ホラー
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『バラバラ屋敷の怪談』あらすじとネタバレ感想!四つの怪談が紡ぐ本当の姿とは?

harutoautumn
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著:大島 清昭
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民俗学のフィードワークの手法を用いた取材を元に怪談を執筆している作家の呻木叫子が遭遇する怪現象と不可能犯罪。八人の女性が犠牲となったバラバラ殺人の犯人宅で発見された、密室内に置かれた生首の謎を描く表題作のほか、博物館で目撃される少女の霊の来歴を探るうちに、思わぬ不可能犯罪に行き当たる「青いワンピースの怪談」、強烈に祟る“片野様”という存在を祀った古墳と姿なき殺人者をめぐる怪事件「片野塚古墳の怪談」、大学生たちが異界駅で遭遇した壮絶な怪異と密室殺人の顛末「にしうり駅の怪談」の四篇を収める。『影踏亭の怪談』に連なるシリーズ、待望の文庫化。

Amazon内容紹介より

呻木叫子シリーズ第三弾となる本書。

前の話はこちら。

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本書では表題作含む四つの短編が収録されていて、呻木叫子が調査していくフィールドワークの形式で進んでいきます。

そこにはミステリ要素が含まれていて高いレベルで融合しているのですが、最後にはホラーがグッと前に出てきて、読者が望む以上の恐怖を提供してくれます。

元から好きなシリーズですが、さらに好きになりました。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

バラバラ屋敷の怪談

表題作。

百目鬼町には鬼が出るという伝説が残されていますが、ここ最近でも鬼が現れていました。

五十年以上前、酒浦実が八人もの女性を殺害し、バラバラにした上で鬼が封印されている塚の周辺に遺棄したのです。

酒浦が住んでいた家は今や『バラバラ屋敷』と呼ばれていて、今回、叫子は実際にバラバラ屋敷を訪れ、そこで怪異を経験した人の話を聞くことになりました。

青いワンピースの怪談

叫子は博物館に現れる怪談を調べていました。

そこの職員たちは二、三年前から度々青いワンピースを着た女性を見かけるのだといいます。

平日は若い人があまり訪れないため、職員の記憶に残っていました。

しかし、叫子はこの青いワンピースの女性が登場する話を他でも何度も聞いたことがありました。

片野塚古墳の怪談

静岡県にある片野塚古墳。

ここでは古くから片野様という神が祀られていました。

また古墳には生け石というものが置かれていて、それは古墳が出来た後にしばらくして置かれたことが分かっています。

またここでは様々な事件・事故が起きていて、それによる怪談も目撃されていて、叫子は調査に乗り出します。

にしうり駅の怪談

きさらぎ駅などで有名になった、電車で見知らぬ異界に迷い込む系の話。

七年前、姫野鮎という大学生が行方不明になります。

彼女は異界駅に関する卒論を書こうとしていて、友人たちはにしうり駅に行こうとしたのではと推測します。

悪い冗談だと思いつつも、まずは鮎の足取りを追うことになり、そこで友人たちは本当ににしうり駅に到着してしまいます。

感想

ホラーとミステリの融合

本書もこれまで同様、叫子がフィールドワークで得た知識、体験者のインタビュー、そして推理で構成されています。

得た情報を民俗学的に考えると、そこには過去から続く因縁だけでなく、今の人間の悪意も絡んできます。

これにより、話や場面によってホラー、ミステリそれぞれに軸足が変わり、読者も良い意味で翻弄されていきます。

この絶妙な配分は大島さんならではです。

またいつもながら叫子は常に冷静で、どれだけ大変な事態になり内心恐怖を感じていても、それを表に出そうとしません。

この頼もしさと、そんな彼女すら恐怖を覚えてしまう事態のバランスも見事で、あっという間に読めてしまいました。

後半の追い上げ

上述の通りだけであれば、本書は単なる面白いホラー×ミステリです。

しかし、実際は最後に衝撃的な事実が告げられ、四つの短編がしっかり繋がっていることが明示されます。

共通したモチーフが何度も登場するので、繋がっていること自体は予想できた人も多いと思いますが、この繋がり方にはかなり驚きました。

また最後まで明かされない事実というか、どちらなんだろうとグレーでぼかされている部分もあり、読み終わっても居心地の悪い怖さが抜けませんでした。

この中毒性はお見事で、久しぶりにすぐに二度読みしてしまいました。

おわりに

シリーズがだれることなく、毎度面白い設定や構成を提示してくれるので、大島さんの実力を改めて見せてもらいした。

そして、こうなってくるとシリーズの行方がまったく分からず、翻弄されたい一読者としては嬉しい限りです。

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