『わたしの幸せな結婚 三』あらすじとネタバレ感想!
清霞を信じると決めて、少しだけ強くなった美世。清霞の父から誘われて彼の両親が暮らす別荘を訪ねる。けれど義母となる芙由は、激しく美世を拒絶する。心配する清霞に、美世は一人で頑張りたいと伝えるけれど――?
Amazon商品ページより
シリーズ第三弾となる本書。
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あらすじ
清霞の父
美世は葉月と買い物をしていると、街中で具合が悪そうな男性を見つけて声を掛けます。
その人は清霞に似ている人でしたが、それもそのはず。
男性は久堂正清といい、清霞の父親でした。
彼は虚弱体質で、すでに当主の座を退いて、本邸でもなく地方の別邸に住んでいます。
このままにしておくこともできず、仕事中の清霞のもとに連れていきます。
清霞は実の父親に対して迷惑さを隠そうともせず、葉月のリアクションもあって、久堂家の関係が見えてきます。
理由
飄々としていて、どこか掴みどころのない正清。
彼の目的は、清霞と美世を別邸に招待することでした。
聞いた清霞は、反応からして断ることが予想されましたが、実際はその招待を受けます。
理由は、別邸近くで仕事の用事があったからでした。
また別邸付近には不審者が出るという情報もありますが、別邸の守りが万全ということもあり、清霞は美世と共に別邸に赴くことを決めるのでした。
対面
こうして美世ははじめて久堂家別邸を訪問します。
使用人たちは美世や清霞を温かく迎えてくれますが、例外がいました。
それは正清の妻であり、清霞の母親である芙由でした。
彼女は鋭い美しさを誇る人で、威圧感も相当でした。
清霞の反応からも決して家族仲が良好でないことは分かりますが、美世への当たり方も強く、清霞はそれに対して静かに怒りを燃やします。
なんとか清霞をなだめた美世は、それでも芙由と仲良くしたいと考え、行動に移します。
感想
久堂家の異常さ
本書で久堂家の前当主夫婦が登場しますが、序盤から変人ぶりを見せつけてくれます。
しかもこれは序章に過ぎず、あとでその異常さがさらにクローズアップされます。
芙由は第一印象から少しずつ良くなっていきますが、正清は良さそうに見えて実は・・・パターンなので、油断できません。
よくこの家庭環境で、清霞や葉月のような真っ直ぐな人間が育ったものだと、驚かざるを得ません。
また、そんな家族においても、上手くやっていこうと考える美世は善良で意外とポジティブで、少しずつ変わってきていることが分かります。
異能心教の存在
本書から登場するこの言葉。
しばらくシリーズを賑やかしてくれます。
危険な存在として清霞たちを苦しめますが、本書ではついに美世が自身の異能の力を意識的に使用し始めます。
作中ではパワーバランスを脅かすようなものとして描かれていますが、美世の考え方や使い方なのか、傷ついた人を癒し正しく導くような、そんな風に見ることができます。
美世は本人は今でも望んだ力ではありませんが、それでも大切な人たちを守るために使う。
このバランスが大事なのではないかと考えさせられます。
おわりに
次巻以降の伏線にもなる話でした。
久堂家での一件もあり、清霞と美世はお互いへの思いを再認識し、深めることもできました。
男女の仲としてはかなりスローペースですが、二人のやり取りであればいつまでも愛おしく見ていられるのですから不思議です。
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