『封印再度』あらすじとネタバレ感想!謎の家宝と死の関係とは?
50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。2つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。
Amazon商品ページより
S&Mシリーズ第五弾となる本書。
今回はミステリというよりも、家宝に関係する謎を理系的な知識で紐解いていくところが興味深かったです。
現実的かどうかは別として、それを事件に絡めている点も面白く、本シリーズならではの展開が良かったです。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
謎
犀川の妹・儀同世津子は仕事で近くに寄ったため、友人である萌絵に会いにきました。
世津子は萌絵が喜ぶ話を持ってきたとして、友人で漫画家である香山マリモの名前を出します。
香山家には代々伝わる壺があり、中に銀の鍵が入っています。
しかし、元々は壺の中に鍵など入っておらず、どこかの時点で中に鍵が入っていました。
つまり、鍵を中に入れた状態で壺を作った、という理屈は成立しません。
さらに鍵を中にいれたマリモの祖父・風采は自殺していて、部屋の中は密室で、今でも謎のままです。
結局、壺にまつわる謎は誰にも分からない状態でした。
調査
萌絵は犀川の研究室に所属している上級生・浜中に壺の件を話すと、彼は以前、香山の屋敷を調査したことがあると明かします。
正確には浜中の友人の付き添いですが、萌絵は浜中を誘い、香山家を見学することにしました。
先ほどの壺は『天地の瓢』といい、もう一つ、『無我の匣』という鍵箱もあり、壺に入っている鍵が無我の匣を開けるためのものではという推測がありますが、真偽のほどは定かではありません。
萌絵が見ても、どうやって壺の中に鍵を入れたのかは分からず、香山家の人の話を聞いても、誰も真相を知りませんでした。
事件
一方、愛知県警の鵜飼に岐阜県警からの応援要請がきます。
香山風采の息子でマリモの父・林水が香山家で亡くなっているのが発見されたのだといいます。
風采の時に愛知県警も捜査に携わっていて、その関係での要請でした。
鵜飼は萌絵から風采の件の資料を請求されていて、事情を把握していたため、事件に関与するようになります。
また同じタイミングでマリモは自動車の事故にあっており、林水の件との関係性や、過去に起きた事件との関連性が疑われます。
感想
ミステリらしい導入
本書はこれまで以上にミステリ的な導入だなと感じました。
事件とは関係がなさそうな話。
そこに事件が起きて、主人公たちが聞いた話と関係しているということで、自動的に事件に巻き込まれていく。
萌絵の知り合いが建築という観点から以前に調査したことあるというのも、話が繋げる設定としてとても自然でした。
一方で上述した通り、事件を解く方法は非常に理系的で、ミステリからそちらに収束していく流れも読んでいてとても面白かったです。
人間的な犀川
本書はこれまで以上に犀川の人間的な部分が見られたかなと思います。
特に萌絵との関わりにおいては犀川自身も理解できていない感情や思考に振り回されていて、単なる冷徹な人間ではないことがよく分かります。
一方で萌絵も勢いだけでなく、時にしおらしくなるところがあり、二人が組み合わさることで微笑ましくもじれったい、絶妙な距離感やスピード感が生まれていました。
恋愛まみれになりそうで、ちょっとしたやり取りで感じられる幸福感は恋愛だけでは語れないほど複雑で豊かで、S&Mシリーズでしか摂取できない成分を改めて実感しました。
僕は推し活という感覚がしっくりきていないのですが、これが尊さなのかもしれませんね。
おわりに
森博嗣さんの作品はタイトルもオシャレで、読み終わってから本棚に入れて背表紙を眺めるだけでも幸せです。
現在、記事を書くように再読しているわけですが、何回読んでも初読のように面白いのはコスパが良いし、作品が面白くてかつ僕との相性も良いのかもしれません。
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