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『レインツリーの国』あらすじとネタバレ感想!メールの交換から始まる難しくも等身大の恋の話

harutoautumn
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きっかけは1冊の本。かつて読んだ、忘れられない小説の感想を検索した伸行は、「レインツリーの国」というブログにたどり着く。管理人は「ひとみ」。思わず送ったメールに返事があり、ふたりの交流が始まった。心の通ったやりとりを重ねるうち、伸行はどうしてもひとみに会いたいと思うようになっていく。しかし、彼女にはどうしても会えない理由があった―。不器用で真っ直ぐなふたりの、心あたたまる珠玉の恋愛小説。

「BOOK」データベースより

2015年に映画化された本書。

有川ひろさんらしい恋愛小説ですが、そこにある設定が盛り込まれていて、これまでの恋愛小説とは一味違ったものになっています。

本書は図書館戦争シリーズ第二弾の『図書館内乱』にキーアイテムとして登場します。

本書から入った人は図書館戦争シリーズへ、図書館戦争シリーズから入った人は本書に移るとどちらもより楽しめると思います。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

きっかけはライトノベル

向坂伸行(さきさかのぶゆき)は中学生の頃に読んだ『フェアリーゲーム』のラストに納得がいかず、誰か感想を書いていないかネットで調べ、『レインツリーの国』というサイトを見つけます。

管理人のひとみはフェアリーゲームに対して伸行と同じことを思っていて、伸行は感動のあまり『伸』という名前でメールを送ります。

するとひとみから返信があり、ここから二人のメールのやりとりが始まります。

伸行はメールを通じてひとみに惹かれ、実際に会ってみないかと提案します。

ひとみは会うのが怖いと迷いますが、伸行のやや強引なプッシュが実り、実際に会うことになりました。

ちなみに本書に登場するフェアリーゲームですが、モデルが存在します。

それは笹本祐一さんが1984年に発売した『妖精作戦』という作品で、フェアリーゲームは妖精作戦のオマージュです。

ライトノベルの直系の先祖とも呼ばれる作品ですが、2011年にも再販され、今読んでも十分に楽しめる名作です。

四部作なので、じっくり腰を据えて読みたい人にオススメです。

対面

実際に会った伸行とひとみ。

伸行は持ち前のスマートさでひとみをエスコートしますが、何度も違和感を覚えます。

何でもいいと言いながら辛い物がダメだったり、映画は字幕でないとダメだと譲らなかったり、エレベーターの重量ブザーが鳴ってもどかなかったりして、ついに伸行は我慢の限界を迎えてひとみに怒鳴ってしまいます。

しかし、そこではじめてひとみが補聴器をつけていることに気が付きます。

そう、ひとみは聴覚に障害を持っていたのです。

高い音が聞こえづらく、健常者のように振る舞うには限界がある。

だから伸行と会うことをためらっていたのです。

ひとみは傷ついて帰ってしまい、伸行は後を追うことができませんでした。

少しずつ近づいていく

完全に引かれたと思うひとみでしたが、伸行は諦めませんでした。

聴覚障害について可能な範囲で調べ、ひとみに歩み寄る努力をします。

それでもコミュニケーションが全てうまくいくわけではなく、二人は会っては苛立ちをぶつけ、なかなかその関係は前に進みません。

しかし伸行が健常者と同じように接してくれるおかげでひとみも少しずつ自分の気持ちを表に出すようになり、前に進む覚悟を決めます。

最初の変化は補聴器を隠さず、ひとみに似合う髪型にするというものでした。

感想

とにかく直球

聴覚にハンデを持つひとみ。

多くの人が気を遣いすぎたり、もしくは疎ましく感じてそれを態度に出してしまうかもしれません。

しかし、伸行は良い意味で直球な性格をしています。

ひとみのハンデを考慮しつつも、ダメだと思った点はちゃんと指摘します。

そこまでしなくても、と思いつつも、それによってひとみもじょじょに自分を出せるようになったので、とてもお似合いであることが分かります。

引き出されるのは等身大の女性

はじめは自分の抱えるハンデで偏屈になり、伸行とまっすぐ向き合おうとしないひとみですが、伸行のおかげで少しずつ彼女本来の人間性が見えてきます。

あとがきで有川さんが書いた通り、そこにいるのは等身大の女性でした。

障害というとどうしてもそこに焦点が当てられがちですが、本書ではあくまで性格や特徴の一つであり、メインは二人の恋愛です。

いつしかハンデも含めてひとみだと認められるようになり、彼女への配慮も当たり前になり、気にならなくなります。

有川さんの夫が突発性難聴に二回なり、どちらも聴覚復帰したという経験があるため、それがうまく活かされています。

意識の違いを見せつけられる

本書は伸行とひとみの恋愛がメインの物語ですが、それでもやはり聴覚に限らず障害に対する考え方を改めなければと思わずにはいられませんでした。

健常者では気が付かない不便もあれば、気をきかせたつもりでも余計な手間をかけさせているのかもしれないと思うと、正しい理解をすることが第一歩になると強く感じました。

手を差し伸べられれば一番良いですが、まずは偏見を持たず、その人その人をしっかりと見て、お互いに気持ち良く暮らせるよう意識したいと思います。

おわりに

『図書館内乱』のキーアイテムとなる本書ですが、本書単体としても素晴らしい恋の話です。

テーマとは裏腹に、深刻にならず気持ちが温かくなる作風はさすが有川さんというところなので、有川さんの恋愛作品が好きな人であれば読んで間違いありません。

そして余裕があれば図書館戦争シリーズも読んで、本書の面白さをより際立たせてもらえればと思います。

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