容します。

お腹には他にもたくさんの人が捕らえられていました。

化け物は仄たちに気が付き、綾火は咄嗟に魔法を出そうとしますが、今は使えません。

絶体絶命かと思われましたが、綾火は拳一つで化け物を撃退。

捕らえられていた魔女たちを救出します。

街には他にも似たような化け物がいて危険な状況でしたが、ウィークエンドが現れ、彼女の誘導で彼女のセーフハウスに避難します。

詳しいことは分かりませんが、何者から攻撃を受けているのは確かです。

ここ冬月市だけが敵の結界で外部から切り離されていました。

敵は緊急時に工房の魔女が本部に集結することを知っていて、そこを狙われたようです。

ウィークエンドはこれまでのことから、敵は工房の魔女だけを対象にし、一般人には被害が出ないよう配慮していると判断。

さらに彼女も一時的にかざねの管理下にあるため、工房の魔女と認識されて魔法を使うことが出来ません。

魔法が使えないということは、聖域の樹に何か異常が起きているということです。

さらにおそらくかざね自身にも。

ウィークエンドは工房のライフラインである聖域の樹を正常化させるために仄、綾火を向かわせ、自分は捕らえられている魔女たちを救うといいます。

ここでは手狭だからもっと大きいセーフハウスに移動して仮本部を設置すると、手持ちの銃や手榴弾を確認しています。

仄は彼女が助けてくれることを信じられずにいますが、彼女は今は先生だと笑いかけます。

こうして仄と綾火は聖域の樹に向かうのでした。

第78話 多華宮君 VS.アルシナ その2

かざねは、火陽と仄の写る写真は捏造だと主張しますが、火陽の件を隠していたかざねの言葉をアルシナは受け入れません。

彼女の背後の壁からキオラパメラが顔を出し、部屋全体を影のようなものが覆っていきます。

これはキオラパメラによる結界魔法で、理事長室は現世から隔離されてしまいます。

キオラパメラとかざねは旧知の中で、キオラパメラは化け物のような魔力を持つかざねに改めて驚きますが、それでは彼女の作る次元牢からは抜け出せないといいます。

キオラパメラはシルクハットのような下に目だけが浮かび上がり、真っ黒な右手だけが見えます。

かざねはキオラパメラほどの魔女を使役するアルシナに驚き、仄や綾火たちのためにも始まりの魔女である彼女と戦うのは得策ではないと考えています。

アルシナはかざねと栞を解任。

この街はすでに掌握しているといいます。

街には彼女の部下(先ほどの化け物や、建物よりも大きな化け物)が配置され、魔女を回収しているといいます。

かざねは自分の弟子たちを舐めない方がいいと忠告しますが、アルシナからしたらこれは最大限の敬意を払っているつもりです。

だから魔法を使わせないためにまず聖域を占拠し、追っ手に『竜の頭(ハイドラヘッド)』を投入したのだと。

竜の頭と聞いてかざねは驚き、アルシナは、仄が捕まるのも時間の問題だといいます。

アルシナは、仄に人生を提供しようというかざねの考え方がそもそも間違っているといいます。

彼はエヴァの器であり触媒、アルシナたちの道具で所有物なのだと。

かざねもそのことは自覚していますが、それでも彼が人生を全うして穏やかに死を迎えるまでにささやかな時間が欲しかったのだと訴えます。

彼もまた一人の人なのだから、それを奪わないでほしいと。

しかし、話し合っても無駄だと交渉は決裂。

ここで、キオラパメラが多華宮家に部隊(竜の頭?)がまもなく到着すると告げます。

場面は変わり、多華宮家。

霞は魔法を使えないため、侵入者を防ぐためあらゆる出入り口を木板で塞いでいきます。

するとインターホンが鳴り、霞はたんぽぽに小町を奥に連れていくよう指示します。

応じないでいると、今度は玄関が何者かによって叩かれます。

場面は変わり、聖域に向かっている仄と綾火は休憩し、彼女の用意したサンドイッチを食べていました。

食べ終わって再び歩き出そうとしますが、そこで綾火は無茶だけはしないでと仄に約束を求めます。

困っている人を助けてはいけないというわけではなく、行動を起こす前に冷静になって周りを見て欲しいのだと。

仄は努力するとだけ言うと、誰かの向かってくる足音が聞こえ、その人物が二人の前に現れるのでした。

おわりに

キオラパメラについて、作中とは別の絵から、河童のような容姿をしているのではと推測されます。

エヴァ、アルシナというかざね以上の力の持ち主が話の中心になり始め、今後さらなる魔法のインフレが予想されます。

ただし、仄と綾火の変わらぬ絆などこれまでと変わらないであろう部分もあるので、のんびり続きを待ちたいと思います。

次の話はこちら。

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