『薬屋のひとりごと 16』あらすじとネタバレ感想!
皇帝の手術を無事に終えてから半月、季節も冬へと近づいていた。術後の治療を上級医官に替わってもらったおかげで、猫猫(マオマオ)の日常は忙しくも平常運転へと戻っていた。
Amazon商品ページより
そんなある日、老医官に届いた文を読んだ妤(ヨ)の顔色が変わった。
「怖いことになるかもしれない」。
その文には水膨れができた患者が増えていると書かれていたのだ。嫌な予感がする猫猫だったが、その心配は当たってしまった。
「疱瘡(ほうそう)の発生」。
感染力、致死率が高く、顔や身体に痕が残りやすく恐れられている流行り病だ。特効薬はなく、猫猫でも今から見つけることは不可能だろう。感染が広まれば村一つが閉鎖することもあるという。そんな絶望的な状況に一筋の光を放ったのは、かつて疱瘡から快復した経験を持つ妤の一言だった。
「私が生き残ったのは、そのお医者さんのおかげです」。
疱瘡に詳しい民間の医者—-猫猫が知るのは克用(コクヨウ)しかいなかった。猫猫が時折、花街の薬屋に応援を依頼する、顔半分に疱瘡の痕がある美青年。厄介な感染病の大流行に備えて医者はいくらいたっていい。しかも疱瘡の知識と耐性があるならなおさらだ。克用は医官たちの面接を経て採用され、妤と共に感染が広がりつつある人口数百人の農村に派遣されることになった。また、ある時、猫猫は壬氏(ジンシ)から皇太后の実家の当主の娘が、とある人物に呪いをかけたのではないかとの相談を持ち掛けられる。当主の娘とは妾の子であり、皇太后の姪にあたる病弱な梔子(ジーズー)。その姪を助けてほしいという「皇太后からの頼み」により猫猫が調べを進めると、梔子に毒が盛られていた疑いが出てくる。そして、その背景には母親である妾の思いが透けて見えてくるのだった。一方、疱瘡の感染拡大防止に奮闘していた妤から話を聞いていた猫猫に、大きな疑問が浮かんだ。
「その疱瘡はどこから来たのか?」。
疱瘡の感染源を調べるうちに、猫猫たちは衝撃の事実にたどり着くのだが……。
シリーズ第十六弾となる本書。
前の話はこちら。

これまでに出てきた『疱瘡』が本書において猛威をふるいます。
水疱瘡との違いが度々説明され、いかに危険な病であるかが描かれているのも印象的です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
嫌な知らせ
皇帝の手術が終わって半月。
術後の治療は上級医官に代わってもらったことで、猫猫は忙しいながらも日常を取り戻していました。
そんなある日、老医官が一通の文を見せてくれます。
差出人は地方で働く医官からで、水膨れができた患者が増えていることが書かれていました。
この時点で水膨れが疱瘡の可能性があり、緊張感が高まります。
疱瘡の流行
疱瘡は感染力、致死率ともに高く、非常に恐れられています。
一方で、一度でもかかってしまえば一生かかりにくいと言われていて、疱瘡の対処に向かう医官は一度疱瘡にかかった人が選ばれやすいです。
そこですでにかかったことがある老医官と妤は、現地に向かいます。
調査の結果、やはり疱瘡であることが判明しました。
流行すれば都に流れてくる可能性があり、早めに適切な対処をする必要があります。
現在、発症した病人を集め、村は出入り禁止の状態にしています。
流行がおさまるまでには時間がかかり、疱瘡にかかったことがある医官および武官が一定数必要です。
そこで猫猫は克用です。
彼は疱瘡にかかったことがあり、民間ではありますが医療の知識もあります。
克用の経験や知識はすぐに認められ、現地に派遣されることになりますが、疱瘡の流行の裏には思いがけない真実が隠されていました。
感想
疱瘡の脅威
本書を語る上で外せない内容です。
僕もつい水疱瘡を連想してしまっていましたが、それとは異なる病気だと分かるにつれて、事の深刻さが分かるようになりました。
発生から調査、隠された真実とどれをとっても面白かったのですが、克用の様々なエピソードは格別です。
彼がなぜ疱瘡にかかり、どのようにして今に至ったのかを何でもないように話すのですが、誰がどう聞いてもえぐいエピソードで、このギャップにはぞわぞわしました。
克用の内面はここからさらに掘り下げられるのですが、それもまたえぐいもので、彼なしでは語れない話でした。
つい気になる二人
本書では疱瘡に加えて、皇太后の実家のエピソードも合わせて語られます。
呪いという不穏なワードが飛び出し、こちらもなかなかドロドロしていたのですが、個人的にはそれ以上に馬閃と里樹に目がいきました。
誰がどう見てもお互いを意識している二人ですが、会っても話すはほんのわずかな世間話で、いつまで経っても仲が進展する気配がありません。
外野はどうにかしようとあれこれ画策するわけですが、それも空回りしてばかり。
もうお決まりになってきていて、猫猫と壬氏ではこの手の話題がひと段落したせいか、余計に際立ちます。
馬閃は不器用なりに頑張っているし、里樹も不遇ながらもここまで成長したので、どちらも報われてほしいなと、ちょっと親目線になってしまいました。
おわりに
相変わらずな毒成分と、最後の、シリーズを追ってきた人に染み渡るような描写。
著者の日向夏さんがシリーズを完全に御している感覚があり、今後に対しても不安はなく、ただただ楽しみです。
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