『配達あかずきん』あらすじとネタバレ感想!書店で起こる謎に書店員が挑むシリーズ第一弾
「いいよんさんわん」―近所に住む老人から託されたという謎の探求書リスト。コミック『あさきゆめみし』を購入後失踪した母を捜しに来た女性。配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真…。駅ビルの六階にある書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵が、さまざまな謎に取り組んでいく。本邦初の本格書店ミステリ、シリーズ第一弾。
「BOOK」データベースより
成風堂シリーズ第一弾となる本書。
表題作含む五つの短編で構成されています。
現実の日常にも潜んでいそうな、潜んでいたら面白いな。
そんな謎が詰まっていて、それを鮮やかに解いてみせる書店員たちの活躍が楽しめます。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
本書の舞台は駅ビルの中に入っている成風堂という書店。
社員の杏子とアルバイトの多絵が周囲で起こる謎に直面し、推理に挑むというのが基本の流れです。
パンダは囁く
ある日、男性が杏子に声を掛けます。
彼の家の近所に住む清水という老人に本の差し入れを頼まれて買いに来たのですが、そのリクエストの意味が分からないのだといいます。
『あのじゅうさにーち いいよんさんわん ああさぶろうに』
これで三冊の本を指していて、出版社はパンダだといいます。
聞かれた杏子は一度この謎を持ち帰り、多絵に相談します。
すると多絵はそのリクエストの謎を解き、老人が求めている本を当てるにとどまらず、そこに込められた本当の意味に気が付きます。
標野にて、君が袖振る
喜多川と名乗る女性が現れ、彼女は成風堂の常連客・沢松の娘なのだといいます。
その沢松の行方が先週から分からなくなっていて、それで手掛かりを求めて書店にやってきました。
というのも沢松が姿を消したのは、成風堂で買った本に重大なことが買いてあったからだといいます。
杏子と多絵は差し出されたレシートを確認し、源氏物語を漫画化した作品が関係していることまでは推測できました。
さらにそこには二十年も前に亡くなった沢松の息子で、喜多川の弟にあたる貴史が関係しているようで、成風堂の二人はいつものようにこの謎に挑みます。
配達あかずきん
表題作。
成風堂ではいくつかの得意先に配達をしていますが、その中でノエルという美容院が苦境に立たされていました。
成風堂が配達した雑誌の中に盗撮写真が挟まっていて、撮られた本人がそれを見つけて激怒。
店側にもちろん身に覚えなどありませんが、真犯人を見つけなければ盗撮されたお客の気が済みません。
一方、成風堂で働くアルバイトの博美は駅で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてケガをしてしまいます。
この二つにどんな関係があるのか。
成風堂から配達先に届くまでのどの部分で、写真は入れられたのか。
多絵はこれまでの状況と博美の証言から、二つの出来事を結ぶ真実に気が付きます。
六冊目のメッセージ
河田菜穂子という女性が成風堂を訪れます。
彼女は入院中、母親から本を差し入れてもらっていて、どれも気に入っていました。
母親は成風堂の男性書店員に選んでもらったと聞き、そのことでお礼を言いに来たのですが、あいにく該当する店員はいませんでした。
店員でないのであれば、誰が本を選んだのか。
本に詳しく、店員に間違われてもおかしくない人。
すると多絵は差し入れとして選ばれた五冊の本を見比べて、とある事実に気が付きます。
ディスプレイ・リプレイ
出版社はたまにディスプレイコンテストという企画を行います。
本屋向けにコンテスト形式で賞を用意し、本屋は売り場を飾り付けて優劣を争うというものです。
これによって本屋は賞品をゲットする可能性があるし、出版社は目的の本がより売れて助かります。
成風堂では普段この手のコンテストには参加していませんが、アルバイト夕紀の熱意に後押しされて参加することにします。
夕紀の大学の友人たちも手伝い、素晴らしい売り場が完成しますが、そこで事件が起きました。
感想
ちょうど良いミステリ
本書は本格というほどではありませんが、日常の謎としてよく考えられていて、読みやすくちょうど良いミステリだというのが第一印象です。
ミステリ好きであれば、どこかの書店で店員に向かって似たようなことを口にし、現実でも本書と同じような謎が巻き起こっているかもしれない。
そんなワクワクがあり、最後まで楽しく読めました。
難しい設定がなくリーダビリティに優れているので、普段あまり読書をしない人にもオススメの一冊です。
本書を読むことで本や書店に関することを知れるので、より本を好きになる取っ掛かりとしても優れています。
キャラクターの味付けはこれから
杏子はしっかりしているけれど、謎解きは多絵に全面的に頼る。
多絵は芯がしっかりしていて勘も鋭いが、不器用なところもある。
他の書店員についてもそれぞれ違った魅力があり、本書に惹き込む大きな要因になっています。
とはいえ、一巻時点ではその個性がまだ弱めで、今後深堀りされることに期待したいところです。
あと、本の虫というくらい、本が好きなキャラクターがいないのがちょっと残念な点です。
おわりに
書店が関係するミステリが溢れる以前から出版されているので、その先駆けともいえる作品です。
元書店員ならではの視点で描かれる書店ミステリは非常にバランスがとれていて、エンタメとしてもミステリとしてもオススメです。
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