『幽霊男』あらすじとネタバレ感想!凄惨な事件を引き起こす幽霊男の正体とは?
神保町の裏通りにあるヌードモデル仲介業「共栄美術倶楽部」に初めて現れた異相の男、その名も佐川幽霊男。彼の依頼を受けたモデルが、ホテルの浴槽の湯の中で殺され、そしてさらに……。猟奇マニアたちの秘密の巣でもあったその倶楽部に金田一探偵が登場。右往左往しながらも、欲望に溺れて落ちたマニアたちの犯罪を鮮やかに解決! 妖気漂う原色怪奇曼陀羅。
Amazon商品ページより
シリーズ第十弾となる本書。
前の話はこちら。

これまで土着的で因習が絡む作品が多かったですが、本書ではいわゆるエログロ的な色が強めで、B級作品として捉える人が多くいます。
そこに横溝正史さんならではのロジックが加わるわけですが、それでもこれまでの作品よりも肩ひじを張らずに楽しめるのではないかと思います。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
異様な男
神保町にある共栄美術俱楽部は、画家や素人ヌード写真家にモデルを提供する仲介業を行っていました。
あまり評判は芳しくありませんが、いかがわしいゆえに好む人も一定数いました。
ある一月の夕方、そこに一人の男が訪れます。
佐川幽霊男といういかにも怪しい名前で、土色の肌で年齢不詳、とにかく気味悪いことこの上ありません。
しかし、紹介状を持っていることから店の者は信用し、モデル提供の約束をします。
目的は油絵で、西荻窪のアトリエにしばらく通ってほしいということで、宇津木恵子が指名されるのでした。
ホテル
先ほどの幽霊男は、今度は駿河台にある聚楽(じゅらく)ホテルにも現れます。
それなりのランクのホテルで、明日の晩の部屋が借りたいといって、今夜の分までお金を払うという気前の良さをみせます。
さらに明日の夕方頃、トランクが一つくるため、それを部屋に運んでほしいというオーダーをつけます。
いかにも怪しげですが、ホテル側もお金を払ってくれれば問題ないという姿勢で、この時点で大きく取り上げられることはありませんでした。
血を吸う
恵子は西荻窪駅で幽霊男と合流して、彼のアトリエに向かいます。
不安を抱えていた恵子ですが、出された酒を飲むことでそれらの感覚が吹き飛び、上機嫌になります。
ところが幽霊男が「君の血がほしい」と言い、薬品の染み込んだハンカチを鼻孔に押し当てられたことで恵子は意識を失ってしまいます。
後に恵子が戻ってこないため例のアトリエを人が探すと、そこには恵子を尾行したものの、バレて幽霊男に意識を奪われた弟・浩吉がいました。
彼の証言と他の情報から、警察は聚楽ホテルの幽霊男が予約した部屋を捜査しますが、そこで見つかったのは血を抜かれて白蝋色になった恵子の死体でした。
感想
都市部の殺人
本書はこれまでの因習がはびこる村社会ではなく、都市部である東京で様々な事件が起きます。
それゆえに幽霊男のような怪しい男が堂々と街中を歩いたところで、気味悪いと思う人はいても、それを覚えていて警察に伝える人もそうはいません。
無関心で、危機感が足りない。
犯人側からしたら大胆な犯行でも堂々としていれば案外ばれないため、それを利用して幽霊男はとんでもない犯行にでます。
これまでの金田一耕助シリーズではなかった味わいで、分かりやすい作品が好みだという人には読みやすかったのではないでしょうか。
スリルを楽しむもの
本書はミステリなので、当然殺人の動機があって、連続するのであればその理由が当然あります。
しかし、本書においてはそれが最重要というわけではなく、それよりも猟奇的な殺人など、分かりやすく衝撃的な部分に重きが置かれています。
正直な感想として、犯人が全く分からなかろうが、それまでの描写などを楽しめていれば本書のもとは取れたといっても過言ではありません。
横溝正史作品を読み慣れていない読者であってもとっつきやすい反面、これまでシリーズを追ってきた読者からすると反応が分かれるのはこのあたりが理由でしょう。
僕は良い箸休めになったと好意的に捉えましたが、このあたりはぜひ読んでお確かめください。
おわりに
表紙を見て、江戸川乱歩を久しぶりに思い出しました。
少年時代の楽しかった読書の記憶がよみがえり、キャッチーなタイトルや表紙はやはり大事だなと、再認識しました。
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