ミステリー

『隻眼の少女』あらすじとネタバレ感想!みかげの名を継ぐ少女が事件に挑む

古式ゆかしき装束を身にまとい、美少女探偵・御陵みかげ降臨!因習深き寒村で発生した連続殺人。名探偵だった母の跡を継ぎ、みかげは事件の捜査に乗り出した―。

「BOOK」データベースより

※2021年10月13日現在、新しい表紙のものが発売されています。上のものは以前のものです。

日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した本書。

麻耶雄嵩さんといえば読者を惹きつける強烈な作品をいくつも生み出してきましたが、本書もその一つです。

表紙や設定だけ見ると古風な服をまとう美少女が難事件に挑むというライトな小説に思われがちですが、実はミステリファンを唸らせる仕掛けがいくつも仕掛けられています。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

あらすじ

死に場所

大学生の種田静馬は自分の境遇に絶望し、死に場所を求めて山奥の寒村にある琴乃湯を訪れます。

静馬は初雪が降ったらその時に自殺しようと待っていましたが、そこで御陵(みささぎ)みかげという少女と出会います。

彼女の母親は警察も一目を置いた伝説の探偵ですがすでに亡くなっていて、みかげは母親の名前を継いで二代目になることを目指す探偵見習いです。

古風な服装に右眼の義眼。

見た目だけでいえばすでに立派な探偵で、あとは実績を作ってデビューするだけ。

そんな時に事件は起きます。

事件

この村を収める琴折家の本家にいる春菜が何者かによって殺害されます。

春菜はこの村で代々受け継がれてきたスガルという特別な存在を受け継ぐ予定で、彼女がスガルになることをよしとしない人間の犯行であることが予想されます。

春菜の部屋から静馬の名前が書かれた紙が出てきたせいで、警察は静馬が犯人だと疑いますが、元刑事でみかげの父親である山科の仲裁によって保留にされ、みかげも捜査に参加することを許されます。

静馬はみかげの助手見習いという形で捜査を手伝うことにします。

みかげは母親譲りの観察眼で誰も見つけられなかった真実をいくつも見つけますが、そんな彼女の努力をあざ笑うかのように事件はその後も続きます。

再び起こる惨劇

みかげが事件を無事に解決して終わり、かと思いきやそこから第二部が開幕します。

十八年後。

たまたま琴乃湯に寄った静馬の前に現れたのは、なんとみかげの娘でした。

彼女もまた三代目みかげになるための努力をしていて、またしても事件が起きます。

十八年前を真似たような事件。

手口からして同一犯で、つまり十八年前の推理は間違っていたことになります。

娘であるみかげは静馬と共にこの事件に挑みますが、そこには驚きの真実が隠されていました。

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感想

一見、正統派

ホームズ役である美少女と、ワトソン役である少年。

みかげは母親も探偵で、独特の服装や真実を見抜く義眼など設定がもりもり。

これだけ見るとある意味、正統派探偵ミステリで、ライトノベルのような印象を受けるかもしれません。

驚きの展開

しかし、そこは麻耶さん。

ミステリファンも驚く仕掛けが待っていて、誰も予想できないような展開を見せます。

それを読者が見破れるかどうかは微妙なところで、個人的には推理するための材料が不足していたような気もします。

ただ現実ではありえない、ミステリだからこそ創り出される世界観は傑作で、僕は途中からもう目が離せませんでした。

やや冗長な気もする

トータルの評価として非常に面白かったのですが、どうしても第一部が冗長に感じられてなりません。

全体で五〇〇ページですが、もう少しコンパクトにまとめると最後まで飽きずに読めたのかなと思います。

この辺りは個人の感じ方になってくるので、参考程度にしてください。

おわりに

パッと目を引く設定と驚きの展開。

こういった意外性は面白いミステリの条件の一つだと思うので、間違いなく良作です。

ぜひ表紙や設定に騙されず、読んでみてください。

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