ミステリー

『マスカレード・ナイト』あらすじとネタバレ感想!仮面舞踏会に紛れた犯人を見つけられるか?

敵も化けている。決して騙されるな。
若い女性の他殺体が発見。警視庁に届く一通の密告状。犯人は、コルテシア東京のカウントダウン・パーティに現れる!?

練馬のマンションの一室で若い女性の他殺体が発見された。ホテル・コルテシア東京のカウントダウン・パーティに犯人が現れるという密告状が警視庁に届く。新田浩介は潜入捜査のため、再びフロントに立つ。コンシェルジュに抜擢された山岸尚美はお客様への対応に追われていた。華麗なる仮面舞踏会が迫るなか、顔も分からない犯人を捕まえることができるのか!? ホテル最大の危機に名コンビが挑む。

Amazon商品ページより

『マスカレード』シリーズ第三弾となる本書。

『マスカレード・ホテル』に引き続き、犯行の舞台としてホテル・コルテシア東京が選ばれ、新田×山岸コンビが復活します。

前回同様、日常で見せる顔とは違う仮面を被った客が犯人候補となりますが、今回はさらに一味違います。

犯人が紛れ込むのは通称『マスカレード・ナイト』と呼ばれるホテルで行われる仮面舞踏会で、従業員含めて仮装をするので人物の特定が困難になります。

その中で、どうやって犯人を特定するのか。

ミステリとエンタメの両立が見事で、これまでのシリーズ作を読んできた人であれば必見です。

また特設サイトがかなり充実しているので、読む前か後か、どちらでも良いのでぜひ見てみてください。

「マスカレード」シリーズ特設サイト

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

あらすじ

密告

匿名通報ダイヤルからの通報により、一件の殺人事件が警察の知るところとなります。

練馬区在住の女性・和泉春菜が心臓に電気を流されて感電死していて、春菜は妊娠していました。

部屋からはロリータ趣味の服が見つかっていますが、春菜はボーイッシュな格好を好んでいて、周囲の人間から聞く彼女のイメージと合いません。

春菜のマンションに出入りする男性が複数人によって目撃されていることから、ロリータ趣味は男性による影響だと考えるのが妥当です。

この男性が犯人の有力候補と考えられますが、まだ見つかっていません。

そんな中、再び匿名通報ダイヤルから通報があり、警察は驚きます。

この事件の犯人がホテル・コルテシア東京で行われるカウントダウン・パーティに現れるというのです。

前回、コルテシア東京で手柄を立てた新田浩介は再びホテルマンに扮してホテルに潜入し、コンシェルジュに抜擢された山岸尚美と再会します。

しかし、今回の新田のお目付け役は別の人物で、新田がホテルマンとして業務に加わることに明らかな嫌悪感を示しています。

先行き不安の中、新田たちの捜査は始まりました。

二つの事件

前回、別の視点から事件を追っていた能登は昇進していますが、それでも変わらず刑事としての優秀な頭脳を惜しみなく新田に貸してくれます。

能登の捜査の結果、春菜の事件と類似した未解決事件が三年半前にも起きていたことが判明します。

睡眠薬を飲まされてから感電死させられていること、クローゼットの中にロリータ趣味の服装があったことなどが類似していますが、どう関連しているのかが分かりません。

能登はホテル外からこの事件を追い、やがて物語の本筋に重要な影響をもたらします。

マスカレード・ナイト

日常とは違う、『仮面』を被った客の数々。

通常ではあり得ない要求も多く、新田や尚美はその度に頭を悩ませながら要求に応えていきます。

客の性格や背景が明かされ、いよいよカウントダウン・パーティである通称『マスカレード・ナイト』を迎えます。

本当に犯人は現れるのか。

目的は何なのか。

通報した人物の目的は何なのか。

疑念と緊張感が高まる中、物語はクライマックスを迎えます。

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感想

客による伏線が上手い

これまでのシリーズ以上に無茶苦茶な要求をしてくる客が続々と登場します。

匿名の通報を知っている読者からしたら、誰が犯人であってもおかしくはないと思うはずです。

些細な行動から、どんな心理を読み取るのか。

最後に事件の真相が明らかになりますが、本筋に関係ないところも含めて客による伏線がしっかり張られていて、ホテルという特殊な舞台を存分に活かしているところに東野さんの上手さを感じました。

ホテルものとしても面白い

ミステリ要素を抜きにしても、本書はかなり面白いです。

その最大の理由は、他では出会えない強烈な客と、その要望に応えるホテルマンたちの仕事ぶりがあるからです。

『無理です』は禁句。

尚美は作中、度々この言葉を口にして、自分で無理と思っても決して諦めることはありません。

客の要求の根本にあるものを捉え、場合によっては代替案で応える。

決して小手先ではないおもてなしはまさしくプロの仕事で、尚美の成長ぶりが感じられるところがかなり良かったです。

今後への期待

物語の結末において、本シリーズは新たな局面を迎えます。

個人的にこれは次作への伏線ではないかと勝手に想像しています。

この設定であれば新たな展開で新田とコンビを組むことも可能ですし、物語のスケールもグンと上がるはずです。

気が早いですが、今から次作への妄想が広がり、もう楽しみで仕方ありません。

おわりに

シリーズものとしての安定、そして新たな展開で飽きさせない構成はさすがの一言です。

まだこの先も期待できそうなので、気長に新田×山岸コンビの活躍を期待したいと思います。

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