『後宮の烏５』あらすじとネタバレ感想！
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よなよな書房
『わたしの幸せな結婚 五』あらすじとネタバレ感想！
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清霞への想いに気がついた美世。帝都では異能心教の侵出が進み、美世たちは皇太子、堯人の提案で宮城に身を寄せる。過去の記憶から変化を怖れ、想いが告げられない美世は、ある夜、清霞から思わぬ本心を告げられる。
Amazon商品ページより
シリーズ第五弾となる本書。
前の話はこちら。
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甘水のペースが事態が動き、清霞たちは後手に回っていました。
堯人の未来予知があるといえ不完全であり、十分な対策ができるわけではありません。
多くのことに気を割かなければならない一方で、清霞と美世の関係もゆっくり進んでいて、見どころは相変わらず多いです。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
非常事態
甘水たちによって帝が拉致されてしまい、帝都は窮地に立たされていました。
大々的に捜索すれば民に知られ、大混乱は避けられません。
堯人はおぼろげではありますが、未来を見ることができ、大きな奔流は避けられそうにありません。
ならばその大波がくるまでに力を貯めようと、一人覚悟を決めます。
世間
美世は清霞との関係を少しだけ前進させて胸が浮き立っていましたが、帝拉致のことを考えるとそうも言っていられません。
世間では軍に対する批判的な意見も多く見られました。
異能心教への対処を怠っており、民の血税の無駄遣いだと。
美世から見てもその意見が誤っていることは明白ですが、異能などの事情を知っているのはごく一部であり、多くの民にとってはそうではありません。
これから清霞や美世はこの世間とも向き合っていかなければならず、難しい問題でした。
保護
異能心教の目的が堯人の命と美世の身柄である以上、何よりも厳重に守らないといけません。
美世は宮城で保護されることになりますが、決して気楽な身分というわけにはいきません。
堯人は高貴な身分とは違って気さくな人ではありますが、他の人間たちが美世に向ける目は冷ややかです。
彼女が問題の中心にいることは明らかで、そこにかける労力もばかになりません。
美世は落ち着かない心境で時間を過ごしますが、それでも甘水の計画を止めるには不十分でした。
感想
嵐の前の静けさ
冒頭、堯人の発言や心理描写から、これから大きな戦いが待っていることが明らかになります。
相手が強大というだけでなく、内乱の可能性すらあることから、いつ安心してよいのか分からないという不安があります。
読者からすれば、誰が裏切りそうなある程度予想がつきますが、それがいつ起きるのか、どのくらいの規模なのか、なぜなのか、といった部分を推測する楽しみがあり、緊張感を持ちながら読むことができました。
政治的な要素が多いため嫌な気持ちになるやり取りが多いため、爽快感からは遠いパートでもあります。
これらが終わると、物語がもとのシンプルな立て付けに戻るので、ちょっと辛抱と思って読みました。
それぞれの事情
美世の夢見の力を使って、甘水の過去や思惑が少しずつ漏れてきます。
彼は新たな世界を築こうとしていますが、それは決して自分の欲望を満たそうという身勝手なものではありません。
過去の経験から、大切なものを守るための行為であり、やり方を間違えてしまったとはいえ、単純な悪とは言い切れません。
美世はその事実を知り、甘水とどのような心持ちで向かい合うのか。
清霞とは違った場所でしっかり戦うあたりが、美世らしいです。
これらの出来事が少しずつ彼女を強くして、これからの彼女の行動に大きく影響するので、今後の展開にさらにご期待ください。
おわりに
清霞や美世の立場から見ると、どんどん絶望に沈み込んでいくような感覚がする話でした。
それも次巻以降で少しずつ盛り返していくので、大きなジャンプの前の沈み込みとして読んでもらえればと思います。
次の話はこちら。
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