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『マスカレード・イブ』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

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ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美は、ある客たちの仮面に気づく。一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、一人の男に目をつけた。事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名を言わない。殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。二人が出会う前の、それぞれの物語。「マスカレード」シリーズ第2弾。

「BOOK」データベースより

『マスカレード』シリーズ第二弾ですが、前作『マスカレード・ホテル』の前日譚です。

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なので前作でお馴染みの尚美も新田も登場しますが、まだ出会っておらず、別々の場所で活躍することになります。

前作を知らなくても問題ありませんが、やはり二人のことを知っているからこそ面白いと感じる部分があり、さらにエピローグが『マスカレード・ホテル』に繋がりますので、ぜひ前作を読んでから本書に挑戦してほしいと思います。

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

それぞれの仮面

山岸尚美パート。

彼女はホテル・コルテシア東京に勤めて四年が経過していましたが、そんな彼女のもとに思いがけない人物がやってきます。

元プロ野球選手である大山将弘と一緒に現れたのは、大学時代の先輩で元恋人の宮原隆司です。

彼とは大学時代の映画研究会で出会い、映画に対する真剣な思いをぶつけるうちに意気投合し、交際をスタート。

しかし、宮原が新卒で入った会社は倒産してしまい、彼は大阪にある不動産関係の会社に再就職。

その際に仕事に集中したいということで尚美に別れを告げ、それ以来の再会でした。

不動産関係といっていたのに、なぜ大山の付き人をしているのだろう。

疑問に思っていると、尚美の携帯に宮原から電話が入り、他の人には内緒で助けてほしいと頼まれます。

尚美は断り切れず、指定された部屋に向かいます。

そこは宮原の部屋ではなく、西村美枝子という女性の部屋でした。

部屋には宮原しかいませんでしたが、部屋の様子から美枝子と男女の仲であることがうかがえます。

宮原の頼み、それは突然消えてしまった美枝子を探してほしいというものでした。

彼女は宮原がシャワーを浴びている間にサヨナラと言い残して消えてしまったといいます。

宮原は二年前に結婚をしていて、美枝子は不倫相手ということになります。

自分の知る宮原との違いに尚美は頭を痛めますが、美枝子にはリストカットなどの自殺未遂もあり、放っておくこともできません。

宮原とのこれまでの仲に免じ、誰にも内緒で尚美は調査します。

ベッドの下には美枝子が落としたと思われる片方のピアスがあり、それを従業員に見せながら聞き込みをしますが、誰も美枝子がホテルから出ていったところを見ていないといいます。

つまり、美枝子はまだホテルにいることになります。

一方、今日になって一泊十八万もする部屋を予約し、さらに豪勢なルームサービスを頼む鴨田という人物は本当にお金が払えるのかと話題になっていました。

この時、尚美にはピンとくるものがあり、ベルボーイにお願いをし、代わりに料理を鴨田の部屋に運び、真実を知ります。

翌朝、尚美は宮原に対し、嘘を見破ったことを告げます。

実は、宮原と美枝子にはなんの関係もなく、美枝子の本当の相手は大山だったのです。

グラスに口紅がついていましたが、吸い殻にはついていません。

宮原は禁煙室を選ぶほどだから吸うわけがない。

すると宮原がかばうほどの人間ということになり、それは大山以外にいません。

美枝子がいなくなったことは本当ですが、それは大山から聞いたことで、彼の不倫がバレることを防ぐために宮原が身代わりになったのでした。

美枝子の本名は横田園子といい、宮原は大山のアリバイ作りのためにいつも奔走していました。

わがままな大山に尽くす宮原。

それは尚美の知る彼であり、尚美がホテルに勤めるのと同様、生き生きしているように見えました。

尚美は宮原を見送ると、チェックアウトの手続きを終えた園子に近づき、例のピアスを渡します。

彼女の部屋ではなく、鴨田の部屋の前で見つけたと嘘をついて。

尚美はベルボーイとして鴨田の部屋に入り、そこに園子がいたこともしっかりと見ていたのです。

園子は尚美が事情を知っていることを察し、全てを話します。

園子は三年に渡って大山と関係を持っていましたが。今は鴨田との結婚を考えていて、大山はとは別れるつもりでした。

ところが、鴨田は園子に別の男がいるのではと疑い、このホテルに追いかけてきたのです。

実は自殺未遂などは全て園子の演技で、これまでは大山の気を引くために行ってきました。

今回はそれを利用して自然に大山の部屋を出て、鴨田と合流したのでした。

園子は尚美に口止めし、尚美はこれを了承。

しかし、言いたいこともしっかりと言います。

自分たちはお客様の仮面に隠された本当の顔を他の人に教えることはしない。

その素顔が美しいならともかく、醜ければ尚更と。

園子はその言葉で憎悪をたぎらせ、冷たい笑顔で去っていきます。

尚美は宮原にエールを送るとともに、彼は本当に結婚していたのか確認すれば良かったと少し後悔するのでした。

ルーキー登場

こちらはまだ新人の新田のパート。

ホワイトデーの翌日、事件があったと新田は呼び出しを受けます。

被害者の名前は田所昇一。

ホワイトデーの夜、昇一がランニングから帰ってこないことを不審に思った妻の美千代が警察に通報し、複数箇所を刺されて死んでいる昇一が発見されました。

彼は複数の飲食店を経営する実業家で、警察は最初、ビジネス上のトラブルと見て捜査を始めます。

ところが、昇一の職場での評判は良く、女性関係は何もありませんでした。

捜査を進めるうちに、新田は閃きます。

犯人は自転車で背後から近づくとランニング中の昇一を呼び止め、止まった彼を殺害したのではないのかと。

自転車で移動するということは、近所に住んでいる可能性が高いと思われます。

さらに現場には同じ銘柄の吸い殻が複数見つかっていましたが、あれはフェイクだと新田は推理。

セルフ式のお店であれば他の客が残した吸い殻を持ち帰ることが可能だとして、現場周辺のお店を当たります。

すると防犯カメラに不審な男が吸い殻を持ち去る姿が映っていて、吸った人物の協力もあり、吸った人物と現場に残された吸い殻のDNAが一致。

警察は防犯カメラに映った男の画像を見せながら捜査すると、彼は美代子が開いている料理教室の生徒・横森仁志であることが判明します。

横森は吸い殻を捨てたことこそ認めますが、犯行は否認します。

しかし、家宅捜索して見つかったジャンパーの袖口に血がついていて、昇一のものだと判明すると横森は観念して自供を始めます。

彼は料理教室に通ううちに美代子に魅了され、彼女もまた自分に気があると思い込んでいました。

だから昇一さえ殺害すれば、自分たちは結ばれると本気で信じていました。

新田と一緒に組んでいた本宮は頭がおかしいと片付けようとしますが、新田はどうも納得いきません。

美代子にこのことを報告すると同時に、事件のあった日の昇一の食事の内容について聞きます。

すると新田の読みは当たり、彼女の言った食事内容と昇一の胃に残されていたものは全く違っていました。

つまり、ホワイトデーの夜、昇一と美代子は一緒に食事をしていなかったことになります。

新田は横森にこのことを伝え、なぜホワイトデーの夜に犯行に及んだのかと問い詰めると、横森が動揺します。

そこで新田は、横森が誰かに頼まれて殺人を行ったのではないかと推理。

すると横森は、自分から美代子に提案し、昇一の殺害を持ちかけたのだと自白。

夫婦仲が冷えきっていただけでなく、美代子は昇一から暴力を振るわれていて、解放してやりたかったのだといいます。

新田は、この話をもとにさらに美代子を追及します。

実は美代子は暴力など受けておらず、横森は彼女がメイクで作った痣を見て勘違いしていたのでした。

さらに昇一が生前、美代子の浮気調査を行っていたことが判明。

美代子は自分の本を出版するために出版社の男性と頻繁に会っていて、料理教室の生徒の中には二人が男女の仲にあると気が付いている人もいました。

美代子の考えはこうです。

昇一に浮気がバレてしまい、離婚となれば今のような贅沢な暮らしが出来なくなる。

そこで自分に好意を寄せる横森をそそのかし、昇一を殺害させ、自分は出版社の男性と結ばれようとしていたのです。

しかし、ここまで明らかになっても美代子が横森をそそのかしたという証拠はどこにもありません。

美代子は最後に獲物を狙う蛇のような素顔を見せ、新田はこの経験を今後に活かすと唇を噛むのでした。

仮面と覆面

再び尚美パート。

物語は怪しげな男性五人組が宿泊のために受付の尚美のもとにきたところが始まります。

彼らはタチバナサクラという人物がここに泊まることを知って来たようですが、尚美は守秘義務のため答えません。

すると彼らはロビーなどに散らばり、目的の人物が現れるのを待ちます。

尚美はタチバナサクラがアイドルかなにかだと思っていましたが、調べると今年の春に新人賞をとった美人女性作家だということが分かりました。

尚美はフロントの責任者である久我に相談すると、現時点では注意できませんが、何かあったら対応出来るようにとタチバナサクラの部屋を探します。

すると出版社の名前で予約された部屋があり、宿泊者は玉村薫となっていました。

本名かどうかは分かりませんが、この玉村薫がタチバナサクラだと思われます。

無用なトラブルは避けようと尚美は予約した望月という担当者に連絡をとります。

その後、玉村薫本人が受付にやって来ますが、なんと中年の男性でした。

望月の説明によると、賞に応募してきた時は女性を名乗っていて、出版社もこれを利用しようと女性作家として売り出します。

ところがファンの間で顔が見たいということになり、コンピューターで合成した写真にぼかしを入れて掲載する予定でしたが、ぼかしを入れる前に手違えで掲載してしまい、すぐに削除しましたが一部のファンに画像が出回ってしまったのでした。

結果、本当に美人だと分かり、ファンはますます熱を上げ、今回のように追い掛け回すようになったのだといいます。

玉村は四日間缶詰状態で原稿を書くということで、尚美は彼の正体がバレないよう望月に協力することになります。

タチバナサクラ目的で宿泊した男性たちは、望月の名前を騙って彼女宛に郵便物を送ります。

中身は発信機でしたが、尚美は怪しいと望月に確認することで事前に危機を回避し、なんとか玉村の部屋を知られずに済みます。

望月は玉村が仕事をしているかと定期的に連絡をとり、彼がちゃんと部屋にいることを確認します。

一方で、玉村が材質だと望月が思っている時間帯に玉村が部屋を出ていることを尚美は知っていて、不思議に思うも黙っています。

そしてある日、ちょっとしたトラブルになります。

望月とは別の出版社で働く今村という男性が現れ、タチバナサクラに来たことを伝えてほしいと言います。

尚美は言われた通り、玉村の部屋に電話をかけますが、そこで今村は電話を奪い取ると、自分がファンであること、日ごろの感謝を告げます。

実は今村も彼らの仲間で、最後の手段で声だけでも聞きたかったのだといいます。

今村は少女みたいな声に満足して帰りますが、尚美は誰と話したのだろうと疑問に思います。

そこで尚美は玉村の泊まる部屋に行くと、中から出てきたのは高校生くらいの少女で、そこに玉村が帰ってきます。

二人で宿泊しているのを一人と偽ったことを追及され、玉村は白状します。

本当の玉村薫は彼の娘のことで、彼はソウイチという名前でした。

彼は薫が小説を応募したこと、内容が卑猥だと知ります。

しかも応募した小説が見事受賞してしまい、なんとか取り消せないかと考えたソウイチは自分が作者だと偽ります。

ところがそのままデビューの話が進んでしまい、今も薫が執筆していることは出版社に内緒だといいます。

望月が電話をかけてくる時、一度ホテルのオペレーターが薫に確認し、良ければ取り次ぐという方式がとられています。

そこでソウイチが不在の時は、ソウイチに電話をかけ、携帯をホテルの電話に当ててあたかもソウイチが部屋にいるように錯覚させたのです。

先ほど、尚美が電話をかけた時はオペレーターを通していないので、今村が話したのは本物の薫ということになります。

尚美はこんなことはいつかバレると忠告。

ソウイチも分かっていましたが、せめて薫が成人するまではこのままでいきたいと思っていて、尚美もこのことは黙っていることにします。

その後、望月から尚美に電話がかかってきて、今回の一件について報告があります。

今村はスパイとして望月たちの出版社のアルバイトをし、タチバナサクラに関する情報を仲間に流していたのでした。

望月はことが収まったと安心していますが、彼がまだ知らないこともあります。

尚美は、薫が自分の正体を明かした時、望月たちはどんな顔をするだろうと楽しみで仕方ありませんでした。

マスカレード・イブ

尚美と新田の両方が登場する話。

尚美は系列ホテルであるコルテシア大阪オープンにあたり、現場の実力不足を補うために東京から派遣されていました。

最初は嫌嫌でしたが、次第に東京との違いに気が付き、いい経験だと思えるようになっていました。

大阪ならではの接客にも慣れてくると、バラの香りが印象的な女性がチェックアウトし、尚美は思わず声をかけてしまいますが、ここではまだ何もありません。

一方、東京では大学教授の岡島が殺害され、新田も応援に駆け付けます。

特捜本部を設置しますが人手が足りず、新田は生活安全課所属の女性警官・穂積理沙と組むこととなり、不満を覚えます。

聞きこみから、岡島は研究で一人でよく残っていたため、犯行はそう難しいものではありません。

また出入りも自由なため、不審者を見つけるのも一苦労です。

そんな中、岡島と共同研究をしていた南原という准教授に動機が浮かび上がります。

企業との研究で、南原の考案した手法が取り入れられるはずでしたが、土壇場になって南原は自分の考案した方法にかじ取りを始め、そのまま決まってしまえば南原には何の利益にもなりません。

そこで警察は学会で京都に行っていた南原が東京に戻ると事情聴取をします。

南原は他の人と違い、岡島のことをあまり快く思っていない節があり、さらに事件のあった可能性のある一昨日の夜のアリバイが曖昧で、聞かれて動揺します。

その後の調べで岡島が殺害されたのは一昨日、三日の夜と判明。

新田たちは南原が怪しいと追及すると、彼はその日、京都ではなく大阪のホテルに泊まり、人妻と密会していたと白状。

しかし、相手に迷惑がかかるからと女性とホテルの名前は言いません。

警察は言うまで事情聴取で何度も呼ぶと圧力をかけると、南原はついにホテル・コルテシア大阪にいたと白状します。

そこで無駄だと分かりつつも、厄介払いついでに理沙をコルテシア大阪に向かわせ、南原が事件の日にいたのかを確認させます。

コルテシア大阪で理沙の対応をしてくれたのが尚美でしたが、有力な証言を得ることは出来ません。

理沙はそれでも諦めずに聞きこみを続けると、力になりたいと思った尚美は彼女を呼び出し、自分が言ったとは内緒にするという約束のもと、知っていることを話します。

事件のあった四ヶ月ほど前、南原はコルテシア大阪に宿泊していて、チェックアウトの際、彼は持ってきてしまったとタオルを返却しますが、タオルからはバラの香りがしました。

冒頭でバラの香りが印象的な女性も宿泊していましたが、彼女もこの日に宿泊していました。

尚美は二人がこの日初めて出会い、関係を持ったのではと推測。

だから事件のあった日、南原のことは見ていないけれど、その女性が宿泊していたので、南原もいたのではと尚美は考えていました。

しかし、このままでは証言になっていません。

そこで理沙は東京に戻ると、南原に会った時、バラの香りがしたと嘘をつき、バラの香りがする人妻と密会していたと思わせます。

さらに二人が初めて会った日、事件のあった日の宿泊名簿を入手していたため、そこから畑山玲子という女性を割り出します。

新田と理沙は玲子に会いに行きますが、玲子は南原のことを知らないと断言。

しかし、新田は彼女が嘘をついていること、バラの香りがすることに気が付き、事件に関係していると考えて捜査を続けます。

一方、この時、理沙はバラの香りに気が付かず、新田は理沙が嘘をついていることに気が付きますが、この時は言及しません。

二人は玲子の夫である義之にも聞きこみをしますが、南原のことは知らないといい、玲子が経営、義之が専務取締役を務めるエステサロンにも南原は来ていませんでした。

南原と玲子の繋がりが見えず、捜査は難航しますが、新田は別の事件に注目します。

それは伊村由里という女性が殺害された事件で、被害者の部屋からはある手紙が見つかっています。

差出人は玲子の父親・輝信からのもので、彼は由里が娘だと認め、自分が死んだ時は遺産を相続したいと書かれていました。

この時、警察は玲子を調べましたが、事件当時は鉄壁なアリバイがあり、捜査が難航していました。

新田は、今回の二つの事件は交換殺人で、事件に関係している方はアリバイがあるため、そこからでは犯人にたどり着けないと考えていました。

つまり、南原が由里を殺害し、玲子が岡島を殺害したということです。

警察は由里の爪から検出されたDNAを調べ、南原のものと一致することを突き止めます。

すると南原は観念して全てを話します。

岡島に対して恨みを持っていた頃、コルテシア大阪で玲子と出会い、意気投合。

ここで二人は交換殺人を思いつきます。

由里を殺害すれば玲子の遺産は減りませんし、岡島を殺害すれば成果は南原のものになり、両者にメリットが生まれます。

そこでまずは玲子がカナダへ旅行に行っている間に、南原が由里を殺害。

その後、南原が学会で京都に行っている間に、玲子が岡島を殺害するはずでした。

ところが、事件にあった日、南原は玲子に最終的な打ち合わせがしたいとコルテシア大阪に呼ばれます。

その後、岡島が殺害されたことを知りますが、殺害されたのが鉄壁なアリバイを用意した四日ではなく、三日だと知って驚くのでした。

警察は義之と玲子を連行するために部屋を訪れますが、義之が四階から飛び降り、意識不明に陥ります。

玲子は取り調べを受けますが、そこで岡島の車から義之の毛髪が見つかったことが分かり、彼は殺人容疑で逮捕されることになります。

また玲子が関与しないと、南原が由里を殺害する理由がなくなってしまうため、裁判になれば玲子も同様に裁かれることになります。

観念した玲子は、南原さえも知らなかった真相を話します。

南原に完璧なアリバイがあると、交換殺人がバレて警察が真相に近づくのではと考え、わざと南原のアリバイを崩すために大阪で会ったのでした。

このことは義之の発案で、二人はもう何年も夫婦関係はありませんでしたが、誰よりもお互いに信頼しているといいます。

いわゆる仮面夫婦というものです。

その後、義之は意識を取り戻し、玲子を守ってやれなかったと謝罪するのでした。

最後に新田は理沙の嘘に気が付いていることを伝え、バラの香りから南原と玲子の関係に気が付いた女性フロントクラーク(尚美)に会ってみたいと口にするのでした。

エピローグ

尚美がコルテシア東京に戻ってひと月が経った頃、宿泊客の彼女を名乗る人物が彼に会いたいとしつこく言ってきます。

男性に確認すると、追い返してほしいと言われ、男性が原因のケンカだと思いつつも尚美は宿泊客を優先して女性を追い返します。

これは『マスカレード・ホテル』を読んだ人なら分かると思いますが、エピローグが『マスカレード・ホテル』に繋がっています。

もしかしたら読んでいない人がいるかもしれませんので、ここではネタバレを避けたいと思います。

気になる方はこちらの記事をご覧ください。

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おわりに

前日譚ということで新田と尚美のやりとりを見ることは出来ませんが、別々の場所でも相変わらずということで安心するとともに、安定して面白かったです。

シリーズということで、すでに続編も出ていますので、今後のさらなる広がりに期待したいと思います。

次の話はこちら。

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