『箱庭の巡礼者たち』あらすじとネタバレ感想!あらゆる世界が繋がる物語たち
これぞ恒川ワールドの神髄!六つの世界の物語が一つに繋がる一大幻想奇譚。
ある夜、少年は優しい吸血鬼を連れ、竜が棲む王国を出た。祖母の遺志を継ぎ、この世界と繋がる無数の別世界を冒険するために。時空を超えて旅する彼らが出会った不思議な道具「時を跳ぶ時計」、「自我をもつ有機ロボット」、そして「不死の妙薬」。人智を超えた異能(ギフト)がもたらすのは夢のような幸福か、それとも忘れられない痛みか。六つの世界の物語が一つに繋がる一大幻想奇譚。
Amazon内容紹介より
恒川光太郎さんのこれまでの集大成ともいえる本書。
ファンタジーのような六つの短編と、それを繋ぐさらに短い話。
独立しているようで広い括りではしっかり繋がっていて、歴史というか、人間の時間の積み重ねを感じさせる厚みを感じました。
恒川さんにしては珍しいポジティブな内容もあり、本書を恒川作品No.1にする人もいるのではないでしょうか。
本書に関する恒川さんへのインタビューはこちら。
常識を超えた素敵などこかへ、あなたを誘う多元世界紀行『箱庭の巡礼者たち』 著者・恒川光太郎氏にインタビュー!
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
ここでは間を繋ぐものは抜きにして、六つの短編の簡単なあらすじについて言及します。
箱の中の王国
ぼくが八歳の時、住んでいる町を大雨が襲います。
町がめちゃめちゃになるほどの雨量で、母親が行方不明になってしまいました。
そんな時、ぼくは家のすぐ近くのがらくたが集まっているところを見つけ、そこにあった黒い箱を持って帰ります。
家に帰って箱の中を覗くと、中には別の世界がありました。
スズとギンタの銀時計
大正時代。
姉のスズと弟のギンタは家を出て、二人で生きていくことにしました。
あてもない中で大阪に行き、そこでスズが年齢を思わせない行動力で生活の基盤を作りますが、ギンタはスズがいない時に悪いやつらに絡まれ、生活を脅かされます。
そしてスズがしばらく帰ってこない日々がありましたが、彼女はふらっと帰ってくると、その手には銀時計がありました。
短時間接着剤
海田才一郎は日々、発明と研究を続けていて、自宅でそれを売っています。
とはいっても高額なものは少なく、しかも購入する人もあまりいません。
そんな中でいつも海田の発明品を買ってくれる少女がいて、今度は超強力な接着剤を購入します。
次のシーンからはまったく別の物語が始まりますが、この接着剤が思わぬ役割を担います。
洞察者
私はギフテッドと言われる類まれなる才能の持ち主で、普通の子どもとは違う教育を受けています。
父親は精子の提供のみで、母親は私が九歳の時にいなくなっています。
私はその能力を活かして人の役に立つようなことをする一方で、能力ゆえの周囲の不和を抱え、生きることの難しさを実感していきます。
ナチュラロイド
ナービはレゼという土地で友人たちと一緒に暮らしていますが、ある時から、王になる運命にあるとして友人たちとは異なる人生を強制的に歩まされます。
どんな基準で選ばれたのかも分かりません。
王宮で暮すようになり、モックモンという生物というよりもぬいぐるみのようなお世話係と多くの時間を過ごすようになります。
孤独なナービにとってモックモンはすぐに大切な存在になりますが、次第に彼の正体が見えてきます。
円環の夜叉
ラルスは一人で湖面でボートの上から釣りをしていましたが、気が付くと浸水していてやがて意識を失います。
気がつくと見知らぬ岩窟にいて、歩いて見覚えのある場所まで行きます。
そこで何人も知り合いと出会いますが、誰もラルスのことを知らないし、ラルスが思う相手とは名前も違っていました。
これはどういうことか。
ラルスは怪しい人物として牢屋に囚われてしまいますが、クインフレアと名乗る女性が現れて状況を説明してくれます。
感想
掴みどころがない、けれど心地よい
本書は短編ごとに物語の舞台や時代がまったく異なります。
序盤は現実世界を舞台に描いていて一番すんなり入ってきますが、どの物語でも不思議な道具が出てきます。
これによって日常に潜む非日常が描かれ、まるでドラえもんのような世界観でした。
ある物語では完全にファンタジーが舞台で、人物から土地、固有名詞にいたるまですべてが独自の設定です。
それだけだと短編として収まりが悪いのですが、本書は共通の設定を登場させることで他の短編と繋がるように設計されていて、それによってファンタジー設定でもすぐに親近感がわくようになっています。
読み終わるまで本当に掴みどころがないのですが、それでいて心地の良さは作品を通じてずっとあり、この空気感は恒川さんならではだと嬉しかったです。
温かい切なさ
本書は基本的にハッピーでポジティブなのですが、中には辛いこと、切ないこともあります。
それは単なるネガティブというよりも必要なもの、いうなら温かい切なさというのでしょうか。
悲して切ないことなんだけれども、ある視点から見ると幸せに繋がるものであり、不幸になるためのイベントではありません。
恒川さんの作品というと、ネガティブで暗い話も多いのですが、本書ではご本人がインタビューで語っている通り、ハッピーエンドになるよう構成されていて、非常に僕好みでした。
それでいてブラック恒川も読みたくなっていて、恒川さんの作品はいずれでも面白いのだと再認識できました。
おわりに
角川ホラー文庫から出ていますが、ホラーで括るにはもったいない作品です。
恒川さんの作品が好きな方にはもちろんのこと、現実に疲れている人、ちょっとした奇跡を見たいという人にもオススメできる作品だと思っています。
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