『フルメタル・パニック! アナザー12』あらすじとネタバレ感想!
オルカンの駆る〈トゥリヌス〉が放つ未知なる『力場』は、達哉たちの攻撃すべてをねじ曲げる――自らの幻影に打ち勝たんとする達哉だったが、強大な危機は遙か故郷「東京」に迫っていた――!!
Amazon商品ページより
シリーズ最終巻となる本書。
最後の決戦は予想外の連続で、苦戦を強いられる達哉たち。
それでも諦めない彼らの先に、どんな結末が待ち受けているのか。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
苦境
ガルナスタン共和国の首都・ガルナバシュ。
その大統領宮殿の地下にある巨大な地下シェルターに潜り込んだ達哉たちですが、現在はそれぞれが分かれた状態で、それぞれが苦境に立たされていました。
アデリーナ、菊乃はトゥリヌスの謎の力(本編では正式に明かされていませんが、ラムダ・ドライバのこと)でASを破壊され、生身で達哉との合流を目指しています。
一方で、達哉はオルカンの駆るトゥリヌスと激戦を繰り広げていました。
勝ち筋
達哉は苦戦していました。
トゥリヌスの攻撃は、かするだけでも達哉のレイブンを大きく損傷させ、その常識では考えられない事象が達哉を混乱させます。
加えて攻撃さえも謎の力場に防がれ、勝ち筋などに皆無に思えました。
ところが、達哉が足搔く中で届く攻撃もあり、そこから謎の力場に対する攻略法を築いていきます。
弱点
ラムダ・ドライバは対象を認識することではじめてその効力を発揮します。
逆をいえば、オルカンが認識できない攻撃であればラムダ・ドライバによる力場を展開できないため、場合によっては攻撃を避けないと致命傷になりかねません。
達哉はオルカンの挙動から何となくその事実を察し、そこから戦況を覆したはじめます。
こうして戦いは達哉に傾き始め、勝負の行方が次第に見せてきました。
ところが、戦いはこれだけでは終わらず、達哉は自分の幻影と決着をつけるために最後の戦いに挑むことになります。
感想
最後にふさわしい戦い
絶望するほどの圧倒的な戦いで、最終決戦にふさわしい苛烈さでした。
その中で新人だった達哉は技術だけでなく、メンタル面でも大きな成長を見せ、アデリーナたちですら対処できなかった事態をその手で解決していきます。
出来過ぎ感は否めませんが、フルメタは単なるミリタリーではなく、ファンタジー要素も十二分に含んで成立している作品なので、このバランスは許容範囲かなと思いました。
無敵に見えるラムダ・ドライバもしっかり弱点があり、達哉に付け入る隙が残されている点もフェアで、どちらに転ぶか分からない戦いが楽しめました。
見せ場があっても良い
達哉は主人公として見せ場がこれでもかと用意されていました、アデリーナをはじめ、ここまで一緒に戦ってきた仲間にももう少し見せ場があっても良かったのかなと感じました。
特にアデリーナ。
無印と違い、今回はヒロインも戦場に立てるだけの力量があるので、もう少し戦況を二人で乗り越える展開でも良かったのでは、というのが正直なところです。
最後の方はアデリーナが完全に単なるヒロインと化していて、無印とは違った主人公・ヒロインの立ち位置があまり活かされなかったなという印象があります。
まあ、話を綺麗にまとめるという点で本書の構成は正解だとも思っているので、難しいところではありますが。
ただ内容には大満足しているということだけはしっかり記載しておきます。
おわりに
はじめは無印を読んだから、という惰性に近い感覚で読み始めましたが、次第に読むペースが圧倒的に上がり、どんどんその世界に飲み込まれていきました。
達哉とアデリーナの結末も納得のいくもので、二人の幸せな未来を想像するだけで幸せです。
番外編であるSSもあるので、フルメタの世界はまだ終わりません。
次の話はこちら。
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