『氷菓』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!
いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。
「BOOK」データベースより
米澤穂信さんの名前がより広く世間に知られるきっかけとなった作品です。
他の米澤さんの作品を読んだ方なら気が付くと思いますが、これまでよりもライトな文章、設定になっていて、あまり読書に親しみのない人でも読みやすいようになっています。
そのためミステリーの部分もあっさりしていますが、本書の最後では読書の心に残るものもあり、アニメや漫画も含めておすすめしたい作品です。
この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。
ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
古典部の再生
神山高校に入学した折木奉太郎は、『省エネ』がスタイルのやる気のない学生です。
ところが、海外を渡り歩く姉・供恵の手紙による命令により、彼女がかつて所属し、今は廃部寸前に追い込まれた古典部に入部することとなります。
部員が一人だけなら部室も使い放題で楽、などと考えて部室に向かうと、そこには奉太郎と同じく入部希望の千反田えるがいて、彼の省エネライフはいともたやすく砕け散ります。
奉太郎はなるべく関わり合いを避けようとしますが、この時、あることに気が付きます。
えるが部屋の中にいたにも関わらず、奉太郎が来た時には鍵が閉まっていたのです。
彼女に鍵を閉めた覚えはなく、誰かに閉じ込められたということになり、えるは俄然興味を持ちます。
奉太郎は彼女の強い好奇心に負け、渋々その謎に挑み、見事に解いてみせます。
文集
奉太郎の親友である福部里志も手芸部との兼任で入部し、古典部が復活して一か月。
えるは生産性のない部活動に不満を抱き、十月の文化祭に古典部として文集を出すことを決めます。
バックナンバーを参考しようとしますが部室にはなく、奉太郎たちは図書室に向かいます。
そこで待っていたのは図書当番で、奉太郎とは小学校からの付き合いになる井原摩耶花でした。
そこで文化祭が『カンヤ祭』という俗称で呼ばれていることが判明します。
また文集のバックナンバーは開架にはなく、書庫を調べるには司書の先生が戻ってくるのを待つ必要があります。
その間に、摩耶花は本にまつわる謎を一同に話し、奉太郎はまたしてもその謎を解いてみせます。
その後、司書の糸魚が戻ってきますが、書庫にもバックナンバーはありませんでした。
泣いた理由
ある日曜日、えるに呼び出された奉太郎。
彼女はお願いがあるとして、昔話をします。
えるには関谷純という伯父がいて、七年前にインドで消息を絶ち、行方不明になっていました。
子どもの頃、えるは彼に懐いていて、色々な質問をしました。
そして、どうしても思い出せない質問があり、それを思い出させてほしいのだといいます。
ヒントとして、幼稚園児だったえるは関谷が『コテンブ』だったことを知り、それにまつわる何かを尋ねました。
すると、関谷は散々渋ってから答え、その答えにえるは泣いてしまったのだといいます。
えるが古典部に入部したのは、関谷が三十三年前、神山高校の古典部に所属していたからです。
通常、七年間生死が不明な人間は法律的に死亡した扱いとなり、その前にどうしても答えがほしいとえるは願っています。
これだけで到底答えが得られるとは思えませんが、えるは奉太郎の推理力に期待していて、彼もまた頼みを引き受けるとはいわないものの、なるべく協力することを約束するのでした。
氷菓
摩耶花は里志に恋をしていて、彼を追いかけて漫研部員でありながら古典部にも籍を置きます。
定期試験が終わった頃、奉太郎のもとにまたしても供恵から手紙が届き、そこには文集のバックナンバーの在処が書かれていました。
カノジョは部室にある使われていない薬品庫にあるといいますが、部室にそんなものはありません。
奉太郎は供恵が在籍していた二年前とは部室の場所が変わっていることに気が付き、その部屋を今は壁新聞部が使っていることを知ります。
早速える、摩耶花を連れて探しに行きますが、壁新聞部の部長・遠垣内(とおがいと)はそんなものはないと主張。
事実、中を探しても見つかりませんでした。
しかし、奉太郎はあることに気が付き、もし文集が見つかったら古典部の部室に置いておいてほしいと頼んで部屋を後にします。
そして数分後、古典部の部室には文集のバックナンバーが置かれていました。
遠垣内は部室でタバコを吸っていて、薬品金庫の中にタバコやライターが隠されていたのでした。
こうしてバックナンバーを手にした一同。
文集は『氷菓』という名前でした。
そこに関谷のことが書かれていましたが、創刊号だけがありません。
えるの知りたいことは三十三年前に隠されていることを確信し、奉太郎たちは調べることにします。
三十三年前の謎
えるの家に集まった古典部一同。
彼らはそれぞれ資料を揃え、分かった事実を挙げていきます。
内容は以下の通り。
・関谷は英雄や伝説と呼ばれ、最終的に学校を中退した
・『氷菓』と命名したのは関谷
・事件が六月に起こり、十月に関谷は学校を去った
奉太郎はこれを5W1Hで説明します。
・いつ:三十三年前の六月と十月
・どこで:神山高校
・だれが:関谷純、そして全校生徒
・なぜ:校長が学力重視のために文化祭縮小を言い出したため
・どのように:関谷の英雄的な指導に支えられて、果敢なる実行主義
・なにを:非暴力的で、多人数で行う抗議運動
六月に教師と生徒で話し合いの場が持たれ、文化祭は例年通り、五日間行われました。
そして、文化祭の熱狂が収まった十月、関谷は退学させられたのです。
奉太郎の推理に一同は感心しますが、えるは疑問を抱いていました。
なぜなら、この説明では『えるが泣いた理由』が説明できないからです。
真実(タイトルの意味)
奉太郎はえるたちに触発され、楽しい学生生活に憧れのようなものを抱くようになっていました。
そんな時、供恵から電話がかかってきます。
そこで彼女はカンヤ祭という言葉は禁句だったと話し、当時の事件は悲劇だったといいます。
噛み合わない会話に、奉太郎はまだ知らない事実が隠されていることに気が付きます。
供恵は真実を教えてくれず、奉太郎は自分で調べ、あることに気が付きます。
翌日、他の部員を呼ぶと、三十三年前の話の続きをします。
当時のことを書いた氷菓の作者は郡山養子といい、その珍しい名前から、奉太郎はその人物が司書の糸川だと気が付きます。
結婚して姓が変わったのです。
一同は糸川に会い、奉太郎は自分の推理を話します。
それはほとんど当たっていましたが、まだ続きがありました。
当時、反対運動のリーダーに誰も立候補せず、そこで貧乏くじを引かされたのが関谷でした。
そして、運動が盛り上がってキャンプファイヤーをした時、学校の格技場に飛び火し、半壊してしまいます。
これだけはどうあっても犯罪行為であり、見せしめとしてリーダーである関谷が退学処分になったのでした。
彼は望んで指導者になったわけではなく、生贄にされたのです。
そして、カンヤ祭の『カンヤ』とは神山の派生後ではなく、英雄を称えて『関谷』からとられたものでした。
事実を知るものからしたら関谷は英雄などでは決してなく、だから禁句となっているのです。
そして、『氷菓』という文集のタイトルに込められた意味。
古典部の面々が気が付かない中、一人意味に気が付いた奉太郎はそのメッセージが届かなかったことに苛立ちを覚えます。
『氷菓』とは『アイスクリーム』と言いかえることができ、音節を切ると『I scream』となります。
それを聞いたえるは、全てを思い出しました。
彼女は『ひょうか』とは何かと聞き、関谷は強くなれと言いました。
もし弱いと、悲鳴も上げられなくなる日がきて、生きたまま死んでしまうと。
それを聞いたえるは、生きたまま死ぬのが怖くて泣いたのでした。
彼女はこれでちゃんと伯父を送れると微笑みますが、その目から涙がこぼれていました。
結末
こうして氷菓にまつわるエピソードを紐解いた奉太郎。
彼は今回の件を通して、薔薇色の学生生活も考え物であることに気が付き、自分のスタイルも悪くないのではと考え直すようになっていました。
そして、供恵に宛てて手紙を書きます。
古典部に入るところから、何から何まで供恵にコントロールされているのではと考える奉太郎ですが、そのことはあえて聞きません。
彼女の旅が良いものになることを願い、アドバイスに対してお礼をいうのでした。
おわりに
第一作目ということで、設定の説明にある程度割かれ、一番面白いというほどではありませんが、二作目以降に期待が持てる作品です。
2019年5月27日現在でも、まだ続いていますので、ぜひ続きも読んでみてください。
次の話はこちら。
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