『滅びの園』あらすじとネタバレ感想!男は気が付くと見知らぬ世界にいた
ある日、上空に現れた異次元の存在、<未知なるもの>。
Amazon商品ページより
それに呼応して、白く有害な不定形生物<プーニー>が出現、無尽蔵に増殖して地球を呑み込もうとする。
少女、相川聖子は、着実に滅亡へと近づく世界を見つめながら、特異体質を活かして人命救助を続けていた。
だが、最大規模の危機に直面し、人々を救うため、最後の賭けに出ることを決意する。
世界の終わりを巡り、いくつもの思いが交錯する。壮大で美しい幻想群像劇。
一つの事象を内側と外側から見ることで、本書は次第に状況が明らかになるようになっています。
そして、命運を握るのは一人の男。
タイトルの意味含めて、色々考えさせられる素晴らしい作品でした。
本書に関する恒川光太郎さんへのインタビューはこちら。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
絶望
鈴上誠一は仕事で疲れ果て、人生を絶望していました。
会社に戻る電車で、誠一はふと目に入った女性に恋をして、彼女を追って駅を降ります。
すると知らない駅であり、女性の姿も見えません。
そこで誠一は全てがどうでも良くなり、そこからの記憶は曖昧です。
気が付くと、見知らぬベンチに座っていました。
見知らぬ街
誠一のいるその街では、人が住んでいて駅がありますが、名前は知りません。
一方で、住人たちは誠一の知る地名を何も知らず、まるで別の世界に迷い込んだようでした。
荷物を持たない誠一は住人に相談する中で、魔女が住んでいたという家をあてがってもらいます。
さらに鶏山というところに行くと、宝石の原石を拾うことができ、誠一は期せずして大金を手に入れます。
この街での暮らしは、誠一にとって幸せそのものでした。
手紙
誠一のもとに、手紙が届きます。
妻を名乗る女性からの手紙ですが、誠一の記憶は曖昧になっていてよく分かりません。
次に手紙を送ってきたのは内閣総理大臣でした。
世界は何らかの危機に瀕していて、誠一のことを助けるために多くの人間が動いているのだといいます。
これもまた身に覚えのない話でしたが、話が進むにつれて誠一の置かれた状況が分かり、世界にかつてないことが起きていることが判明します。
感想
ファンタジーのようなSFのような
誠一のパートだけ読むと、本書はファンタジーのようなテイストが強いです。
見知らぬ土地で誠一は人の温かさに触れ、しばらく忘れていた幸せを堪能します。
しかし、それは誠一の視点から見た世界であり、他の大多数から見た世界はそれとは真逆。
今が地獄のようでした。
誠一以外の人々が暮らす世界はSFのようなテイストが強く、極めて現実的で、今ある状況を科学の力でなんとかしようしていました。
この相反するような読み応えを行き来して、本書は複雑に積みあがっていきます。
滅びるべきは誰だったのか
本書のタイトルの意味について、読者は終盤になって考えることになります。
考え方は読者によって様々ですが、誠一とその他大勢の視点を読者は行き来しているため、どちらにもある程度の理解を示せるようになってしまいます。
そうすると立場によって考え方は変わり、滅びるべきがどちらなのかも変わります。
決して読了感が良いわけではありません。
それでも彼らと一緒に過ごして、考えた時間は貴重で、この悩みというのは現実の様々な場面でも出てくるのかなと思います。
その時に自分だったらどうするのか。
晴れやかではないけれど、それでも読んで本当に良かったです。
おわりに
現実と非現実の曖昧な世界観は恒川さんらしさに詰まっていて、それがまた新たな名作を生み出してくれました。
やるせなさ、切なさ。
消化しきれない感覚も本書の持ち味で、それを思う存分堪能いただければと思います。
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