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『影牢 現代ホラー小説傑作集』あらすじとネタバレ感想!実力作家によるオールタイムベスト

harutoautumn
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ホラー界をリードする作家らの代表作ばかりを収録したオールタイムベスト
『七つのカップ 現代ホラー小説傑作集』と対をなす傑作ホラー短編8選。大都会の暗い水の不気味さを描く鈴木光司の「浮遊する水」。ある商家の崩壊を
陰惨に語る宮部みゆきの時代怪談「影牢」。美しく幻想的な恐怖を描く小池真理子の不気味な地下室が舞台の「山荘奇譚」。記憶の不確かさと蠱惑的世界を
描いた綾辻行人の「バースデー・プレゼント」など、ホラー界の実力派作家によるオールタイムベスト! 解説・朝宮運河
【収録作】鈴木光司「浮遊する水」(『仄暗い水の底から』角川ホラー文庫
坂東眞砂子「猿祈願」(『屍の聲』集英社文庫
宮部みゆき「影牢」(『あやし』
三津田信三「集まった四人」(『怪談のテープ起こし』集英社文庫
小池真理子「山荘奇譚」(『異形のものたち』角川ホラー文庫
綾辻行人「バースデー・プレゼント」(『眼球綺譚』角川文庫
加門七海「迷(まよ)い子」(『美しい家』光文社文庫
有栖川有栖「赤い月、廃駅の上に」(『赤い月、廃駅の上に』

Amazon商品ページより

『七つのカップ 現代ホラー小説傑作集』と対をなす傑作ホラー短編集である本書。

ホラー好きであれば誰もが知る著者がずらりと並び、これからホラーを好きになりたいという人にもぴったりです。

二つの短編集は正直、優劣はないので、好きな作家さんで選んでもらえればと思うし、もし迷うようであれば両方読むことを強くオススメします。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

鈴木光司『浮遊する水』

松原淑美は離婚して、六歳になる娘・郁子を連れて埋め立て地に建つマンションに引っ越してきました。

淑美にとって望んだ環境でしたが、投資目的で購入した人が多く、ほとんどの部屋が事務所として利用されていて、夜になるとほとんど人がいません。

加えて淑美のような子連れはおらず、子育てがしやすい環境とはいえませんでした。

そんなある日、屋上でキティちゃんのバッグが落ちているのを見付けます。

郁子は欲しがりますが、淑美は汚いとマンションの管理人に渡してしまいます。

この件はこれで終わるはずでしたが、不思議なことはここから続きます。

坂東眞砂子『猿祈願』

里美は職場の上司で既婚の巧と不倫関係になり、彼の子どもを妊娠します。

結果、巧は離婚して里美と結婚することになり、彼の実家がある秩父を訪れていました。

巧の母親に孫の報告がしたいのだといいます。

巧にとっては実家に帰れて楽しいかもしれませんが、里美からすれば離婚の原因を作ったのは自分であり、巧の母親に会うことに苦しさを覚えます。

それでも、巧と結婚するためには必要なことだと割り切り、巧の母親が働く寺に向かいますが、そこで里美は思いがけない恐怖を覚えます。

宮部みゆき『影牢』

磯部と、かつて存在した蝋問屋・岡田屋で一番番頭を務めていた松五郎の会話によって、物語が構成されています。

岡田屋では跡取りの久一郎をはじめ、多くの人間がすでに亡くなっていて、奉公人たちは散り散りになりました。

すでに岡田屋はこの世に存在しません。

では、どのようにして岡田屋はその末路を辿ったのか。

それが松五郎の口を通じて語られます。

三津田信三『集まった四人』

奥山勝也は駅で岳将宣と待ち合わせていましたが、彼の姿が見当たりません。

改札口を見渡すと山歩きをする格好をした人物が三人、誰かを待っていました。

そこで奥山は全員が岳を待っていることに気が付きます。

話を聞くと、全員の共通の知人が岳で、入っていた留守電で岳が来られなくなってしまったことが判明します。

全員が初対面の状態で目的の山に向かうことになりますが、そこで恐ろしい体験をします。

小池真理子『山荘奇譚』

滝田は大学時代の恩師が亡くなったことを知り、通夜に参加します。

最近多忙を極めていたこともあり、東京に戻らず一泊することを決めます。

タクシーの運転手に聞いてみると、良い宿があるとして、案内されたのが赤間山荘でした。

はじめは宿の人間とグルなのではないかと疑っていましたが、そうだとしても予想以上に良い宿で、滝田は満足します。

その夜、滝田は部屋で女将と話をすることになり、彼女の知っている恐怖体験を聞くことになりますが、本当の恐怖はそこからでした。

綾辻行人『バースデー・プレゼント』

クリスマス・イブ。

二十歳の私が所属するサークルでクリスマスパーティー兼忘年会が開かれることになっていました。

パーティーではプレゼント交換が予定されていて、準備していなかった私はプレゼントを買いに行きます。

その一方で、私が昨晩見た夢が挿入されます。

それは同じサークルの先輩で恋人の行雄とのやり取りで、どうも詳細が思い出せません。

幻想的な雰囲気が次第に晴れてくると、置かれた状況がくっきりと浮かび上がります。

加門七海『迷い子』

屋久島は妻の珠恵と東京の街を歩いています。

彼らの孫である久司が行方不明になっていることがすぐに判明します。

十年以上ぶりに利用した東京。

変わりぶりに驚きつつも、夫婦で仲良く歩く光景。

それだけのはずが、そこには驚きの事実が隠されていることが判明します。

有栖川有栖『赤い月、廃駅の上に』

彼は学校に行かなくなり、不登校になります。

その中でクロスバイクに乗って月に一回遠出するようになり、両親は閉じこもるより良いと判断して放任します。

彼は馴染みがない地方を選び、いつものようにクロスバイクで旅に出て、とある電車が廃線になった駅に向かいます。

そこで寝泊まりをしようとしたところ、先客である佐光という男性がいて、二人で一晩を過ごすことになります。

そして、そこで恐怖の体験をします。

感想

読んでほしいホラーが網羅されている

オールタイムベストという名前の通り、世代を超えて読んでほしいホラー作品が本書にずらっと揃っています。

それは『七つのカップ 現代ホラー小説傑作集』も同様なのですが、あちらは僕がすでに読んだことのある短編が多かったため、全て初読の本書を選びました。

『平成怪奇小説傑作集』を読んだおかげでそれぞれの作家さんの特徴や魅力がかなり鮮明にインプットされていたので、スッと作品に入り込み、その魅力を余すことなく堪能することができました。

オススメ作品

その中でも特にオススメ作品をあげるのであれば、宮部みゆきさんの『影牢』です。

『三島屋変調百物語』シリーズでも思いましたが、時代劇のような設定での作り込みや語り口がとにかく秀逸です。

一方的な語りなので飽きがきそうなものですが、それが全くありません。

馴染みのない言葉遣いや単語も多いので、普通であればリーダービリティがあまり高くありませんが、そこをスラスラと読ませてしまうあたりに、宮部さんの実力を感じました。

ベストセラー作家強し。

表題作として選ばれるのも納得のクオリティでした。

その他ももちろん面白くて、作家の皆さんの特徴や魅力が凝縮されているので、本書を読んで好きな作品が見つかれば、その作家さんの他の作品を読んでも問題なく楽しめるのではと思いました。

おわりに

最近は本当にホラーが盛り上がって嬉しいです。

一冊でかなり美味しいのもそうですが、知らない作家さんに出会える機会にもなるのもありがたい。

個人的にはそろそろ昭和のホラー作品にも挑戦して、ホラーの歴史にどっぷり浸かりたいところです。

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