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『おせっかい屋のお鈴さん』ネタバレ感想!あらすじから結末まで!

harutoautumn
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杜の都、仙台で暮らす村田カエデ27歳。ぽっちゃり体型の優しい彼氏あり。地元の信金勤務の平凡な人生を送っていた―お鈴さんに出会うまでは。彼女は超がつくわがままお嬢さま。さらに問題なのは幽霊であること!?でもお人好しで憎めない、変わった幽霊なのだ。困った人を放っておけず騒動ばかり引き起こす。今日もカエデたちを巻き込み大騒ぎに!?楽しく笑い、ほろりとさせられる。読んだ後に優しい気持ちになれる物語。

「BOOK」データベースより

堀川さんの作品を読むのは、イタコ千歳シリーズ二作に続き、これが三冊目になります。

まあ、これまでの作品の感想は良かった程度で、内容をほとんど覚えていなかったので、作者買いというわけではありません。

肝心な内容ですが、幽霊を題材に扱った近年ではあまり珍しくない設定で、表紙の印象もあって文芸とライトノベルの中間くらいかな? という気持ちで手に取りました。

読んでみてその印象に変わりはありませんが、登場人物の個性、掛け合いがとにかくいい味を出していて、読んで正解でした。

こういう類いの小説であれば、不幸な主人公が幽霊との交流を通じて幸せになっていくというのが主流だと思っていましたが、本作はそうではありません。

人間側の主人公であるカエデは仕事は順調、優しい彼氏のこんちゃんがいて、現状に満足しています。

しかし、そこにお鈴さんなる幽霊がトラブルを持ち込み、平穏はいともたやすくぶち壊していきます。

いくら美しいとはいえ、超わがままなお鈴さんの相手をするのは大変なことです。

カエデはなんとしても彼女の魔の手? から逃れようと依頼をこなしていきますが、そこでだんだんとお鈴さんの良いところを見つけて、なんだかんだいって一緒にいることに喜びを見出だしていきます。

この距離感が馴れ合いとも違っていて、いつの間にか癖になっているです。

この記事では、そんな本書の魅力をご紹介したいと思います。

ネタバレが含まれますので、未読の方はご注意ください。

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第一話 うらめしや

主人公である村田カエデが両親の離婚により二歳の時に別れ、亡くなった父からの手紙によって本当寺に訪れるところから物語は始まります。

本当寺で安政元年に亡くなった幽霊・お鈴さんとその番頭、重兵衛に憑りつかれ、カエデは彼女に協力させられるはめになります。

お鈴さんの目的とは、彼女と結婚するはずだった力弥と彼をたぶらかして駆け落ちしたおナミの子孫を見つけ、祟ることです。

当然、カエデはこんなことに付き合いたくないのですが、お鈴さんはカエデの夢に現れてはトイレを塞いで、尿意のこみ上げるカエデを追い詰めるという卑劣な手段をとってカエデを無理やり協力させます。

しかも、偶然か運命なのか、カエデの勤める銀行の、それもカエデの担当する窓口に力弥の子孫が現れ、個人年金を申し込んでいくのです。

さらにさらに、その妻がおナミの子孫。

カエデはこの事実をお鈴さんに内緒にしていましたが、あっさり見破られ、彼らの人生もこれまでかと思われました。

しかし、おナミの子孫である奈美が産気づいてカエデが困っていると、お鈴さんが幽霊なれではの力を使って産婦人科まで連れて行ってくれたのです。

その甲斐もあって元気な女の子が生まれ、名前は鈴になりました。

これも運命なのでしょう。

結局、お鈴さんは祟るのをやめました。

わがままで口が悪いけど、本当はお人好しなのです。

第二話 彼女の恋は

お鈴さんの目的は達したように見えましたが、彼女はまだ成仏しません。

むしろ、またお節介を重ねます。

今回の相手は、室井泰平というおじいちゃんです。

彼は彦星文庫という貸本屋を営んでいますが、先に妻に先立たれ、本当寺にある妻の墓地を訪れた時にお鈴さんと知り合い、食卓を囲むような仲になりました。

ある日、泰平の息子である健司が彦星文庫を畳むように持ち掛けてきます。

泰平はこれに反対しますが、その裏には健司が職場の若い女性にちょっかい出していることで妻との仲が険悪になっていて、妻の機嫌をとりたいという意図がありました。

しかし、問題はそれだけではありませんでした。

健司のちょっかい出している坂田あおいには他に好きな人がいるが、その男は明らかな詐欺師だったのです。

泰平はその事実を健司に伝え、お鈴さんに重兵衛、カエデにその彼氏のこんちゃんの助けも借り、なんとか詐欺を未然に防ぐことが出来ました。

お鈴さんを中心として、人の仲が広まっていくのが楽しめる話です。

第三話 親友だよね

カエデには小学校からの親友(勝手にそう思われているだけ)である中山千佳がいますが、彼女は小学校の教え子の事故死、そして事故の原因は千佳にあると周囲から責められ、部屋に引きこもってしまいます。

しかも、千佳の持つ市松人形がしゃべるのだという。

親友と思われている手前、断れないカエデは千佳の家に赴き、その市松人形を回収して本当寺の住職に預けます。

しかし、事態はそれで終わらず、今度はカエデが祟られてしまいます。

メリーさんばりの迫力で迫る霊。

その正体は、千佳の生き霊でした。

なんとかお鈴さんのアドバイスによって撃退し、千佳もたちまちに回復するのでした。

お鈴さんとは違う、人に害をなす霊の怖さが際立つ話で、メールが何度もくるシーンは肝が冷えました。

第四話 さよならのかたち

ある日、上司の仕事の事情によって、急遽、大口の取引先の息子とお見合いをするはめになるカエデ。

しかも、相手の滝本克彦は父親を油断させるためにお見合いをセッティングしたことを明かし、彼に強制的に協力させられることになります。

事情を知っているとはいえ、やきもきするこんちゃん。

しかも話はなぜかカエデの父のことになり、父の再婚相手まで出て来て、話が二転も三転もします。

最後の克彦が東京に行くまでのやりとりはまさにドタバタコメディで、堀川さんのキャラクターたちが本当に生き生きしていました。

おまけ劇場『お鈴さんの恋人』

文庫本に収録されたおまけ。

演劇の台本のような形式をとっていて、一番コメディ要素が強くなっています。

心の暖まる話も良いですが、このコメディ要素が本書の強みだなと、改めて感じさせられる話でした。

おわりに

こんちゃんが作中で言ったことではありませんが、本書を見ればそこに息づく人物たちの暮らしがよく分かる、そんな作品になっています。

肩肘を張らずに心を暖めたい。

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