『迷路荘の惨劇』あらすじとネタバレ感想!様々な仕掛けが施された屋敷で行われる殺人とは?
広大な富士の裾野近くに、あたりを睥睨するかのごとく建つ、豪邸名琅荘。屋敷内の至る所に『どんでん返し』や『ぬけ穴』が仕掛けられ、その秘密設計から、別名迷路荘と呼ばれていた――。金田一耕助は、迷路荘到着直後、凄惨な殺人事件に巻き込まれた! 事件解明に乗り出した耕助は、二十年前に起きた因縁の血の惨劇を知り、戦慄する……。斬新なトリックと溢れるサスペンス、巨匠横溝正史の長編本格推理!!
Amazon商品ページより
金田一耕助シリーズ第八弾となる本書。
前の話はこちら。

過去の因縁が絡み合うことや、名琅荘の仕掛けがミステリを盛り上げていて、これまでの金田一シリーズの流れを汲んだ素晴らしい仕上がりになっています。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
舞台
物語の舞台となるのは、富士山の裾野に建てられた名琅荘。
明治時代に古館種人(ふるだてたねんど)伯爵が建てたもので、いたるところにどんでん返しや抜け穴があるといわれ、迷路荘と呼ばれることもありました。
種人が明治の最後の年に亡くなると、二代目である一人(かずんど)伯爵が跡を継ぎます。
ところがこの一人は父親と違って凡庸で、様々な事業に失敗して財産を整理せざるを得ず、彼の手元に残されたのが名琅荘だけでした。
事件
昭和五年のこと。
一人の屋敷には妻・加奈子の遠縁にあたる尾形静馬という男を住んでいましたが、一人は加奈子と静馬の仲を疑うようになり、ある秋の夜、屋敷に怒号と悲鳴が響き渡ります。
声が聞こえた方に行くと、そこには血だまりの中に倒れている一人と加奈子がいて、二人とも切り殺されていました。
さらに肩の付け根から切り落とされた左腕もあり、それは服装から静馬のものであることが推測されます。
静馬が残したと思われる血痕は洞窟に続いていましたが、凶器を持っているであろうことから一同はすぐに捜査に踏み切れません。
後に凶器の日本刀が見つかり、警察による捜査が始まりますが、結局静馬は見つかりませんでした。
招待
時は流れて、昭和二十五年。
名琅荘は一人の息子・辰人(たつんど)が跡を継ぎますが、戦争の影響で現在は篠崎慎吾という新興成金が所有していました。
辰人は妻である倭文子(しずこ)すら篠崎に売り渡していて、現在は篠崎と倭文子が夫婦です。
今回、金田一耕助はこの篠崎に呼ばれて名琅荘を訪れることになります。
名琅荘に向かう途中、金田一は林の中に一人の男を見つけますが、その男の左腕はありませんでした。
この時点で金田一は気にしていませんが、この後に起こる事件によって、この目撃情報が大きな意味を持つようになります。
感想
絡み合う複雑な事情
本書を推理するにあたり、本当に色々な事情が複雑に絡み合っていることが分かります。
まず古館家だけで明治から昭和にかけて三代描かれ、それぞれの時代で起きた不穏なことが語られます。
そこに配偶者や関係者が出てくるので、登場人物だけでも相当なものです。
現在ではそれをベースに金田一や警察が情報収集をするわけですが、それぞれの人物があらゆるベクトルで関係性を持っていて、状況はさらに複雑になります。
愛憎入り交じり、誰が犯人であってもおかしくない様相を呈します。
僕は合理的な推理ではなく、感覚や物語の都合で犯人を当てられましたが、先が読めたとしてもそれを上回る衝撃を与えてくれました。
アドベンチャー感
本書を盛り上げるもう一つの要素として、名琅荘の仕掛けがあげられます。
特に抜け穴から洞窟に繋がり、その中を探索するシーンは手に汗握りました。
何か隠され、どんな危険があるのか。
安楽椅子探偵のように、安全な場所から推理するのとは異なる趣向で、これによって中盤以降の集中度がグッと上がりました。
それまでの取り調べパートが長いのでだれますが、中盤以降は一気にページをめくる手が止まらなくなります。
さらに結末も衝撃的で、これだけでも読む価値があったと思わせてくれるものでした。
おわりに
横溝正史らしい要素が凝集された作品でした。
一冊の中でジェットコースターのように緩急がついていて、前のめりになって読めてしまうのでぜひお楽しみください。
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