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『あの日、松の廊下で』あらすじとネタバレ感想!江戸城に勤める一人の侍の物語

harutoautumn
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旗本・梶川与惣兵衛は、「あの日」もいつもどおり仕事をしていた。赤穂浪士が討ち入りを果たした、世にいう「忠臣蔵」の発端となった松の廊下刃傷事件が起きた日である。目撃者、そして浅野内匠頭と吉良上野介の間に割って入った人物として、彼はどんな想いを抱えていたのか。江戸城という大組織に勤める一人の侍の悲哀を、軽妙な筆致で描いた物語。第3回歴史文芸賞最優秀賞受賞作品。

Amazon内容紹介より

歴史小説というか、時代ものは普段あまり読まないのですが、本書はセールになっていたことをきっかけに購入しました。

タイトルが気になった程度の第一印象でしたが、冒頭からかなり気になるフックを決めてきて、そこからは物語に一気に引き込まれました。

軽妙で重たすぎないところが良かったのかもしれません。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

大事件

本書では冒頭、物語の結末が示されます。

赤穂藩五万石の藩主である浅野内匠頭と吉良上野介が口論になり、浅野内匠頭が吉良上野介を切りつけて殺害する事件が発生しました。

梶川与惣兵衛は数少ない目撃者で、二人ともここ数ヵ月のことを通して深い関係になっていました。

浅野内匠頭は切腹して事件は世間的には収束していますが、真実が明かされたとは言えない状況にあります。

そこで与惣兵衛は目撃者としてそこに至るまでのことを書き記すことにしました。

儀式

事件が起こる前の年末。

吉良上野介の屋敷に貴人たちが集まります。

目的は、三月のとある期間で行われる勅使奉答の儀式に向けた打ち合わせでした。

年に一度行われる重要な行事で、企画・実行を担当する饗応役を命じられたのが浅野内匠頭でした。

しかし命じられた大名たちだけで務まるものではなく、そこで朝廷の儀式に詳しい高家が指導係になるわけですが、そのうちの一人が吉良上野介でした。

不安

通常通りであればなんの問題もなく、盤石な布陣です。

ところが今回はイレギュラーがあり、それは吉良上野介が長期間、江戸を離れるということでした。

江戸の将軍様から今日の天子様、上皇様への年賀の使者役として吉良上野介が抜擢され、彼が不在の間、いるメンバーだけで準備を進めなければなりません。

一抹の不安があるものの、状況のなかでやれることをやるしかありません。

しかし、その場にいた梶川与惣兵衛の胸には重たいものがあり、それは日に日に増していくことになりました。

感想

歴史の面白さ

本書が面白かったこともあり、歴史ものの読み方というか、楽しみ方を少し覚えた気がします。

まずは小説を読んで、何となくでもいいので流れや事の重大さを受け止め、それを今の知識なりに味わいます。

その後、実際の歴史を調べるのですが、すると自分のない知識なりに知っていることもあり、それが小説と繋がっているくるところが面白いです。

普段見聞きしていることはこういうことなのか、大変じゃないか、と。

そうなると小説を読んだ時と違った印象になり、その状態でもう一度読むと、味わいががらりと変わりますし、時代背景や登場人物のことが頭に入っているので、かなり読みやすくなります。

歴史にはまる人の気持ちがなんとなくですが分かった気がします。

恥ずかしながら『忠臣蔵』というワードしか知らなったので、かなり解像度が上がりました。

今と異なる価値観

歴史を紐解いていくと、今とはまったく異なる価値観で動いているのだということを感じました。

作中では物価の高騰によりどこまで華美にやるべきか、など考えていますが、それでもある種、見栄のためにやっていることが物語の中心にあります。

以前であれば無駄の一言で切り捨てていましたが、今では必要なこともあるのだと認識しています。

一見に無駄に見えても、それをすることによってスムーズに進むことがあったり、人の気持ちを納得させられたり。

人の気持ちは複雑で、それを単純に割り切りすぎないことも必要だと。

大人になってそれを強く感じているので、このタイミングで読むことに意味があったなという思いです。

おわりに

これで一気に歴史ものを読み漁ろう。

さすがにそこまでの気持ちには至りませんでしたが、それでも面白さの種を見つけた気がします。

時の流れと共に自分の趣味嗜好もおそらく変化していくと思うので、その時の選択肢の一つとして大事に温めておきたいと思います。

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