『七人の鬼ごっこ』あらすじとネタバレ感想!過去の記憶に閉じ込められた真実とは?
自殺しようとしたえいくん――多門英介を襲い、連続殺人をはじめた《鬼》は誰?
Amazon商品ページより
瓢箪山の達磨神社。桜の木の下で遊んだ子供時代の仲間が次々殺されていく。その一人でホラーミステリ作家となった速水晃一は神社を訪れ、あの日、記憶に封じた忌まわしい《鬼》と、連続殺人犯を推理するが……。
生命の電話にかかってきた一本の電話。
そこから思わぬ方向に物語が広がり、タイトルに結びついていく様は怖くもあり、読み進めたくなる絶妙な塩梅でした。
恐怖の正体は怪異か、それとも。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
一本の電話
生命の電話で相談員を務める沼田八重のもとに、一本の電話が入ります。
はじめ相手の声はせず、続いて聞こえてきたのは『だるまさんがころんだ』に似た、それでいてもっと禍々しい歌声。
八重は電話口の相手が子どもだと思いますが、次の瞬間には成人男性でした。
男性はそんな歌など歌っておらず、ここで両者において齟齬が生れていますが、ここではそれを流して話が進みます。
ゲーム
男性は首つり自殺しようと考えていました。
しかし、まだ生に執着があり、そこで男性はゲームを考えます。
月曜からこの電話をしている土曜までの間、ずっと男性は自殺を考えていて、その度に昔の友人に電話をかけて、繋がれば自殺を思いとどまるようにしていました。
幸い、五人の友人が電話に出てくれて生きられましたが、ここで友人がいなくなってしまい、男性は苦肉の策として土曜に生命の電話に電話したのでした。
八重は男性の本気度を感じとり、自殺を思いとどまらせるとともに、男性がどこにいて、どこで自殺しようとしているのか引き出そうとします。
その結果、そこは八重にとって馴染みのある土地でした。
現場
精神保健福祉センターの職員である常葉は生命の電話から情報提供を受け、男性が東京の摩館市にある瓢箪山で自殺を決行しようとしていることを知ります。
常葉は上司の幕間と共に現場に向かい、男性を見つけて自殺を阻止することを目指します。
普段、業務に対して消極的で傲慢な幕間ですが、なぜか今回の一件については妙に積極的で、この時点での違和感として描かれています。
現場に到着した常葉たちは男性を探しますが、これは物語のほんの一端でしかありませんでした。
感想
怪異なのか
本書の面白いところは、恐怖の根源が怪異かどうかという点が、最後まで分からないというところです。
もっといえば、最後になってもそこは明確にはされません。
冒頭から中盤までは童謡のような不気味な歌が何度もリフレインされ、正体不明の怪異が潜んでいるように印象づけられます。
一方で、中盤からは摩館市に隠されている都合の悪いことが次第に明らかになり、人間的な恐怖もまたせり出してきます。
本当に怖いのは怪異か、それとも人間か。
このバランスがその時々で変わるところが面白いです。
盛り上がりはもう一歩
全体として面白く読めたのですが、恐怖の正体、あるいはミステリ最大の魅力といえる真相に対して、もう一歩という印象を受けました。
ボルテージが次第に上がり、爆発的に盛り上がる準備が出来ていましたが、結末部分が準備に対して爆発力に欠ける気がします。
結末が予想の範囲内にあったこともそうですが、真実が明らかになったことで今までの不気味さが霧散してしまったせいかもしれません。
ただこの感覚は三津田信三さんの他の作品と比べて、という前置きが入っているので、そういった視点を持たない人であればおそらく気にならないはずです。
おわりに
ミステリ、ホラーのバランスが良く、五〇〇ページ近いボリュームが全く気にならないほど簡単に読めてしまいました。
このリーダービリティと面白さを両立させるあたりに、三津田さんの力を強く感じました。
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