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『火喰鳥を、喰う』あらすじとネタバレ感想!死者が引き起こす怪異とは

harutoautumn
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全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。

選考委員、激賞!令和初の大賞受賞作!
「恐怖と謎がしっかりと絡んでいる。ミステリ&ホラー大賞にふさわしい」――有栖川有栖氏
「謎への引きこみ方が見事。読了後は心地よい酩酊感に襲われました」――辻村深月氏

信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。

Amazon商品ページより

第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞《大賞》を受賞し、映画化も決まった本書。

『火喰鳥を、喰う』(10月3日公開)特報

過去の執念が現実をじわじわ侵食する感触が生々しく、その裏にいるであろう火喰鳥も良いアクセントになっていました。

普段のホラーには出てこないモチーフで、文章を頭の中で再生させながら、意外性のある組み合わせも楽しめました。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

問題

信州南部にある久喜家。

雄司は妻の夕里子や自分の家族と共に暮らしていますが、最近になって問題が起きます。

久喜家の墓には雄司の父や祖母などが眠っていますが、大伯父である久喜貞一の名前が墓石から削り取られていたのです。

深夜であれば目立ちにくいので犯行自体は可能ですが、名前を削る理由が分かりません。

貞一は太平洋戦争で亡くなった、祖父・保の兄で、死んだはずの貞一がこれから現実に大きく影響してきます。

新聞記者

久喜家に新聞記者である与沢一香と玄田誠が訪れます。

二人は終戦記念日に合わせて太平洋戦争の特集記事を掲載し、その中でパプアニューギニアで取材を行っていたところ、貞一の手帳を遺族に返還してほしいと現地の人から依頼されました。

与沢たちは手帳を返還するとともに、一同で手帳の中を読みます。

貞一は几帳面な性格で、太平洋戦争中という厳しい環境にも関わらず記録を続けていました。

はじめは穏やかだった内容も戦いが始まるにつれて過激なものとなり、途中から明らかにおかしくなります。

兵士の多くが死んでいく中で、貞一は生きて日本に帰るために必死だったことが伝わってきます。

やがて食料にも困る状況になった中で、貞一は火喰鳥を見つけます。

異常な執念

貞一は火喰鳥を食べたいと、何度も記載しています。

食料がない中で、貴重な肉であることは想像できますが、それを考慮しても異常なほどの執着でした。

途中では食欲をなくしたにも関わらず火喰鳥は食べたいと記載していて、明かに矛盾しています。

その時、玄田が貞一は生きている、と唐突に言い始めました。

そして夕里子の弟・亮が手帳に、貞一が火喰鳥を食べたことを書いてしまいます。

亮は我を忘れていたようで、なぜ書いたのか自分でも分からないといいます。

おかしな雰囲気が流れる中で、この時から現実が過去によって浸食され始めました。

感想

ミステリとホラーの融合

本書はミステリとホラーを高いレベルで融合させていて、最後まで楽しんで読めました。

ホラーとしてだけで見ると、貞一のエピソードや火喰鳥はそこまで恐怖ではなく、インパクトに欠けます。

ところが、ここにミステリ要素が入ることによってがらりと変わります。

得た情報から推理して、真実が見えてくると貞一や火喰鳥の持つ意味が変わり、恐怖の質がグッと高まります。

すると今度はその恐怖をさらに読み解く作業に移るため、良い循環が生まれていました。

このバランス感覚や表現方法はかなり上手いと感じました。

夕里子の魅力

本書の中で、夕里子はかなり目立っていて、惹かれた読者も多いのではないでしょうか。

とびきりの美人というわけではなく、感情が見えにくいけれど人のことを思っていて、不思議な力を有している。

夫である雄司はもちろんですが、彼女に執着している男も出てきて、常に物語の中心にいることが分かります。

映画化する上で、彼女をいかに再現するかが鍵なのでは、と個人的には思っています。

やや分かりにくいラスト

本書で評価が分かれるとすれば、ラストの展開でしょうか。

ある意味、予想したような結末になるわけですが、それが意味するところは明示されていません。

それによって人ごとに解釈が発生しそうで、明快でないストーリーが嫌いだという人には消化不良が起きるかもしれません。

僕もどちらかというと結末がはっきりしている方が好きですが、本書の結末くらいであればぼやかしていても問題なかったので、この辺りは人によって捉え方が変わってきそうです。

おわりに

本書を読んでから、火喰鳥がどこかから自分を見ているのでは、と考えるようになりました。

そこまで恐怖の対象ではありませんが、それに伴って自分の現実を侵食するような何かが起こるかもしれない。

馬鹿げた妄想ではありますが、それを考えるのもまた楽しく、読書の余韻も良かったです。

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