『夜の蝉』あらすじとネタバレ感想!私と周囲の友人、姉との関係を描くシリーズ第二弾
『空飛ぶ馬』につづいて女子大生の〈私〉と噺家の春桜亭円紫師匠が活躍する。鮮やかに紡ぎ出された人間模様に綾なす巧妙な伏線と、主人公の魅力あふれる語りが読後の爽快感を誘う。第44回日本推理作家協会賞を受賞し、覆面作家だった著者が素顔を公開する契機となった第2作品集。
Amazon商品ページより
シリーズ第二弾となる本書。
前の話はこちら。

本書で私の友人である正子と江美、それから私の姉が軸になっていて、関係性であったり、今まで見えていなかった一面を見ることができます。
特に姉のエピソードは胸にくるものがあり、心を揺り動かされる読書でした。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
朧夜の底
私と江美は、創作吟の発表会に来ていました。
正子が創作吟のサークルに入っていて、誘われたからです。
適当に見えて、正子はサークル活動についてずっと秘密にしていて、今回、突然彼女から照れながら話がありました。
いつもであれば教えてくれないのに、なぜ今回誘ってくれたのか。
ちなみにタイトルは、正子が発表会の最後に吟じた内容からきています。
六月の花嫁
一年半前の話。
江美は水道の元栓を締めに行くと話し、私は驚きます。
話を聞くと、江美の知人である峰ゆかりの家は軽井沢に別荘を所有していて、水抜きをする必要があるのだといいます。
行くついでに友人たちで泊まる計画を立てていて、江美が誘われ、彼女が私を誘ったのでした。
男性も一緒ということで私は迷いますが、秋の軽井沢に負けて了承します。
ただの旅行のつもりでしたが、行った先で不思議なことが起こりました。
夜の蝉
町の夏祭りが行われる日。
私の家の隣に住むトコちゃんは、母親の都合で夏祭りに行けなくなってしまいますが、見かねた私が連れていくことにします。
夏祭り自体は楽しめましたが、帰り道、とある女性を見つけます。
隙がなさ過ぎる美人。
それは私の姉で、ここから私と姉の話が展開されます。
感想
新たな一面
本書では私の視点で展開していくので、物語が展開するごとに彼女のことを深く理解できます。
正子や江美は頻繁に登場するので、それなりに知っていたつもりでしたが、本書ではこれまで知らなかった彼女たちの一面が提示されます。
それは私も知らなかったものであり、本書で初めて描かれます。
気心知れた友人であっても、知らないことはたくさんあって、秘密だって当然あります。
新たな一面が描かれたことで、私と正子、江美の関係が深みを増し、彼女たちの何でもないやり取りがより一層愛おしくなりました。
姉という存在
僕に一番響いたのは、姉のことです。
隙がなさ過ぎることが難であると言われるほど、他に欠点をあげるものがないと私に言わしめる美人で、私視点ではどこか遠い存在に思えます。
作中での数少ないやり取りを見ていると、仲が悪いわけではないけれど、特別仲が良いわけでもない。
そんな風に見えて、姉のことがよく分かりませんでした。
しかし、本書では私との一対一でのやり取りが濃密に描かれ、それぞれがお互いに抱いていることが表出します。
完璧に思えた姉の意外な一面。
それが明らかになる時、僕の胸は切なさで一杯になりました。そして自分の兄や姉のことを考えました。
僕も特段兄、姉と仲が良いわけではないのですが、彼らも自分に対してそんなことを考えているのだろうか。
そうだとしたら…。
そんなことを考えると無性に切なさがこみ上げてきて、うっすら涙が浮かびそうになります。
もちろんこの感情は良いものなんですが、改めて兄姉って何だろうと思うきっかけになりました。
自分の単純さ
本書は友人や姉の思いがけない一面が描かれるのですが、実はあらかじめ伏線あるいは答えが提示されていて、特別鈍くなければ想像がつくことも多いです。
しかし、僕はそれに最後まで気がつくことができず、改めて自分の単純さを思い知らされました。
まあ、それだから毎日が楽しいのかもしれませんが。
多くは語りませんが、タイトルである程度の推測できることもありますので、参考までに。
おわりに
上質な物語であることは変わらず、さらに世界観が深くなりました。
さらに豊かになる内容と、少しずつ近づく私の学生生活。
こう見ると青春で、輝かしい時間なのにどこか切ない。
このバランスはもう本当に秀逸で大好きです。
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