『復讐の協奏曲』あらすじとネタバレ感想!洋子の疑いを晴らすシリーズ第五弾
三十年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。事務所に“この国のジャスティス”と名乗る者の呼びかけに応じた八百人以上からの懲戒請求書が届く。処理に忙殺されるなか事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食をともに。翌朝、知原は遺体で見つかり、凶器に残った指紋から洋子が殺人容疑で逮捕された。弁護人を引き受けた御子柴は、洋子が自身と同じ地域出身であることを知り…。
「BOOK」データベースより
御子柴礼司シリーズ第五弾となる本書。
前の話はこちら。
今回は御子柴を陰ながら支える洋子に殺人の容疑がかかり、逮捕されてしまいます。
御子柴は彼女が殺人を犯したかどうかに限らず、無実を証明しようとしますが、そこで彼女の知られざる過去に行き当たります。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
この国のジャスティス
ある日、御子柴の懲戒請求が弁護士会、そして御子柴のもとに届きます。
これ自体は珍しいことではありませんが、相手は弁護士ではなく複数の一般市民で、しかも内容は一言一句変わりません。
元の文章はとあるブログにあり、管理者は『この国のジャスティス』を名乗っていました。
扇動主は請求者の情報が相手に知られないと書いていますが、それは嘘で、御子柴には請求者全員の情報が届いています。
そこで御子柴は請求者全員に名誉棄損、業務妨害、損害賠償を請求することに決めますが、それらの作業を行うのは事務員の洋子であり、彼女にとって多忙な日々が始まります。
食事
事務所に請求者から抗議の電話がかかってくるようになり、中には洋子を脅迫するものまでありました。
そんな中、洋子は知人の紹介で知り合った知原と食事をします。
知原は外資系コンサルタントで羽振りがよく、洋子に好意を持っていることは明らかでした。
結婚相手として世間一般からすれば申し分ない相手ですが、洋子はどうしてもその気になれず、この日も食事だけで分かれます。
しかし、この後事件が起こります。
逮捕
翌日、事務所に警察官が現れ、知原が遺体で発見されたことを告げると、洋子に任意同行を求めます。
御子柴が不在ということもあり、洋子は動揺した隙をつかれて不用意な反応をしてしまい、彼らに連れていかれてしまいます。
警察は現場に残された凶器に洋子の指紋が残されていることから彼女に殺人の容疑をかけていて、洋子はそのまま逮捕されてしまいます。
事態を知った御子柴は、洋子が殺人を犯したどうかに限らず、彼女を解放することを宣言しますが、調査をする中で知ります。
自分が、洋子のことを何も知らないことを。
御子柴は少しずつ状況を把握していきますが、その中で洋子の過去が明らかになり、事件の全貌が次第に見えてきます。
感想
安定したクオリティ
冒頭から御子柴らしい考え、彼に降りかかる厄介ごとが描かれ、すぐに物語に引き込まれました。
シリーズものということで、設定を把握しているからこその没入感の早さというのもありますが、読者心理を徹底的に分析した構成が感じられました。
さすが中山七里さん。
エンタメ性、ミステリ性ともに高いレベルで維持されていて、これまでのシリーズ作を読んできた人であれば満足できること間違いなしです。
ディティールがくっきりする
本書では、洋子が物語の中心になります。
いつも御子柴の無理難題を文句も言わずこなし、シリーズになくてはならない存在にまで成長していましたが、そんな彼女のことをほとんどよく知らないことを読者は突きつけられます。
冒頭、過去のあるシーンが描かれ、洋子の素性はなんとなく分かりますが、ではそんな彼女がなぜ御子柴の側にいるのか。
狙いは何なのか。
どんな気持ちで一緒に仕事をしていたのか。
疑問が次から次に湧き上がり、読者はその疑問を抱えながら読み進めることになります。
明かされた事実は予想を裏切らない、悪くいえば予想の範囲内のものでしたが、エンタメとして妥当な結末で、それでがっかりするということはありませんでした。
むしろ洋子という人物のディティールがよりくっきりとして、もはや彼女なくしてシリーズが成り立たないことを証明した一冊だったと思います。
あとは御子柴の洋子に対する考え、気持ちが丁寧に描かれていて、それも良かったです。
事務員として洋子を評価しているだけでなく、一人の人間としても彼女のことを大切にしていることが分かり、過去の罪を背負った上で正しく生きていることが嬉しかったです。
おわりに
期待通りの、文句なしに面白い作品でした。
御子柴の背景からくる事件があらかた片付いたという印象がありますが、一方でどうとでも事件に発展しそうだなと感じる火種がいくつもあり、シリーズとしてまだまだ盛り上がりそうです。
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