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『それでもデミアンは一人なのか?』あらすじとネタバレ感想!Wシリーズを越えるWWシリーズ始動!

harutoautumn
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楽器職人としてドイツに暮らすグアトの元に金髪で碧眼、長身の男が訪れた。日本の古いカタナを背負い、デミアンと名乗る彼は、グアトに「ロイディ」というロボットを探していると語った。彼は軍事用に開発された特殊ウォーカロンで、プロジェクトが頓挫した際、廃棄を免れて逃走。ドイツ情報局によって追われる存在だった。知性を持った兵器・デミアンは、何を求めるのか?

「BOOK」データベースより

Wシリーズが2018年に終わったばかりですが、2019年に最新にして続編にあたる『WWシリーズ』が始まりました。

森博嗣さんの作品の中でもWシリーズは特にお気に入りですが、本シリーズは一作目から前シリーズを軽々と上回ってくれそうな予感を与えてくれました。

百年シリーズ、Wシリーズと何百年も積み上げてきた時間を土台に物語はさらに広がり、相変わらずそこにはマガタシキの姿が見え隠れします。

本シリーズ単独で読んでも面白いとは思いますが、やはり最低でもWシリーズ、次に百年シリーズ、可能であればS&Mシリーズを読んでおくと十二分に楽しめると思います。

この記事では、これから本書を読む人に向けてあらすじや個人的な感想などを書いています。

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簡単なあらすじ

日本を離れ、身分を隠した上でドイツで平穏な生活を送っていた楽器職人のグアトと、エンジニアのロジ。

どちらも表向きの仕事です。

ある日、そんな彼らのもとにデミアンと名乗るウォーカロンが現れ、『ロイディ』というウォーカロンの行方について聞いてきます。

ロイディとは百年シリーズに登場したウォーカロンで、グアトも関係していました。

この出会いをきっかけに平穏な暮らしは終わり、再び刺激溢れる暮らしに戻ったグアトとロジ。

その後の調べで、デミアンはHIXというドイツのウォーカロン・メーカーがずいぶん昔に作ったプロトタイプで、公式では廃棄されたことになっていることが判明します。

記録にないウォーカロン。

デミアンの目的は一体なんなのか。

彼を追ううちにマガタシキの陰が見え隠れしたり、Wシリーズに登場したトランスファの誕生した理由が分かったりと、シリーズを超えた面白さが次々と待っています。

敷居がどんどん高くなる

森さんの作品は他シリーズとのリンクが豊富で、それがファンを惹きつけている魅力の一つであることは間違いありません。

しかし一方で、どうしても他のシリーズを読んだ前提で書いている部分もあるので、どうしてもファン以外の方からすると敷居が高く感じると思います。

本書でいえば、Wシリーズは必読でしょう。

Wシリーズ内で散々説明されたウォーカロン、トランスファ、人工知能などの言葉が多用され、事前に知らないと意味が分からないと思います。

登場人物もそうです。

ネタバレになるので詳しくは避けますが、Wシリーズや百年シリーズに登場する人物たちがたくさん登場します。

百年シリーズのことはWシリーズにてある程度説明がされているので、余力があれば読む程度の認識で良いと思います。

マガタシキについて、彼女はWWシリーズ、ひいては森作品を語る上で絶対に外せない重要な人物のため、できれば彼女の初登場作品であるS&Mシリーズ、というか『すべてがFになる』くらい読んでおくとよいかもしれません。

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森作品初心者の方にお伝えしたいのは、読むのを迷ったらとにかく読みましょう。

上記した他のシリーズは読んでいなくても構いません。

もし惹かれるものがあれば、そこで初めて他シリーズを読んでもいいんです。

順番が逆になっても違った気づきがあるので、僕とは違う新たな感動が得られるかもしれません。

主人公はあの人?

本書は楽器職人のグアト、そしてロジという二人が中心になって物語が進みますが、すぐに仮の姿であることが判明します。

作中で明言されてはいませんが、おそらくWシリーズでも中心となったあの二人です。

そう考えると、ロジがよりユーモア溢れる女性になっていたことが喜ばしく感じました。

こういった意味からも、やはりWシリーズは必読と言っていいかもしれません。

そして、グアトはちょっとおじさん臭くなったような気がします。

隠居のような生活を送っていたからかな?

人間とは何か

百年シリーズでウォーカロンが登場して以来、『何をもって人間と呼ぶのか』が問題となっていました。

ウォーカロンは人間のように生きた細胞で構成されていますが、人工頭脳が用いられていて完全に生物というわけではありません。

しかし、彼らは日々進歩し、中には人間よりも人間らしい個体まで出現するに至りました。

そうなると、『何をもって人間と呼ぶのか』という問いがますます難しくなります。

例え人工頭脳だとしても、考え方や振る舞いが人間らしければ、それはもはや人間なのではないか。

衰退が見え始めた人間は、新人類ともいうべき彼らに世代交代するべきではないか。

本書の答えはまだ出ませんが、グアトが何度も思考を巡らせるシーンが印象的でした。

トランスファ誕生の理由

トランスファとはWシリーズに登場したテクノロジーで、デボラという名前で登場していました。

人工知能やウォーカロンと違い、肉体を持たずにネット空間を自由自在に動き回れる存在で、本書ではその誕生した理由が明かされます。

他シリーズのネタバレにもなるので明言は避けますが、百年シリーズで登場するサエバ・ミチルとロイディの間にはある秘密があり、いくつかの問題もありました。

そのうちの一つが通信速度の問題であり、それを解決するために開発されたのがトランスファでした。

グアトは、トランスファを人間の脳内をネット上に展開したものだと考え、コンピューターが進化したものではなく、人間の頭脳から派生したものだといっています。

ここからは発想はマガタシキの提唱する『共通思考』にまで至り、他シリーズを読んだ読者であれば興奮すること間違いなしのくだりだと思います。

マガタシキの目指す先

グアトは数々の経験をし、ヴォッシュやオーロラからは天才だと称されています。

しかし、そんな彼をもってしてもマガタシキの考えには追いつくことが出来ません。

追いついたと思えばすぐに新しい課題が見えてきて、解いてもまた同じことの繰り返し。

まるでS&Mシリーズに登場する犀川創平を思い出させてくれます。

僕は時代背景もそうですが、グアトの方が分かりやすくユーモアで、基本的にロジの意見に逆らえないあたりが好みです。

他シリーズ含めてこれだけ登場するマガタシキなのに、一向にその全貌が見えてきません。

もはや神と呼んでも差し支えないかもしれません。

そんな彼女の目指す先が、このWWシリーズでも描かれるのでしょうか。

この先が非常に楽しみです。

おわりに

ついに始動したWWシリーズ。

Wシリーズを読み終えた人はもちろんチェックしていると思いますが、森博嗣さんの作品を読んだことがないという人にもぜひ読んでほしい傑作となっています。

ユーモアな表現が慣れないと分かりにくいなど、癖は強めです。

しかし、はまる時ははまります。

自分ははまると信じ、ぜひ一度手にとってみてください。

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