ホラー
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『呪いの☒☒』あらすじとネタバレ感想!日常に潜む呪いが誰かを引きずり込む作品集

harutoautumn
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日常に潜む暗闇から滲んだ〈呪い〉。気づかぬうちに〝それ〞は、あなたをあちら側に引きずり込む。とある地方都市に蔓延(はびこ)る穢(けが)れ、女子中学生の交換日記に潜む怨念、無人古書店に集まる忌まわしの記憶、模倣作品にかけられた呪詛、名家に死を招く丑の刻参り、平凡な社員研修に込められた悪意……。もう後戻りはできない。六つの呪いの扉が今開く――。

Amazon内容紹介より

ホラー好きであればこの豪華さに気がつけるであろう素晴らしい作家陣が集っています。

『呪いの○○』をテーマに、各作家さんが力作を執筆してくれていて、どれをとっても一級品。

六作品読むと、日常のどこにでも呪いが潜む可能性があることが分かり、読んだ後にも引く怖さがありました。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

呪いは明るく輝いて【上條一輝】

坂岡市役所で働く有原は、それなりのポジションで仕事していて、家庭のことも含めて満ちているように見えました。

彼はこの坂岡市に愛着があり、今の仕事にも満足しています。

ところが、坂岡市で最近、変な事件が増え、転出者が増えてきていることが明らかになります。

原因は何か。

正体不明の不安が坂岡市を襲い、やがてその原因が明らかになります。

呪いの交換日記【北沢陶】

中学生の未奈、結子、小百合の三人は仲良しで、交換日記をしていました。

本書では彼女たちの交換日記、それぞれの視点の描写から構成されています。

ある日、日記のページがなくなり、三人は新しい日記を買いに文房具店を訪れます。

そこで一冊の日記を選びますが、店主には買った記憶がないといいます。

三人は気にせず購入して変わらず交換日記を続けますが、そこからおかしなことが起こるようになります。

ほらあな【澤村伊智】

俺は目を覚ますと、見知らぬ場所にいました。

昨日は大学時代の友人たちと飲んでいて、飲み過ぎたせいかここに至るまでの記憶がありません。

不安を感じていると、飲み会にいた友人・細田が心配して探しにきてくれました。

俺がいた場所は駅前にある古本屋で、無人で本の売買ができる、いたって普通の店でした。

状況が分かって安心する俺ですが、この古本屋を巡って、奇妙なことが起こります。

劣化コピー【背筋】

子どもがいる親同士の会話。

そこで高坂という人の家のことが話題にあがり、夫が亡くなっていることが判明します。

公園の入り口の道で事故は起こっていて、トラックに轢かれて亡くなっていました。

しかも実際は高坂が自らトラックに突っ込んだことで起きたのだといいます。

なぜなのか。

ここからそれぞれの家庭の視点から描かれ、事故が起きた経緯などが明らかにされます。

壱本樹様【三津田信三】

作家である私のもと、編集者のTからとあるテーマでの長編ホラーの執筆依頼がきます。

しかしなかなかアイディアが出ずに困っていると、同時期にTから新たな依頼がきます。

それが本書のように『呪いの○○』をテーマにしたホラーアンソロジーの企画でした。

私はかつて取材した人たちに連絡をとり、そこから珠子という高齢女性を紹介してもらい、話を聞くことにしました。

「しばらくゆっくり休んでください」【芦花公園】

報告書やチャットのような形式で本書は進行します。

都市部でのストレス軽減と環境意識向上を目的とした社内プログラムの一環として、研修が組まれていました。

報告書では私が研修でどんなことに取り組んだのか、関係者とどのようなコミュニケーションをとったのかが記載されています。

一方、社内チャットでは不穏な空気が醸し出されていて、その不穏さはページをめくるたびに加速していきます。

感想

年代を問わない作家陣

冒頭でも書きましたが、まず作家陣がすごいです。

ベテランから次世代のホラー界隈を引っ張る作家さんもいて、どの世代のホラーファンであっても楽しめるようになっています。

個人的には『をんごく』などを手掛けた北沢さん、『深淵のテレパス』のシリーズで偉業を成し遂げた上條さんの作品を読めたことが一番の収穫でした。

まだ該当作品を読めていないため、本書に収録された短編ではじめて読んだのですが、この時点でめちゃめちゃ面白かったです。

特に『呪いは明るく輝いて』はアイディアやリーダービリティ、恐怖などがバランス良く考えられていて、ホラーの門戸を開いてくれる作家さんであることが容易に想像できました。

呪いの恐怖

ホラーには色々なテーマがありますが、その中でも呪いならではの恐怖や厄介さがあると感じました。

事象に対して様々な原因があり、原因を絶てば恐怖がなくなることはあります。

しかし、呪いに関してはこれが適用できない可能性があります。

呪いがものに込められていればそれを壊して解消できることがあるかもしれませんが、それが亡くなった人の呪いや長年かけて積み重ねたものであれば、手に負えないこともあります。

原因が分かってもどうすることもできず、ただ目の前の事象から逃げるしかない。

この圧倒的な恐怖こそ呪いならではの読み応えで、本書ではそれが最大限発揮されていました。

おわりに

ホラーを読んでみたいという人でも、既存のホラーファンでも楽しめる作品でした。

いつもであれば澤村さんや芦花公園さんの作品を楽しみに読むのですが、今回は他の作品の方が印象が強く、これは嬉しい誤算でした。

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