ミステリー

『罪の声』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

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講談社
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京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。それは日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を追い始め―。圧倒的リアリティで衝撃の「真実」を捉えた傑作。

【「BOOK」データベースより】

「週刊文春」ミステリーベストテン2016年第1位など様々な賞を受賞し、小栗旬、星野源出演で映画化されることが決まった本書。

映画の公開は2020年です。

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本書は時効がすでに成立して未解決事件となった『グリコ・森永事件』をモデルにしたフィクションで、僕を含めて事件当時のことを知らない世代にとって、それを少しでもリアルに体験することのできる貴重な内容になっています。

『グリコ・森永事件』を忠実に再現しようとした結果、かなりくどい部分もありますので、元の事件を知った上で読むと、理解が早いかもしれません。

『グリコ・森永事件』(Wikiedia)

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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事件の加害者親族であり被害者

京都でテーラー(紳士服の仕立業)を営む曽根俊也。

彼は入院中の母親からアルバムと写真を持ってきてほしいと言われ探しますが、父・光雄の遺品の中にはカセットテープがあり、再生してみます。

すると、そこには録音した覚えのない幼い頃の自分の声が録音されていました

そして、一緒に置かれていたノートには複数の製菓・食品メーカーを恐喝した未解決事件『ギン萬事件』の犯行計画について書かれていました。

俊也は事件について調べると、恐喝に使用されたテープに先ほど聞いた自分の声が使われていたことを知ります。

俊也はこのことを父の友人の堀田に相談し、二人で事件について調べることにしますが、その過程で光雄の兄で伯父の達雄の存在が浮上します。

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事件を追う記者

大日新聞文化部所属の阿久津栄士は、社会部の鳥居に年末企画の取材班に入るよう命令されます。

その企画とは、三十一年前に起きたギン萬事件についてでした。

阿久津は慣れない取材に悪戦苦闘しますが、その中で徐々に事件の真実に近づいていきます。

やがて、同じく事件を追う俊也と交わります。

『ギン萬事件』の概要

ギン萬事件は一九八四年から約一年半にわたり、関西に本社や支社を置く六つの菓子。食品メーカーが次々に脅迫され、無差別の殺人未遂事件に発展した事件のことをいいます。

特にギンガは社長の誘拐などによって企業イメージを損ない、萬堂製菓は青酸ソーダ入り菓子をばら撒かれ、商品の撤去を余儀なくされて倒産寸前まで追い込まれました。

推理小説顔負けの展開などから劇場型犯罪といわれ、昭和史だけでなく、日本史上においても比類なき事件となりました。

その犯行は『グリコ・森永事件』をモデルにしただけあってほぼ同様の内容になっています。

ここではその詳細は割愛しますので、詳細を知りたい方は本書を読むか、『グリコ・森永事件』(Wikiedia)をご参集ください。

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取材

阿久津は取材の過程で、犯人グループが会合で利用した小料理屋を取材し、犯人のうちの何人かの特徴、そして人数が七人であるという情報を入手。

のちに犯人の何人かが写っていた写真から、犯人が本当は九人であることが判明します。

犯人の一人はキツネ目をしていますが、阿久津は当時の状況を追ううちに、キツネ目の男が二人いたのではと推測。

そして、犯人グループは一枚岩ではなく、二つのグループに分かれていたことに気が付きます。

真実

阿久津の予想は当たり、犯人グループ(くら馬天狗)のグループ分けは以下の通り。

Aグループ

青木龍一 経済ヤクザ
金田哲司 自動車盗
金田貴志 軍人崩れ。キツネ目の男
吉高弘行 仕手筋(意図的に株相場を操る)
上東忠彦 金主

Bグループ

生島秀樹 元滋賀県警
山下満 生島の高校の後輩で産廃業者。青酸ソーダ用意
谷敏雄 電電公社職員
曽根達雄 計画の立案者。もう一人のキツネ目(変装)

 

阿久津は達雄をイギリスで見つけ、彼から事件の詳細を聞きます。

犯行計画の大半を立てたのは達雄で、発端は父親の清太郎を過激派左翼に殺害されたことでした。

清太郎は当時ギンガに勤めていましたが、左翼集団と関与していると報道されたことでギンガは関わり合いを避けました。

そのことで達雄はギンガを憎むようになり、そこに元警察官である生島から犯罪の片棒を担いでほしいと頼まれます。

そこで達雄が目をつけたのがギンガで、恨みではなく株によって儲けられる算段があったからです。

必要な人材を集めるうちに九人になり、計画は無事に達成されますが、青木たちAグループはさらに利益を狙い、脅迫する企業を三社から六社に増やします。

両者は対立し、生島は青木たちによって殺害されます。

達雄たちは青木たちを警察の手に渡すために計画を立てましたが、失敗。

結局、事件は迷宮入りとなり、達雄は光雄の家にノートとテープを残すと、ロンドンに戻ったのでした。

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結末

阿久津は達雄のインタビュー全文を手に、俊也のもとを訪れます。

事件の真実が分かったからといって、終わりではありません。

俊也の他に脅迫に使われたテープには二人の子どもの声が使われていて、そのうちの一人・生島の息子である井上聡一郎を二人は探します。

聡一郎は見つかりますが、彼は父親と姉・望を青木たちに殺害され、母親の千代子を置いて逃げたことを後悔し、今も苦しんでいました。

聡一郎は青木が死んだことを知ると、千代子に会いたいといい、数日後に彼の望みで会見が開かれ、自分の知っていることを打ち明けます。

その後、聡一郎は千代子と再会することができたのでした。

 

また俊也の声を録音したのは、母親の真由美でした。

元々と彼女と達雄は闘争の日々の中で知り合い、光雄とお見合い結婚をしたのはその後でした。

ギン萬事件の中で達雄から事件のことを真由美は聞かされ、警察を許せないという気持ちから彼の話に乗り、俊也の声を犯行に使ったのでした。

このことを亡くなった光雄は知りませんが、堀田は気が付いていたかもしれないといいます。

 

こうして真実が明らかになり、阿久津は企画に間に合わせることができましたが、今度はそれを未来に繋げる必要があります。

俊也は達雄に会いに行くことを決めたのでした。

最後に

あたかも実際の未解決事件を解決したような達成感が味わえると同時に、その事実をどう今を生きている人に繋げるのかを考えさせられる作品でした。

少しくどい書き方で読むのに根気が必要だったので、ぜひ映画化されたら見に行きたいと思います。

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