ミステリー

『ガリレオの苦悩』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

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“悪魔の手”と名のる人物から、警視庁に送りつけられた怪文書。そこには、連続殺人の犯行予告と、帝都大学准教授・湯川学を名指して挑発する文面が記されていた。湯川を標的とする犯人の狙いは何か?常識を超えた恐るべき殺人方法とは?邪悪な犯罪者と天才物理学者の対決を圧倒的スケールで描く、大人気シリーズ第四弾。

【「BOOK」データベースより】

ガリレオシリーズの第四弾にあたる本書。

ようやくテレビシリーズでお馴染み、柴咲コウが演じた内海薫が登場し、一味違ったやり取りを見ることができます。

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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落下る(おちる)

会社員の江島千夏が自宅マンションから飛び降り自殺をし、草薙と内海薫が捜査にあたります。

争った形跡はありませんが、薫は鍵が開いていることから、若い女性にしては不用心で不自然だと感じ、他殺の可能性を考えていました。

ずばり、千夏の恋人がここを訪れていたのではないか。

その後、血の付いた鍋が見つかり、千夏がそれによって殴られたことから他殺の線で捜査を進めます。

唯一携帯がなくなっていて、履歴から犯人の痕跡が見つかることを恐れたのでは推測。身近な人間である可能性が高くなります。

するとその夜、岡崎光也が千夏のことで警察を訪れます。

彼は千夏の大学時代のテニス同好会の先輩で、事件の日の夜、彼女の部屋を訪れていました。

しかし交際しているわけではなく、岡崎の会社の取り扱う製品のことで話をしていただけでした。

その後、千夏に来客の予定があるということで彼は部屋を出ますが、別の用事があって近くにいると落下現場を目撃。

その時、ドレミピザの店員とぶつかっていたので、その場にいたことは確かです。

警察は岡崎の後に親しい人物がきて、その人が千夏を殺害したのだと考えますが、犯人が部屋に入ってから殺害するまで十分程度しかありません。

衝動的な犯行であれば十分可能に思えますが、薫はあることを指摘します。

それは部屋の入口に置かれていた段ボールです。

中身は下着で、普通来客の予定があるならそのまま置いておくのはおかしいと指摘。

考えられる可能性は、岡崎が千夏の恋人であるということです。

その痕跡を確かめるために彼女の勤めていた銀行を訪れますが、恋人の存在を知る人物はいません。

薫は岡崎を疑いますが、落下時点で彼は下にいたため、何らかのトリックが必要になります。

そこで草薙は湯川宛の紹介状を薫に渡し、薫は湯川の研究室を訪れます。

湯川は『容疑者Xの献身』の事件を理由に警察への協力をやめていて、薫が行ってもそれは同様でした。

しかし、薫の思い付きを彼は否定せず、やってみたらいいと勧めます。

薫は千夏の部屋で一人で実験をすると、湯川が現れます。

彼は事件に興味を持ち、詳しい話を聞いてくれます。

すると岡崎でも犯行が可能なトリックを提示して見せ、警察はそういったトリックを岡崎が使ったのかどうか裏付けを始めます。

しかし後日、あれは千夏の自殺であったことが判明します。

千夏が持っていたラブホテルのカードに岡崎の指紋が残されていたため、彼は千夏との交際を認めますが、妻に不倫をバラされることを恐れて衝動的に鍋で殴っただけでした。

すると湯川も、例のトリックは成功する確率が非常に低いことを暴露。

結局、千夏は飛び降り自殺ということで、岡崎は傷害で起訴するしかありません。

しかし、事件は無事解決し、今後も捜査に協力するかどうかは明言しませんが、湯川は今回の実験を楽しんだようでした。

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操縦る(あやつる)

かつて湯川の所属する帝都大学で助教授までなった友永幸正。

現在は引退し、今回、特に気に入っていた人を自宅に呼んで飲み会をします。

ところがその日、離れから火が上がり、幸正の息子である邦弘が亡くなります。

草薙と薫は捜査に当たりますが、友永家は事情が複雑でした。

幸正は最初の妻と結婚し、二人の間に邦弘が生まれますが、後に二人は別居。

幸正と新たな女性との間に奈美恵が生まれますが、彼は離婚していなかったため事実上の結婚という形で家族になり、事実上の妻が亡くなった現在、幸正と奈美恵の二人暮らしでした。

警察が調べを進めていると、友永家には湯川がいました。

彼もまた幸正の教え子だったのです。

しかし、湯川は到着が遅れたため、火災を目撃していません。

その後の調べで、友永家の現在の状況が分かってきます。

邦弘の母親は二年前に亡くなり、邦弘は父親の幸正を頼り、一年間の限定で離れに住まわせてもらっていました。

しかし、働くわけでもなくフラフラしている邦弘に、幸正は怒りを覚えます。

草薙たちのその後の調べで、邦弘には多額の借金があり、全て幸正が支払ったことが判明。

さらに邦弘は火災ではなく、日本刀のような刃物で殺害されていたことが分かります。

火災については、離れにあった花火が原因と分かりましたが、凶器については分かりません。

そこで薫は湯川に助けを求めます。

湯川は思い当たる節があるようですがそれは言わず、現場を見に行きます。

警察は奈美恵の恋人である紺野を疑っていましたが、彼にはアリバイがありました。

また幸正は体の自由がきかず、犯行は無理なように思えます。

しかし、湯川には真実が分かっていました。

そこで覚悟を決め、薫と二人で友永家に向かいます。

そこで湯川が口にしたのは、幸正がかつて執筆した論文『爆発成形のおける金属の流体的挙動の解析』についてでした。

幸正は研究の内容から『メタルの魔術師』と呼ばれていて、緻密な計算の必要な今回の犯行は彼にしかできないと、湯川は彼が犯人だと断定、自首を呼びかけます。

しかし、幸正はそれを認めず、仕方なく湯川は説明を始めます。

ガラスの破片を分析した結果、ガラスは内側から割られていたことが分かっています。

それらが超高速で飛び、邦弘を貫いていたのでした。

それでも幸正は認めず、この日は退散。

後日、湯川は実験で殺害方法を再現し、それを行うためには高さと角度が重要であり、幸正はそれを決めるためにステッキを使用していたことを警察に教えます。

当時、離れにいる邦弘に電話をかけ、指定の場所にいるよう仕向けたのです。

その後、幸正は逮捕されます。

彼は観念したのか全てを自供したように見えましたが、逮捕から四日目に湯川が現れ、それらが嘘であるといいます。

湯川が幸正の犯行に気が付いたのはステッキの存在を知ることができたからで、謎を解かせることこそが幸正の目的でした。

そうすれば奈美恵は幸正の介護から解放され、さらに邦弘がいなくなったことで全財産を手にし、幸せに暮らすことができます。

今回の方法では、警察が気が付くことができないため、湯川を探偵役に選んだのです。

自首を選ばなかったのは、情状酌量の余地をなくしてなるべく長く刑務所に入っていたかったからです。

しかし湯川は、奈美恵が幸正の介護を嫌がっていたとは思えないとして、彼の刑期が短くなるよう友人たち含めて最善を尽くすこと、刑期を終えたら自分たちを頼ってほしいことを口にします。

それに対し、幸正は人の心が分かるまで成長した湯川に感服するのでした。

密室る(とじる)

湯川は大学時代の友人である藤村伸一が経営するペンションを訪れます。

しかし、ただ泊まりにきたわけではありません。

以前ペンションに泊まった原口清武という男が近くの渓谷から落ちて亡くなったことがあり、その件について草薙に相談すると、湯川が適任だと言われ相談を持ち掛けたのでした。

妻の久仁子に出迎えられ、亡くなった原口が泊まったという部屋に湯川も泊まります。

当時、夕食の時間になっても原口が部屋から出てこないので呼びに行きますが応答はなく、心配になってマスターキーで開けます。

するとチェーンロックがかかっており、いったんは戻りますが、もう一度来ると今度は部屋に人の気配があり、藤村は安心して戻ります。

ところがその後、別の宿泊客から原口の部屋の窓が開いていると話があり、見に行くと原口はいなくなっていました。

探したけれども見つからなかったため警察を呼び、例の渓谷で原口の死体が見つかりました。

当時、人がいたのはこの宿だけですが、宿泊客は藤村たちと一緒にいたため、原口を殺害した可能性はないと藤村はいいます。

湯川は自殺だといいますが、藤村には気になる点がありました。

それは最初に原口の部屋に来た時、暖房が入っていないことでした。

二回目来た時には暖房がついていたため、最初に調べた時には誰もいなかったのではと藤村は考えます。

このことは警察には言っていないし、密室の説明がつきません。

湯川はこの件を引き受け、久仁子にも事件について調べていると言わずに当時のことを聞きます。

すると一組の宿泊客の他に、久仁子の弟・祐介も泊まっていたことが判明。

しかし、真相は分からず、湯川はペンションを後にします。

ところがその後、湯川は祐介の働く美術館を訪れていて、後日、再びペンションを訪れます。

そして湯川は当時の密室を再現した上で、藤村に問います。

彼は事件を解決してほしいわけではなく、当時の原口の部屋が密室であった証拠を湯川に探してほしいのではないかと。

湯川は藤村の期待に反し、祐介が原口を殺害したのだと考えていました。

事件当日、原口は祐介の指示で窓から部屋を出て、渓谷で彼を待ちます。

そこを不意を突いて祐介が突き落とし、原口は落下。

それから祐介は原口の部屋に戻ると、ドアの鍵とチェーンロックをかけ、窓の本物のクレセント錠の上に、クレセント錠がかかっている写真を張り付け、窓から出ます。

立体写真は藤村が誤認するほど精巧で、湯川は祐介の勤める美術館でその技術を確認していました。

祐介には風呂に入っていた十分間だけアリバイがなく、その間に写真を回収しています。

湯川はこのことに、別の宿泊客の日記で気が付きました。

宿泊していた少年は風呂に入ると細かい泡が体について気持ちよかったと書いていましたが、これは過飽和という現象で、もし祐介が風呂に入っていたら、この現象は起きません。

つまり、祐介はシャワーで済ませ、残った時間を何かに利用していたことになります。

湯川の推理が終わると、藤村はその推理が当たっているといい、久仁子と祐介に自首するよう言うつもりでした。

ここで事件の経緯をようやく話してくれます。

久仁子たちには身寄りがなく、彼女は弟を養うために複数の男と付き合ってお金を稼いでいて、その一人が原口でした。

彼女は結婚すると藤村に迷惑がかかると渋っていましたが、脱サラして東京を離れることでようやく結婚を決めます。

ところが久仁子の話を聞きつけた原口はペンションを訪れ、戻ってきませんでした。

藤村はこの時点で二人が原口を殺害したのだと疑っていましたが、祐介のアリバイとなる密室が気がかりで、それを解き明かすために湯川を呼んだのでした。

湯川が帰ると、藤村は自分と久仁子の分のワインを用意して彼女の帰りを待つのでした。

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指標す(しめす)

野平加世子という女性が紐のようなもので首を絞められて殺害され、それを息子家族が発見。

空き巣狙いとも思われましたが、いくつか不可解な点もあります。

鍵は全てかけられていて犯人が玄関の鍵を閉めて逃げたことになります。

また精巧にできた隠し箱にしまっていた地金が盗まれていて、被害者の財産状況を知った人物である可能性が浮上。

またよく吠えることで近所では有名な飼い犬のクロがいなくなっていました。

犯行があった当日、野平家をのぞき込む女性が目撃されていて、保険セールスの真瀬貴美子であることが判明。

草薙と薫が彼女の家を訪問すると、彼女は娘の葉月と二人暮らしでした。

事件当日、貴美子の話では訪問した時、クロが吠えていたこと、そして彼女は加世子に金のことで相談されていたことが分かります。

部屋を捜索しますが特に怪しいところはなく、質素な暮らしぶりがうかがえます。

警察が帰った後、貴美子は事務所の上司である碓井俊和に連絡をとります。

二人は男女の仲にあり、葉月も認めていました。

警察もそれを掴み、貴美子たちを見張ります。

すると家から葉月が出てきて、薫が後を追います。

彼女は時折水晶の振り子を確認しながら先に進み、やがて不法投棄された家電が積まれた場所に着きます。

葉月は洗濯機の中を見て驚愕し、薫も声を掛けて中を確認。

そこにはクロの死体がありました。

薫が事情を聞くと、母親の容疑を晴らそうと行方不明のクロを探していたこと、道は水晶の振り子に教えてもらったと証言。

薫は湯川に相談を持ち掛けます。

これはダウジングと呼ばれる行為ですが、その効果は立証されておらず、かといって否定することもできない非常に曖昧なものでした。

一方、クロからは毒物が検出されており、犯人が運んだものと思われます。

しかし、犬は十キロ以上あるため、車のない貴美子では運ぶのが難しいと判断。

捜査方針の変更を余儀なくされます。

湯川は薫からの話だけでは判断がつかず、葉月を研究室に呼んで話を聞きます。

彼女が帰ると、湯川は彼女が嘘をついていると薫にいいます。

ダウジングの真偽ではなく、葉月はあらかじめクロの死体の置き場所を知っていたのです。

彼女は犯人に気が付き、その人物が犬の死体を隠しそうな場所を考えただけでした。

それから三日後、碓井が逮捕されます。

彼は会社の金に手をつけ、貴美子から聞いていた加世子の地金を狙ったのでした。

侵入に邪魔なクロの餌に農薬を混ぜて殺害をはかりますが、侵入時に瀕死のクロに噛みつかれ、その歯に血がついてしまいました。

このままでは血液から自分が犯人であることが特定されてしまうため、仕方なくクロを処分したのでした。

碓井の足には噛まれた跡があり、それは湯川が予見していたことでした。

葉月が不法投棄場所に向かったのは、碓井が以前猫を轢き殺した時、そこに捨てていたからでした。

結局、葉月は正直に話し、報告書も無事に完成。

湯川はダウジングを否定するようなことはせず、それを信じたいという彼の気持ちがうかがえました。

攪乱す(みだす)

ある日、警察宛てに悪魔の手を持つという人物から挑戦状が届きます。

そこには力を示すために数日内にデモンストレーションを行うこと、手に負えなければT大学のY准教授に助太刀してもらうといいと書かれていて、明らかに湯川のことを知っているようでした。

一方、湯川のもとにも悪魔の手から手紙が届きますが、手紙の送り主に思い当たる節はありません。

単なる悪戯ではないと判断した警察は数日間の死亡事故を調べますが、どれも自然発生で悪魔の手が関与したとは思えません。

すると再び悪魔の手から手紙が届き、建築現場から落下して亡くなった上田重之は自分が転落させてこと、それが嘘でないことは湯川が証明してくれると書かれていました。

湯川の方には映画の公式ページのアドレスが送られていて、そこには上田への犯行を連想させる書き込みが犯行日の前日にアップされていました。

これで悪魔の手が関与している可能性が高くなりますが、その方法は不明です。

後日、同様の方法で首都高の死亡事故が悪魔の手によって引き起こされたことが判明。

さらに悪魔の手は自己顕示欲からかテレビ局にも手紙を送り、世間は大騒ぎです。

模倣する者も現れますが、事前に悪魔の手から送られていた乱数表によって本物を見極めることは容易でした。

悪魔の手が次に狙いをつけたのは遊園地で、遊園地は休業を余儀なくされます。

一方、湯川はあることを閃き、薫に調査を依頼。

すると犯行予告のような書き込みが他にも見つかり、その被害者は亡くなっていませんでした。

そこで薫と湯川は被害者の女性をたずね、当時の状況を聞きます。

女性は運転中、突然目眩が起きたといいますが、検査しても異常は見つかりませんでした。

しかし、湯川には悪魔の手の使ったトリックが分かり、犯人をおびき出すことに。

まずはインタビューを受け、悪魔の手など大したことないと挑発。

次に大学のホームページに、湯川が大学の研究施設に行くことを書き込み、何も知らない薫の運転でそこに向かいます。

運転中、薫は突然目眩に襲われますが、湯川が彼女にヘッドホンをつけて微弱な電流を流すことで事故を回避。

並走していた警察の車が犯人の乗る車をおさえ、こうして悪魔の手こと高藤英治が逮捕されます。

彼は研究者でしたが、とある学会で湯川に難癖をつけられたと被害妄想をふくらまし、恨んでいました。

また会社の研究部門を外され辞職。

さらに恋人と思っていた河田由真にその気がないことが分かり、逆上して首を絞めて殺害。

これら全てを高藤は湯川のせいにしていましたが、それらが被害妄想であることはいうまでもありません。

今回の一件もあり、草薙は湯川を恨む人間がいないか身辺調査を行います。

すると、彼が警察に協力することを悪く思っている人間はほとんどおらず、また科学者としては評価され、尊敬されていました。

しかし、人間として評価はあんまりだったようで、草薙が言おうとするのを湯川は遮るのでした。

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最後に

いかがでしたでしょうか。

薫が加わり、草薙の理系嫌いが際立つようになりましたが、それぞれの役割がよりはっきりとして面白くなってきました。

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