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『むらさきのスカートの女』あらすじとネタバレ感想!むらさきのスカートの女を見つめる女の物語

harutoautumn
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近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』、『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の新作中篇。

「BOOK」データベースより

『星の子』で知られる今村夏子さんによる本書。

都市伝説のような存在である「むらさきのスカートの女」と、彼女と友達になりたいと考える私。

読んでいくと二人に対するイメージが変わっていくところが面白い一冊です。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

むらさきのスカートの女

私の住む町には、むらさきのスカートの女なる存在がいました。

小柄な体型に、肩まで垂れ下がった黒髪。

近くで見るとそれなりに年をとっていることが分かります。

むらさきのスカートの女は決まった周期で決まったパン屋のクリームパンを買い、決まった公園の決まったベンチで食べる。

彼女を見た町の人の反応は様々ですが、私はそんな彼女と友達になりたいと密かに感じていました。

誘導

私の調査により、むらさきのスカートの女は定期的に職場を変え、必要最小限の仕事をしていることが分かっています。

そこで私は、いつもむらさきのスカートの女が座るベンチに蛍光マーカーで印をつけた求人情報誌を置きます。

印をつけた求人とは、私が勤めている職場でした。

はじめはうまくいきませんでしたが、私があれこそ誘導した末に、むらさきのスカートの女は私の職場の面接に合格。

晴れて同じ職場になり、友達になれる可能性がグッと高くなります。

私はむらさきのスカートの女へのストーカー行為を強めますが、友達になる道はそう簡単ではありませんでした。

感想

どちらか異常か

本書は「むらさきのスカートの女」(以降、女)という都市伝説じみた存在と友達になりたいという私の視点で物語が進行します。

これだけであれば少々引っ込み思案な女性の物語に思えますが、実はそうではありません。

私の行動は常軌を逸していることは、読めばすぐに分かります。

女に対してストーカー行為をするし、女に突っ込もうとして肉屋のショーケースを壊すし、平気で無銭飲食を働いたりと、女よりもよっぽど危ない存在であるといえるでしょう。

そして女はというと、序盤こそ危ない女として描かれていますが、職場で働く風景などを見るに、至って普通の人です。

本当に危ないのはどちらかなのか。

この混乱こそが、本書の最初の魅力かなと考えています。

信頼できない語り手

ミステリ以外で、はじめてこの言葉が思い浮かびました。

上述した通り、私は信頼されるには程遠い人間性を有していて、彼女の感じていることが果たして正しいのか。

私だけがそう思っている、見えているだけで、他の人からは違っているのではないか。

常にそんなことを考えながら読んでいました。

これこそが本書をややこしくしている原因であり、読者の評価が分かれるポイントとなります。

結末はいかに

詳細なネタバレはしませんが、本書には明確な結末が用意されています。

僕もはじめて読んだ時、どういうこと?と混乱しました。

しかし、私が信頼できない語り手であることを考慮すれば、物語は一気に形を変え、様々な可能性を秘めていることに気が付きます。

むらさきのスカートの女という存在は、私だけが思っているのではないか。

私こそがむらさきのスカートの女と近しい、都市伝説のような存在なのではないか。

上記のことを考慮して二回目の読書をすると、本書はきっとこれまでと違って見えてくるはず。

僕はこの点が面白く、考察のし甲斐があると感じました。

物語自体は二〇〇ページにも満たない短さなので、気軽に読み返せるのもポイントです。

おわりに

全体的に薄暗いのに、所々では笑えるポイントもあり、とにかく不思議な読書時間でした。

賛否両論があると理解した上で、タイトルと表紙に惹かれた人はぜひ本書に挑戦してみてください。

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