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辻村深月おすすめ文庫ベスト15+αを紹介!(2019年版)一度は読みたい名作選!

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「私の一番の理解者を見つけた気がした——」 

 

とある十代の読者が、辻村さんとの出会いをこう語りました。

若者を中心に絶大な人気を誇り、不動の地位を確立した辻村深月さん。

ところが、その名前は聞いたことあるけれど、どんな作品があるの? と首を傾げる人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、辻村さんの作品をまだ読んだことがない、もしくはいくつか読んだけれど次は何を読もう? と考えている方を想定し、文庫化された作品から厳選してご紹介します。

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辻村深月のプロフィール

※作品を早く知りたい方は読み飛ばしてください。

 

・名前 辻村深月(つじむらみづき)

・出身地 山梨県笛吹市

・生年月日 1980年2月29日

・年齢 38歳(2018年4月現在)

・最終学歴 千葉大学教育学部卒業

 

辻村さんは2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞し、デビューしました。

その後も数多くの賞に受賞し、多数の作品がドラマ化、映画化されています。

またすでにご結婚されていて、2018年4月現在、6歳と2歳のお子さんを育てる主婦でもあります。

それに伴ってこれまでの少年少女の思春期特有の揺れ動く心情を描いた作品だけでなく、母親目線からの作品も執筆し、作品の幅をより一層広めています。

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作品同士のリンクには要注意!

ランキングに入る前に、一点だけ注意しておくべきことをお伝えします。

それは、辻村作品では作品間で繋がりがあるということです。

辻村作品では、例えばAという人物が、BとCの二作品に出ているということが非常に多いのです。

クロスオーバーというと分かりやすいでしょうか。

これがファンからは好評であり、より彼女の作品に惹かれていく要因になっているのですが、たまに話のオチにこのシステムを採用してくることがあり、そうなると初見の読者は意味が分からず、置いてけぼりを食らってしまいます。

そこで、ここで紹介する作品には、リンクしている作品も合わせて書いておきます。

ここに書いた作品以外を読まれる場合は、ネタバレにならない範囲で下調べすることをオススメします。

番外編『かがみの孤城』

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どこにも行けず部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が集められていた。9時から17時まで。時間厳守のその城で、胸に秘めた願いを叶えるため、7人は隠された鍵を探す―

【「BOOK」データベースより】

いきなり番外編ですみません。

しかし、どうしても文庫化される前に紹介したかったのが本書です。

本書は2018年本屋大賞を受賞し、書店などで見かけたという人も多いのではないのでしょうか。

これまで数多くの名作を生み出してきた辻村さんですが、これは別格です。

辻村さんにとって、一番信頼出来る読者とは十代の頃の、いちばん厳しい目を持ち、強く渇望して本を読んでいた時の自分であり、もしタイムマシンであの頃の自分に一冊だけ本を渡せるなら、この『かがみの孤城』を渡したいと公言しています。

それくらい自身に満ち溢れ、新旧問わずあらゆる人を感動させる力を本書は持っています。

まだ文庫化されていないので、手に取るには少しハードルが上がってしまいますが、まだ辻村さんの作品を読んだことがないという方にはこれ以上の作品はありません。

以下のインタビューを読み、それからぜひ本書を手にとってみてください。

www.shosetsu-maru.com

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第15位『朝が来る』

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長く辛い不妊治療の末、特別養子縁組という手段を選んだ栗原清和・佐都子夫婦は民間団体の仲介で男子を授かる。朝斗と名づけた我が子はやがて幼稚園に通うまでに成長し、家族は平仮な日々を過ごしていた。そんなある日、夫妻のもとに電話が。それは、息子となった朝斗を「返してほしい」というものだった―。

【「BOOK」データベースより】

これまでの辻村さんよりもさらにリアリティが追求された、今の社会を表した内容になっています。

特別養子縁組という制度を言葉では知っていましたが、そこに子どもを預ける母親の心情、新しく子どもの母親になる女性。

それぞれが悩みを抱え、それでも答えを出すその姿は涙なしでは読めませんでした。

内容もあって読者が限定されてしまいますが、その分、深く突き刺さる作品です

以下は辻村さんへのインタビューです。

https://books.bunshun.jp/articles/-/2254

第14位『本日は大安なり』

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11月22日、大安。県下有数の高級結婚式場では、4月の結婚式が行われることになっていた。だが、プランナーの多香子は、クレーマー新婦の式がつつがなく進むか気が気ではない。白須家の控え室からは大切な物がなくなり、朝から式場をうろつくあやしい男が1人。美人双子姉妹はそれぞれ、何やらたくらみを秘めているようで―。思惑を胸に、華燭の典に臨む彼らの未来は?エンタメ史上最強の結婚式小説!

【「BOOK」データベースより】

高級結婚式場の一日を切り取り、その日行われる四つの結婚式に参加する人たちの思惑、そして今日を最高の一日にしようと努力するウェディングプランナーたちの奮闘が交差する物語です。

大安ということもあってか、人間の嫌な部分が見えつつも最後はハッピーエンドに終わる非常に読了感の良い仕上がりになっています。

また辻村さんの他作品を読んだ人なら思わずあっ、と思ってしまうような人物、名称と出会うことが出来ますので、万人受けする内容だけれど、やはりファンの方のほうがより楽しめるかもしれません

もちろん辻村さんの作品が初見だという方にもぜひおすすめしたい作品なので、読み終わったら別の作品にも挑戦していただき、ここに出てくるんだと知ってもらえたらなと思います。

以下のページで試し読みができますので、ご利用ください。

https://kadobun.jp/readings/228/64593cc6

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第13位『オーダーメイド殺人クラブ』

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クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。二人が「作る」事件の結末は―。少年少女の痛切な心理を直木賞作家が丹念に描く、青春小説。

【「BOOK」データベースより】

物騒なタイトルですが、そこは辻村さん。

思春期ゆえの大人と子どもの入り混じった複雑な感情が見事に描かれ、未熟ゆえに死を軽く考え、殺人事件に憧れる気持ちには僕にも何となく覚えがあります。

二人が後世に残すために考えた『オーダーメイド殺人』

その先に何が待ち受けているのか。

ぜひその目で確認してください。

以下は、大槻ケンヂさんと辻村さんの本書に関する対談です。

http://renzaburo.jp/tsujimura/index2.html

第12位『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』

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地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼い約束。彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、全ての娘は救われる。著者の新たな代表作。

【「BOOK」データベースより】

辻村さんの転換期ともいえる作品で、新旧どちらの辻村さんも見られる非常に重みのある作品です。

終わりの見えない悲劇の気配が続き、でも最後にほんの少しだけ救われる

扱うテーマは近年の辻村さんらしいですが、そこに描く女性たちの苦悩、これはまさしく昔から変わらずある辻村さんの魅力です。

ファンの方にも、そしてこれから辻村さんの作品を読むという方にもおすすめできる名作です。

以下は、本書に関する辻村さんへのインタビューです。

https://books.rakuten.co.jp/event/book/interview/tujimura-m/

第11位『ハケンアニメ』

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伝説の天才アニメ監督王子千晴が、9年ぶりに挑む『運命戦線リデルライト』。プロデューサー有科香屋子が渾身の願いを込めて口説いた作品だ。同じクールには、期待の新人監督・斎藤瞳と人気プロデューサー行城理が組む『サウンドバック 奏の石』もオンエアされる。ネットで話題のアニメーター、舞台探訪で観光の活性化を期待する公務員…。誰かの熱意が、各人の思惑が、次から次へと謎を呼び、新たな事件を起こす!anan連載小説、待望の書籍化。

【「BOOK」データベースより】

アニメ業界で働く女性三人を主人公に置いた物語。

想像はしていましたが、アニメ業界はいわゆる『ブラック業界』です。

しかし、それ以上に夢がある仕事なのだと、彼女たちの仕事ぶりを見て感動せずにはいられません。

それぞれが仕事に対してプライドを持っているからこそぶつかり、でも作品を愛する気持ちは同じだからこそ同じゴールを目指して頑張れる。

アニメ好きの方にはもちろんのこと、アニメをあまり見ないという方にもおすすめです

あと、タイトルにある『ハケン』の意味にも注目です。

『派遣』ではなく『覇権』

そのクールにおいて、覇権アニメとなれるのはただ一作品なのです。

以下は本書に関する辻村さんへのインタビューです。

https://cakes.mu/posts/7071

第10位『光待つ場所へ』

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大学二年の春。清水あやめには自信があった。世界を見るには感性という武器がいる。自分にはそれがある。最初の課題で描いた燃えるような桜並木も自分以上に表現できる学生はいないと思っていた。彼の作品を見るまでは(「しあわせのこみち」)。文庫書下ろし一編を含む扉の開く瞬間を描いた、五編の短編集。

【「BOOK」データベースより】

辻村作品で登場した彼、彼女のその後を描く短編集

単体で読んでも良質であることは間違いありませんが、他作品を読んだ方が100倍面白いです

具体的に挙げると

冷たい校舎の時は止まる

ぼくのメジャースプーン

名前探しの放課後

凍りのくじら

スロウハイツの神様

これらを読んでから本書を読むことをおすすめします。

読み始めるにはかなりハードルが高いですが、彼女の作品に魅せられたという方はぜひ挑戦してみてください。

第9位『冷たい校舎の時は止まる』

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講談社
¥918
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雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう―。第31回メフィスト賞受賞作。

【「BOOK」データベースより】

圧倒的な存在感を放つデビュー作です。

センター試験を間近に控えた高校生八人が雪の降りしきる中、登校しますが、学校には誰もいません。

そして、何らかの力によって校舎に閉じ込められていることに気がつきます。

始めは担任の榊のいたずらかと思いますが、異様な雰囲気に八人はとあることに気がつきます。

それは、学園祭で自殺した生徒の名前を誰一人思い出せないということです。

さらに校舎に入ってから時間は止まり、時計が指し示す時間は5時53分。

これは、その生徒が自殺した時間です。

疑惑は次第に確信へと変わり、八人は校舎から脱出するために自殺した生徒の名前を探し始めるのですが、そこで事件が起こり……

学校という馴染み深いシチュエーションで繰り広げられる緊迫感ある推理は、とても読み応えがあります。

第8位『ツナグ』

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一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員…ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。

【「BOOK」データベースより】

一般受けと言う意味で、一番適している作品です

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれる使者『ツナグ』。

高校生の歩美は祖母から『ツナグ』を継承する途中の見習いであり、様々な人たちの依頼を通して、『ツナグ』の責務の重要性を認識していきます。

そして『ツナグ』になるとはどういうことか、歩美は考えることになります。

それぞれの思いを抱え、死者と再会する人たち。

生と死がテーマにも関わらずその文章は温かく、新たな死生観を描いた作品です。

第7位『名前探しの放課後』

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依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。「俺、もしかして過去に戻された?」動揺する中で浮かぶ一つの記憶。いつかは高校のクラスメートの坂崎あすなに相談を持ちかける。「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」二人はその「誰か」を探し始める。

【「BOOK」データベースより】

学園ミステリーです。

SF要素も入り、これまでの辻村さんの作品の良い要素を集めた、この時点での集大成とも言える作品

藤見高校一年の依田いつかはある日、三ヶ月前に時間が巻き戻っていることに気がつきます。

それも三ヶ月後の記憶を保持したまま

その記憶が確かであれば、これから同級生が一人自殺することになるはずですか、なぜかその生徒のことが思い出せません。

思い出せるのは、その生徒が終業式の日に自殺するということだけ

いつかは信じてもらえないと思いつつも、唯一同じ中学から藤見高校に進学した坂崎あすなに事情を説明すると、彼女はいつかの真剣な様子に自殺の阻止に協力してくれるといいます。

さらにいつかの友人である長尾秀人、秀人の彼女の椿、秀人の友人の天木敬も加わり、五人は自殺しそうな生徒としていじめを受けている河野基と行動を共にし、Xデーを乗り切ろうと考えます。

ところが、この前提条件には大きな嘘が含まれていて、それを知った時の衝撃といったらありません。

まさしく辻村さんの王道ともいうべき作品になっています。

とても気に入っている作品なんですが、「ぼくのメジャースプーン」は読んでおかないと、結末に納得がいかないため、この順位にしました。

本当におすすめなので、ぜひ「ぼくのメジャースプーン」を読んでから挑戦してください!

以下のインタビューで本書について言及されています。

https://bunshun.jp/articles/-/255?page=2

第6位『ぼくのメジャースプーン』

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「書き終えるまで決めていたのはただ一つ、<逃げない>ということ。――私の自信作です」――辻村深月

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。

【Amazon 内容紹介より】

辻村作品ではファンタジー要素が含まれることがよくありますが、この作品がそれにあたります。

簡単に言うと、『AしなければBになる』という条件を提示し、AもしくはBのどちらかを相手に強制するという能力を持った小学生の『ぼく』が主人公の物語です。

小学生が主人公だからほのぼのしてるのだろう、と高を括っていると、その残酷な内容、やりきれない感情に驚くことになります。

学校で飼育していたうさぎが殺される事件、ショックで心を閉ざしてしまう「ぼく』の幼なじみの『ふみちゃん』。

『ぼく』は能力を使って、うさぎを殺した大学生の市川雄太に罰を与えることを考え、読者は『ぼく』と一緒に罪と罰について考えていくことになります。

何が市川にとって最大の罰になるのか、そもそも罰を下すべきなのか。

小学生とは思えない、冷たい感情と向き合いながら、『ぼく』の出した答え。

決して明るい話ではないけれど、最後に訪れるかすかな光に安堵を覚える、そんな話です。

 

【読んでなくても問題なし。読んでるとより楽しい】

子どもたちは夜と遊ぶ

凍りのくじら

第5位『子どもたちは夜と遊ぶ』

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大学受験間近の高校三年生が行方不明になった。家出か事件か。世間が騒ぐ中、木村浅葱だけはその真相を知っていた。「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番―」。姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。

【「BOOK」データベースより】

上下巻構成で、かなりの分量です。

交換留学をかけたコンテストに突如現れた天才『i』。

彼は生き別れた木村浅葱の兄・藍であることを仄めかし、再会するために殺人ゲームを提案します。

浅葱は兄に会うためにその提案に乗りますが、次第に精神はすり減り、さらには殺人の魔の手が友人にまで及んでしまいます。

一方、同じ研究室の狐塚孝太は秋山教授と事件を考えていく内に真相に迫り、浅葱が犯人であることを突き止めていきます。

日常はもろくも崩れ、凄惨な殺人の果てにどこに行き着くのか

叙述トリックによる意外な真相、人間の闇に怯え、でも最後に光が差し込む。

辻村さんの作品は、暗いテイストのものも多いですが、バッドエンドで終わるということはあまりありません。

辛いことがあったけど、それがふと軽くなるような幸福が降り注ぐラスト

それが本書には詰まっています。

第4位『島はぼくらと』

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瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。

【「BOOK」データベースより】

最近は大人の世界を描くことが多かった中で、久しぶりの高校生が主人公の話

やっぱり安定感が違うというか、初期の作品にあった瑞々しい思春期の心がここでも鮮やかに描かれていて、微笑ましく、そして羨ましく感じます。

瀬戸内海に浮かぶ小さな島・冴島。

そこで暮らす四人の高校生のもとに『幻の脚本』を求めてやってきた男が現れ、それがきっかけとなって物語は進行します。

地方の過疎化という大きな社会問題を題材にしていることから、決して甘い話だけではありません。

幸せを勝ち取るために、誰もが必死で生きているのだと考えさせられるシーンも多々あります。

そして、なんといっても後半からの追い上げは圧巻です。

ページを捲る手が止まらず、最後は涙せずにはいられません。

順位も非常に迷いましたが、『スロウハイツの神様』を読んでからだと、二倍おいしいという点で3位に位置付けしました。

以下は本書に関する辻村さんへのインタビューです。

https://www.shosetsu-maru.com/www.quilala.jp/fbs/pickup_interview13_08.html

第3位『凍りのくじら』

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藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。

【「BOOK」データベースより】

辻村さんの大好きなドラえもん』をモチーフにした作品

彼? の秘密道具になぞらえた話に、誰もが幼心を蘇らせるはずです。

芹沢理帆子は頭が良く、それでいてノリの良い付き合い方もできる器用な高校生ですが、別所あきらとの出会いを通じてこれまで見せたことのないような一面も覗かせていきます。

一方で、理帆子の世間を舐めていた性格が災いし、人の命のかかった大騒動を巻き起こしてしまいます。

しかし、それを救ってくれたのがドラえもんでした

大袈裟ではなく、人生を変える可能性を秘めた名作です。

第2位『東京會舘とわたし』

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上巻

大正十一年、社交の殿堂として丸の内に創業。東京會舘は訪れる客や従業員に寄り添いつつ、その人の数だけ物語を紡いできた。記憶に残る戦前のクラシック演奏会、戦中の結婚披露宴、戦後に誕生したオリジナルカクテル、クッキングスクールの開校―。震災や空襲、GHQの接収など荒波を経て、激動の昭和を見続けた建物の物語。

【「BOOK」データベースより】

下巻

井上靖、三島由紀夫らの小説でも描かれ、コーちゃんこと越路吹雪は多忙ながら東京會舘でのショーには永く出演した。七〇年代はじめに改装。平成では東日本大震災の夜、帰宅できない人々を受け入れ、その翌年には万感の思いで直木賞の受賞会見に臨む作家がいた。そして新元号の年、三代目の新本館が竣工する。

【「BOOK」データベースより】

大正十一年に創業した、実在する建物を舞台にした物語です。

2019年に元号は令和に移り、東京會舘は大正、昭和、平成、令和とたくさんの人の思い出を抱いてきました。

上下巻にわたる長編ですが、そこに描かれた人たちと東京會舘の思い出はどれも愛情にあふれたもので、ページをめくるにつれてもう終わってしまう、と惜しまずにはいられない感動作になっています。

正直、ある程度年齢を重ねられた人の方が共感でき、逆に学生の方だとピンとこないかもしれません。

僕自身、結婚してなければもっと順位を下げたと思います。

しかし、東京會舘は芥川賞と直木賞の記者会見、そして授賞式の会場でもあり、読書好きとしては外せないと思いこの順位にしました。

第1位『スロウハイツの神様』

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人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ―あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。

【「BOOK」データベースより】

文句なしの第1位です。

僕の人生を変えたと言っても良い作品です。

かつて手塚治虫、藤子不二雄ら才能ある漫画家が集まったキワ荘をモチーフに、クリエイターの卵たちが共同生活を送りながら、夢に向かって進んでいくという話です。

クリエイターというだけあって、みんな一癖も二癖もあり、そしてとても魅力的です。

夢を追うことの辛さ、そして楽しさ

作品がどれだけ人の心を動かせるのか

小説に限らず、エンターテインメントの可能性が本書に詰まっています。

何か夢を持っている方には、ぜひおすすめです

『凍りのくじら』とリンクしている箇所もありますが、こちらから先に読んでも問題ありません。

気付いて読み直すと、さらに楽しいです。

最後に

一番の理解者を見つけた、と読者に言わしめるほど、僕らと非常に距離感の近い文章を紡ぐ辻村さん。

一冊読めば、あなたもその魅力に気が付くはずです。今回ご紹介した本の全てを読めば、もはやその虜です。

共に辻村ワールドを旅してみませんか?

 

小説ベスト50も作りましたので、ぜひ読んでください。

【2019年版】厳選!おすすめ文庫小説ベスト50!初心者でもOK! 今回は僕の三十年近い人生の中で、これはぜひ読んでほしいという小説を50作品ご紹介します。 僕は肩ひじ張らず読める軽めの小説...
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