『ダ・ヴィンチ・コード』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!
ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。死体はグランド・ギャラリーに、ダ・ヴィンチの最も有名な素描〈ウィトルウィウス的人体図〉を模した形で横たわっていた。殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーヴァード大学教授ラングドンは、警察より捜査協力を求められる。現場に駆けつけた館長の孫娘で暗号解読官であるソフィーは、一目で祖父が自分にしか分からない暗号を残していることに気付く……。
館長が死の直前に残したメッセージには、ラングドンの名前が含まれていた。彼は真っ先に疑われるが、彼が犯人ではないと確信するソフィーの機知により苦境を脱し、二人は館長の残した暗号の解明に取りかかる。フィボナッチ数列、黄金比、アナグラム……数々の象徴の群れに紛れたメッセージを、追っ手を振り払いながら解き進む二人は、新たな協力者を得る。宗教史学者にして爵位を持つ、イギリス人のティービングだった。
ティービング邸で暗号解読の末、彼らが辿り着いたのは、ダ・ヴィンチが英知の限りを尽くしてメッセ―ジを描き込んだ〈最後の晩餐〉だった。そしてついに、幾世紀も絵の中に秘され続けてきた驚愕の事実が、全貌を現した! 祖父の秘密とその真実をようやく理解したソフィーは、二人と共に、最後の鍵を解くため、イギリスへ飛ぶ――。キリスト教の根幹を揺るがし、ヨ―ロッパの歴史を塗り替えた世紀の大問題作!
Amazon内容紹介より
日本でも大ヒットした、言わずと知れた名作です。
美術、宗教、歴史がミステリーに密接にかかわり、そのスケールの大きさは圧巻でした。
ただ普段聞きなれない事柄も多く、一度見ただけではなかなか内容が入ってこないという人もいるかと思います。
そこでこの記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。
ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。
またこの記事はあくまで『本』を元に書いているので、『映画』とは異なっている点もあるかと思います。
ご了承ください。
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あらすじ
上巻
変死体
ハーヴァード大学教授のロバート・ラングドンは講演会のためにパリに来ていました。
講演を終えてホテルで休んでいると、彼の客室にアメリカのFBIにほぼ相当する司法警察中央局(DCPJ)の警部補が訪れ、彼に一枚の写真を見せます。
そこには、本当は今夜、ロバートが会うはずが姿を見せなかったルーブル美術館館長、ジャック・ソニエールの死体が写っていました。
しかもただの死体ではありません。
ソニエールは死ぬ間際、自分の体を使ってとある記号を作り出していました。
DCPIはロバートがソニエールと会う予定であったことを掴み、また宗教象徴学に詳しい彼に意見を求めてやってきたのです。
ロバートは警部補に案内され、ルーブル美術館に向かいます。
そこでは警部のベズ・ファーシュが待っていて、ソニエールの死体にたどり着くまでに事件の概要を説明します。
ソニエールは何者かに襲撃され、システムを作動させてセキュリティ・ゲートを下げることで襲撃者が近づくことを防ぎますが、鉄格子の間から拳銃で腹を撃たれます。
それでも死ぬまで数十分の猶予があり、ソニエールはその間に今回のような細工をしたのだといいます。
ロバートは実際のソニエールの死体を目の当たりにし、その異様さに恐怖を覚えます。
さらに以下のような暗号が残されていました。
13―3-2-21-1-1-8-5
O, Draconian devil!(おお、ドラゴンのごとき悪魔め!)
Oh, lame saint!(おお、役に立たぬ聖人め!)
初めは意味が分からないロバートですが、やがてソニエールが自らの体を利用してレオナルド・ダ・ヴィンチの『ウィトルウィウス的人体図』を表していることに気が付きます。
それでも暗号の意味が分かりませんが、そこで突然、暗号解読班のソフィー・ヌヴーが現れ、暗号が解けたといいます。
またアメリカ大使館にロバート宛のメッセージが届けられるといい、ここに電話してほしいと一枚の紙きれを渡します。
困惑しながらもロバートが電話を掛けると、留守電でソフィーの声がします。
何かの間違いかと思いますが、ソフィーに言われて紙に書いてある暗証番号を打ち込みます。
すると一つのメッセージを聞くことができ、相手はソフィーでした。
そして、彼女は言います。
彼がこの殺人の第一容疑者になっていると。
容疑と逃亡
ファーシュに聞かれないようにメッセージを聞くと、メッセージに従ってトイレに行きたいと申し出て、ファーシュと離れます。
少ししてソフィーも合流し、ロバートは詳しい事情を聞きます。
実はロバートの上着のポケットには発信機が入っていて、彼の行動は全て筒抜けでした。
さらにこれまでの会話も向こうの司令部に聞かれているといいます。
なぜ、ロバートが疑われているのか。
それはソニエールの残したメッセージにありました。
実はロバートが見る前に消された四行目があり、そこには『P.S.ロバート・ラングドンを探せ』と書かれていて、彼らはそれを元にロバートを疑っているのです。
そして、ソフィーはこの事件にロバートが巻き込まれたのは自分のせいでもあるといい、正体を明かします。
彼女は、十年前に仲違いしたソニエールの孫でした。
そして『P.S.』は追伸ではなく、ソニエールがよく口にした『プリンセス・ソフィー』の頭文字でした。
ソフィーはロバートの無実を信じていますが、調べるにもまずはここから抜け出さないといけません。
そこでソフィーは発信機をトイレにある石鹸に埋め込むと、窓から外に投げて移動する車の荷台に乗せます。
これでファーシュたちは急に動き出したGPSの反応に驚き、慌ててそちらを追いかけます。
彼らがいなくなった後、二人はここから脱出するつもりでしたが、途中でロバートは気が付きます。
上の数字は並べ替えると『1-1-2―3-5-8-13-21』とフィボナッチ数列になり、下の文字もこれに対応して並べ替えます。
すると『Leonardo da Vinci! The Mona Lisa!』になります。
そこで二人は脱出をやめ、館内に飾られたモナリザを見に行きます。
ここでもロバートは、『P.S.』がソフィー以外のことも表していることに気が付き、それにはソフィーにも思い当たる節がありました。
『プリウレ・ド・シオン』、通称シオン修道会と呼ばれる地上最古の秘密結社の名前で、ロバートはソニエールがシオン修道会の会員だと確信していました。
ソフィーの記憶には『P.S.』と百合の花があり、それもシオン修道会を表すものでした。
さらに会員にはかつての偉人が多く含まれていて、その中にダ・ヴィンチもいました。
モナリザを調べると、ガラスケースに『SO DARK THE CON OF MAN(人の欺瞞はかくも邪悪なり)』と書かれています。
それはシオン修道会の基本理念の一つでした。
次のメッセージについて考えていると、戻ってきた警備員に取り押さえられそうになりますが、ソフィーはメッセージの意味に気が付き、『岩窟の聖母』を調べます。
すると裏側に百合の紋章と『P.S.』と刻まれた金色の鍵が見つかり、かつてソニエールにある箱の鍵だと教えられたことを思い出します。
ソフィーが六百万ドルもする『岩窟の聖母』を盾にして二人はその場を逃げると、ソフィーの車で走りだします。
車内で、ロバートもようやく暗号に気が付きます。
『SO DARK THE CON OF MAN』を並び替えると『MADONNA OF THE ROCKS』となります。
ロバートたちは追手から逃れるためにわざとクレジットカードで列車の切符を購入し、捜査をかく乱します。
一方、鍵が開けられる箱に思い当たる節はありませんが、鍵にブラックライトを当てると『24 RUE HAXO(アクソー通り二四番地)』と書かれていました。
そこに向かう途中、ロバートはシオン修道会についてソフィーに説明します。
シオン修道会は、ソロモン王の神殿跡に建てられたヘデロ王の神殿の廃墟にある文書が隠されていることを突き止め、その文書は十字軍の指揮官でシオン修道会を創設したゴドフロフ・ド・ブイヨンが伝えた秘密の正しさを裏付けているのだといいます。
手に入れれば絶大な影響力を持つゆえに、シオン修道会は武装集団『テンプル騎士団』を組織し、文書かどうかは別として、何かを廃墟から見つけ、計り知れないほどの富と権力を手に入れます。
その見つけたものの行方を知っているのはシオン修道会だけで、現在はイギリスにあると言われています。
また文書とその力、秘密を合わせて『サングリアル』と呼ぶようになり、現在では『聖杯』と呼ばれています。
キー・ストーン
また同時進行で、シラスという男が伝説の要石(キーストーン)を求めて暗躍しています。
彼は秘密を知る四人からパリにあるサン・シュルピス教会にあることを聞きだし、その後殺害。
彼の背後には、近年になって大きな力を持つようになったオプス・デイという組織がついていました。
オプス・デイの取り計らいによって夜にもかかわらずシラスは教会に入ることができ、祈りを捧げるふりをしながらキーストーンと呼ばれる石板を探し当てます。
そこには聖書の一節を指し示すページ数が書かれていて、シラスは聖書を見て確認します。
しかし、そこに書かれていたのは秘密ではなく、『ここまで来るはよいが、先へ進むべからず』という言葉だけでした。
一方、秘密を探る来訪者を予期していた教会の教えに従い、シスターは四人に電話を掛けますが、四人はシラスによって殺害された後でした。
ここを教えたのは嘘の情報を掴ませるためで、他の仲間に危機を知らせるためのセキュリティでした。
シラスはシスターが誰かに連絡をする前に問い詰めますが、彼女は何も知らず、その場で殴り殺されるのでした。
中巻
金庫に保管されたさらなる謎
二人が目指した住所にあったのは、チューリッヒ保管銀行でした。
つまり、この鍵は貸金庫を開けるためのものです。
二人は案内に従って中に進みますが、警備員は二人が逃亡者であることに気が付き、知らないふりをして支配人とインターポールに通報します。
二人は金庫に鍵を差し込みますが、そこで口座番号を求められます。
番号が分からずに途方に暮れていると、そこに支店長のアンドレ・ヴェルネがやってきて、警察が来る前に二人を追い返そうとしますが、ソニエールの死を知って驚愕します。
彼は、ソニエールの親しい友人でした。
事情を知り、ヴェルネは二人に協力してくれますが、口座番号は本人しか知りません。
途方に暮れる二人ですが、ふとソニエールが死ぬ間際に残した数字を思い出し、それをフィボナッチ数列に並べ替えて入力します。
すると金庫が開きますが、中には聖杯は入っておらず、代わりに大きな木箱が出てきます。
中を確認しようとしますが、そこに警察が到着。
二人はヴェルネが運転する装甲トラックになり、間一髪で銀行から逃げ出します。
移動中、薔薇の細工の箱を開けると、中から大理石で作られた円筒が出てきます。
それはソニエールが自作したもので、クリプテックスと呼ばれるものです。
元々はダヴィンチが設計したもので、五文字のダイヤルを正確に揃えた時、開きますが、無理やり開けようとすると中に入ったビネガーが飛び散り、秘密が書かれたパピルスが溶ける仕組みになっています。
ロバートは、薔薇の印の下にあることからこれをキーストーンだと推理。
そこには、聖杯の隠し場所が示されているといいます。
さらに驚くべきことに、ソフィーの過去の経験から、ソニエールがシオン修道会の総長だったと判明。
ソフィーは幼い頃から、秘密を引き継ぐ資質があるかを試すために、知らず知らず今回のような試練を幾度も与えられていたのです。
一方、ソニエールの他にも三人が殺害されたことを知ったヴェルネは、二人の身柄を確保して警察に突き出そうとしますが、二人はこれをかわし、トラックを奪って逃走。
二人はようやく、どうしてソニエールが必死になってこれをソフィーに託したのかを知ります。
ソフィーが運転する中、ロバートは思いつく単語を入れてみますが、キーストーンは開きません。
開くには助っ人が必要だと思い、ロバートは知り合いをたずねることにします。
強力な助っ人
ロバートが助っ人として選んだ相手。
それは、英国王立歴史学芸員であり、宗教史に詳しいリー・ティービングでした。
深夜の訪問でしたが、聖杯のことで相談があると執事に伝えると、リーは二人を迎え入れてくれます。
リーはまず初めに、何も知らないソフィーに聖杯について説明します。
彼が見せたのは、カラー写真の『最後の晩餐』です。
そこには、イエスの前に聖杯が置かれているはずなのに、どこにも描かれていません。
しかし、それはダヴィンチの書き忘れではありません。
聖杯とは、人を表していたのです。
女性は∨(正確にはもっと角度が緩い)という記号で表され、それは杯と呼ばれます。
そして聖杯は最後の晩餐のイエスの右隣に描かれた女性のことを指し、彼女はマグダラのマリアでした。
そして、マリアは王族であり、同じく王族であるイエスと婚姻関係にあり、なんと子どももいました。
聖杯伝説はこの王家の血について語っています。
San Greal(聖なる杯)は区切る場所を変えると、Sang Real(王家の血)となります。
途中、リーに事情を黙っていたことで怒らせますが、しっかりと説明して味方になってもらいます。
ソニエールだけでなく三人の参事にまでたどり着いたことから、相手は教会だと推理。
彼らは文書が明るみに出るのを防ぐために切羽詰まっていました。
襲撃と逃亡
ソフィーとリーがクリプテックスの開け方について考えている一方、部屋の離れた場所でロバートは別のものに注目していました。
木箱に見たこともない言語の四行の文が書かれていて、ロバートはそれについて考えを巡らせていましたが、背後から何者かによって殴られます。
相手は、シラスでした。
シラスはロバートたちが持っているものがキーストーンだと分かった上で、ソフィーとリーに渡すよう脅しをかけます。
しかし、隙を見つけて逆に撃退。
縛って拘束します。
ところが、安心する間もなく警察が到着し、三人は執事のレミー、拘束されたシラスを連れて気づかれないよう車で脱出。
キーストーンに示された場所を予測し、リーの所有する飛行機でイギリスに向かいます。
一方、ロバートはなぜソニエールが自分を探すようソフィーに指示したのか、またファーシュがなぜ自分を疑うのかについて閃きます。
出版社に確認すると、ロバートの出版予定の本の推薦文を書いてもらうために、原稿を何人に送っていて、そこにソニエールが含まれていました。
ソニエールはその原稿を見て、ロバートがこの謎を解く上で頼りになると思い、ファーシュはロバートがソニエールに原稿を送ったと勘違いしたことで、彼を疑っていたのです。
飛行機が離陸すると、三人は改めて木箱に記された文字の解読に移ります。
気が付いたのはソフィーで、文字を反転させることで英語が浮かび上がります。
そこには、こう記されていました。
古の英知のことばがこの巻の封を解き
離散せる一族を集める助けともなろう
テンプル騎士の讃えた墓石が鍵となり
アトバシュが汝に真実を明かすだろう
解読に向けて前進しますが、テンプル騎士の讃えた墓石に書かれたものを解読しないと先に進めないと判断。
一旦、保留となります。
またここで、ソフィーがソニエールと関係を絶った理由に、ロバートが気が付きます。
それは『聖なる婚姻』という儀式で、男性が女性に肉体的に結合することで、絶頂することで一瞬頭が真っ白になり、その時に神を見ることができるというものです。
知識がなければそれだけでもショックなものですが、ソフィーが一番ショックを受けたのは、儀式の中心で女性と繋がる男性、それがソニエールだったからでした。
しかし、ロバートのおかげで誤解が解け、ソフィーはなぜ関係を絶ってしまったのだと後悔するのでした。
下巻
さらなる謎
飛行機が到着する間際で、ロバートは気が付きます。
墓石とはヘッドストーン、つまり石の頭のことを指していて、テンプル騎士団は石の頭の彫刻に祈りを捧げたといわれています。
それは異教の神、バフォメットです。
つづりはBaphometですが、これをアトバシュ暗号で解くと、SOFIAの文字、つまり古の英知が浮かび上がります。
ソフィーはこの文字でクリプテックスを開けますが、出てきたのはさらに小さいクリプテックスでした。
そこにはまたしても暗号を解くためのヒントが書かれていました。
空港に到着しますが、すでに警察が待ち構えていました。
しかし、リーの機転によってその場を潜り抜け、一行は次の目的地に向かいます。
取り出したクリプテックスには羊皮紙が巻かれていて、そこにはこう書いてあります。
教皇の葬った騎士がロンドンに眠る
彼の者の労苦の果は神の怒りを被る
その墓を飾るべき球体を探し求めよ
それは薔薇の肉と種宿る胎とを表す
リーはこの文章から、教皇が殺した騎士が埋葬されているテンプル教会が目的地だと推理し、一行はそこに向かいます。
しかし、そこには何もありませんでした。
本当の敵
それどころか、執事のレミーがシラスを解放してしまいます。
彼はシラスと同じ導師に仕えるもので、リーからの情報を導師に流していたのです。
二人はリーを人質にとり、クリプテックスを持って逃走します。
一方、警察の調査により、リーの屋敷には盗聴できる拠点があり、その対象はソニエールたち四人の参事でした。
ロバートたちは先に墓を見つけようとキングズ・カレッジに向かい、電子データベースから関連する情報を見つけようと検索をかけます。
そして、サー・アイザック・ニュートンが葬られているウェストミンスター寺院を見つけ、向かいます。
そこでリーを預かっているという伝言を見つけ、二人は指示された場所に向かいます。
そこで待っていたのは、こちらに拳銃を向けるリーでした。
彼こそが導師だったのです。
すでにレミーは彼によって始末された後でした。
リーは聖杯を闇に葬るために行動をしてきて、ソフィーの両親、祖母、弟の死も事故ではなかったといいます。
彼はまだパスワードが分からないため、クリプテックスをロバートに渡し、ソフィーを解放する代わりに謎を解くよう要求します。
ロバートはいまだに謎が解けずにいましたが、ふいに気が付き、リーの隙をつくためにクリプテックスを宙に放り投げます。
リーはこれを慌ててキャッチしますが、勢い余って転倒し、クリプテックスを落として中のパピルスを溶かしてしまいます。
しかし、クリプテックスにはAPPLEと並べられていて、ここでロバートがすでに中身を抜き取った後だということを知ります。
そこにファーシュたちがやってきて、ロバートとソフィーの無罪を認めた上で、リーを逮捕します。
真実
ソニエールの最後のメッセージ。
そこにはこう書かれていました。
聖杯は古のロスリンの下で待ち
その門を剣と杯が庇い護る
匠の美しき芸術に囲まれて横たわり
ついに星の輝く空のもとに眠る
それに従い、二人はロスリン礼拝堂に向かいます。
ソフィーは以前にもここに来たことがあるといい、またガイドの青年はロバートの持つ木箱を見て、祖母が全く同じ箱を持っているといいます。
そこでソフィーは礼拝堂の管理者が住む司祭館に足を向けると、老女がソフィーを出迎えます。
彼女は、死んだはずの祖父であり、ガイドは死んだはずの弟だったのです。
ソフィーの両親が死んですぐ、祖母と弟は死んだことにして、隠れて暮らしていたのです。
家族の時間をとった後、ロバートは祖母に聖杯のありかを聞きますが、もうここにはないといいます。
結局、聖杯の行方は分かりません。
しかし、ソフィーにはまだ二人の家族がいました。
そして、ロバートとソフィーは互いの好意を確認し、再会を約束するのでした。
結末
数日が経ったある日、ロバートは奇妙な思い付きで目を覚まし、パリの街路を歩きます。
そこにはパリの古のローズ・ライン(Rose Line)が引かれていて、ロスリン(Roslin)はこのことを言っていたのです。
ロバートはローズ・ラインに沿って歩くと、ルーヴル美術館にあるピラミッドにたどり着きます。
そこには逆さまのピラミッドが吊り下げられていて、その下には小型のピラミッドが上を向いています。
つまり、これが上が杯、下が剣です。
そしてロバートが見上げると、ガラス越しに星の輝く夜空が見えます。
ロバートは思い出します。
『聖杯の探求の目的は、マグダラのマリアの遺骨の前でひざまずくことだ。貶められ、失われた聖なる女性に心からの祈りを捧げるために、旅をつづけたのだよ』
ロバートの中で畏敬の念が湧き起こり、膝を突いて祈るのでした。
おわりに
数々の謎が一つに繋がっていくあの感動は忘れられません。
ただ僕の理解不足もあり、かなりの部分を省略して記事にしているので、気になる方はぜひ本書を手に取ってみてください。
また映画の方が面白いと思いますので、機会があればそちらもどうぞ。
本をお得に読みたい人には『Kindle Unlimited』をオススメします。
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