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『死体埋め部の悔恨と青春』あらすじとネタバレ感想!思いがけない殺人が出会うを生み出す

harutoautumn
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英知大学の新入生・祝部浩也は帰宅中に暴漢に襲われ、格闘の末に誤って男を殺してしまう。「助けてやろうか?」そこへ通りかかった大学の先輩・織賀善一の提案で、いったん死体を埋めに行くことに。だが死体を運ぶために乗り込んだ織賀の車の後部座席には、すでに“左手の指をすべて骨折した死体”が座っていた。死体処理で生計を立てる織賀になかば脅され、祝部はその手伝いをしながら奇妙な死体の謎を解くことに。ふたりだけの歪な部活動が行き着く先とは――。気鋭の著者による初期傑作ミステリ、全面改稿の上、書き下ろしを加えて待望の復刊。

Amazon商品ページより

斜線堂有紀さんの作品である本書。

初期作品ですが、文庫化まで僕は知りませんでした。

斜線堂さんの作品は読みやすさ、そこに美しさや残酷さが共存していて、本書にもつい期待してしまったのですが、思ったものとは違っていました。

面白いけれども…というのが正直なところなので、これから読む人に向けて記載したいと思います。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

運命の出会い

英知大学の新入生・祝部(はふりべ)は初めて登校日に地獄を見ます。

説明会後に簡単な宴会に参加し、これから始まる大学生活に胸を躍らせていましたが、帰り道、暴漢に襲われます。

相手はナイフを振りかぶり、祝部は無我夢中で抵抗して相手を殺害してしまいます。

放心状態で、どうしたら良いのか分からず呆然としていると、赤いジャージを着た男に「助けてやろうか?」と声を掛けられます。

それが織賀との出会いでした。

部活

織賀は英知大学の三年生で、祝部が殺害した男の死体を快く自分の車に載せてくれます。

しかし、祝部はさらに驚きます。

車の後部座席にはすでに別の女性の死体がいたのです。

織賀は死体埋め部なる常軌を逸した部活に所属していて、これも部活動なのだといいます。

常識的に考えておかしなことは明らかですが、未来が閉ざされようとしている祝部に否定する選択肢などありません。

祝部は普通の大学生活はここで終わり、織賀と共に二体の死体を処理することになります。

織賀が普段、死体を埋めている山に向かう途中、彼は女性の死体が不思議であることを教えてくれます。

左手の指が全て折れているのです。

祝部にとってそんなことを気にしている余裕などありませんが、織賀は暇つぶしとして理由を考えたがります。

仕方なく死体を観察し、質問を重ねて、祝部はやがてどのようにしてこの死体が生まれたのかを突き止めます。

感想

日常のもろさ

本書を読んで一番最初に感じたのは、日常がいかにもろいかです。

祝部はいわゆる善良な市民で、努力して華々しい生活を勝ち取りました。

しかし、そんな彼の努力を嘲笑うように非日常が降りかかり、結果として祝部は犯罪者になってしまいました。

彼に何の罪もないことは明白ですが、やってしまったことを考えると、社会的に何も変わらずにいられるわけがありません。

こんなにも日常はあっさり壊れてしまうのかと思うと、自分の足元がぐらつくような感覚を覚えました。

織賀の危なさ

本書をリードするのは死体埋め部の織賀です。

彼の送ってきた人生がまず普通ではなく、歩んできた人生によって常人では計り知れない人格が生まれました。

織賀を一般常識の枠で縛ることなどできるわけなく、平然と死体を処理してお金を稼いでいるところからもそれがうかがえます。

そんな破綻した性格なので、祝部が誤って人を殺害してしまったことも気にしておらず、絶望していた祝部にとって織賀は命の恩人で頼りになる先輩です。

神のような存在といっても過言ではありません。

しかし、作中で祝部も言っているように、織賀に依存することは危険で、それが正しいことが後々になって証明されるわけですが、状況を考えると依存してしまうのも無理はありません。

関わりにならない方が良いのに、極限の状況では頼らざるを得ない。

危険な織賀との、この綱渡りのような関係が絶妙で、面白かったです。

展開としてはもう一つ

僕が本書にはまり切れなかった理由として、思ったより物語が展開しなかったことがあげられます。

基本的に死体を運ぶ中で、死体がどのようにして出来上がったのかを推理するというのが一連の流れで、それを何回も繰り返します。

はじめはこの過程が面白かったのですが、やがて物足りなさを感じるようになりました。

殺害現場を直接見るわけでもないし、死体もどこか記号めいていて、生々しさがあまり感じられません。

学生ものとしても、大学生活がそこまで描かれているわけではないので、やはりミステリとして楽しむしかありません。

僕はこれらの理由からはまり切れなかったのですが、レビューなど見ていると好評の声が多かったので、僕が少数派だったのかもしれません。

読んで損することはないため、あらすじを読んで興味を持った人は、まず読んでみることをオススメします。

おわりに

織賀の承認を得るために死体の謎を解き明かす。

この不健全な関係が見応え抜群で、綱渡り的な関係が面白かったです。

第二弾も出ているので、読んでみて気に入った人はぜひそちらもチャレンジしてみてください。

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