UVERworld『UNSER』収録曲を解説!彼らのシーズン2はここから始まる!
UVERworld自身を超える10枚目のアルバム!
Amazon内容紹介より
2020年に結成20周年、デビュー15周年を迎えるUVERworldの記念すべき10枚目のアルバム!
12月には東京ドーム2デイズ公演を控え、そのうち1日は男性限定ライブ、通称”男祭り”となり、日本記録を自身で更新する。
20周年を目前UVERworld、さらに拡がる。
前作『TYCOON』から二年四か月ぶりとなるオリジナルアルバムで、ベストアルバム『ALL TIME BEST』から数えると一年五か月ぶりのアルバムとなります。
後述しますが、明らかにこれまでの流れとは違ってきていて、その変化に喜ぶ人もいれば戸惑う人もいると思います。
UVERworldはアルバムの時点では楽曲は赤ちゃんの状態だといっているので、これからライブで育っていくことは間違いありませんが、まずは聞いてその耳で変化を感じ、楽しんでみてください。
この記事では、『UNSER』についてタイトルの意味や概要、収録曲の解説をしたいと思います。
先日、アルバムツアーが始まったばかりなので、ぜひ聴き込んで最高に楽しめる状態で参戦してみてください。
タイトルの意味
はじめにアルバムのタイトルの意味について。
ドイツ語の『UNSER(=俺たちの)』と英語の『ANSWER(=答え)』という二つの意味が込められています。
UVERworld六人がたどり着いた答えととれる一方で、もしかしたらこれまで彼らを応援してきたCrew(UVERworldのファンの通称)も含めての答えかもしれません。
アルバム全体について
シーズン2の始まり
雑誌等でボーカルのTAKUYA∞が言及していますが、彼が憧れていたアーティストの音楽を消化し、それを昇華させたのが『TYCOON』、『ALL TIME BEST』であり、シーズン1が終わりました。
そして、シーズン2の幕開けとなるのがこの『UNSER』です。
『Touch off』、『ROB THE FRONTIER』など速いテンポでダイブするような盛り上がりを見せる曲を得意としてきましたが、それはあくまで一部で、どちらかというとバウンドするような盛り上がりを見せる曲が多く収録されています。
系統でいくと『ODD FUTURE』、『EDENへ』などがそれにあたります。
決して盛り上がる曲じゃないけれど、パフォーマンスの仕方で盛り上げる。
そう意識した結果、音源としてはバンド感が薄れ、ロックとして物足りないと感じる人もいると思います。
しかし、ライブ音源のMVなどを見てもらえれば分かると思いますが、ライブではアレンジしてしっかりバンド感を出していますので、ご安心ください。
ポジティブになった
これまでもUVERworldは希望や愛、夢などポジティブな意味合いを持つ名曲を数多く生み出してきましたが、そこには不安や焦り、怒りなど負の感情も同時に含まれていました。
しかし、今作はそういった負の感情から解放され、自由気ままに音楽を楽しんでいる姿勢がひしひしと感じられました。
意見の合わない人の対立するのではなく、そもそも相手にしないで自分たちはこう思うからそれでいい、という潔さが見られます。
年上の方々に大変失礼ですが、こういった点において大人になったなと感じました。
大人だからできる遊び方というか、素直に憧れる生き方です。
個人的な感想
『TYCOON』の時に思ったことで、彰が制作においてなかなか気持ち的に乗れていない部分がずっと気になっていました。
よりバンド感を大事にする彼にとって、今でいうとTAKUYA∞や克也の目指す方向はなかなか受けいれられなかったのかもしれません。
しかし、『UNSER』の製作においてある時期から壁を乗り越え、気持ち良く製作に臨めたとコメントしていたので、ほっとしました。
TAKUYA∞にとって彰はギターヒーローであり、唯一無二の存在です。
いつもは寡黙で、けれどライブでは誰よりも熱いパフォーマンスを見せてくれる彰に期待しています。
もちろん、他の五人についても次に会える時が楽しみで仕方ありません。
収録曲
ここからは収録曲それぞれについて解説していきます。
曲順は『Touch off』、『ROB THE FRONTIER』、『ConneQt』、『One Last Time』、『stay on』、『Making it Drive』、『無意味になる夜』、『AFTER LIFE』、『EDENへ』、『GOOD and EVIL』です。
全曲ではありませんが、アルバムの雰囲気がなんとなく分かると思います。
01. Making it Drive
本作のリード曲で、アルバムのパンチを生み出すためにSEの『UNSER』ではなくこの曲が一番目に置かれました。
インスタグラムで、TAKUYA∞はジャンプの瞬間が気持ち良いと発言していて、MVからも音楽を自由に楽しんでいる様子が伝わってきます。
『EDENへ』から感じ始めた新しい要素が付加され、一曲目からアルバムの方向性を提示された気がします。
02. AFTER LIFE
とてもムードのある楽曲で、歌詞が心に染みわたります。
これを二曲目に持ってきたことで、アルバムの方向性が示されたような気がします。
寂しさを漂わせながらも、UVERworldがリスナーを見ててくれている。
特に彼らの音楽を追ってきたCrewに響く楽曲だと思います。
タイトルは『死後』という意味で、強く儚い覚悟を感じます。
03. Touch off
シングル曲。
詳しい解説はこちらの記事をご参照ください。
三曲目で今までのUVERworldの延長線にある楽曲が登場し、ちょっとホッとしました。
シングルとは違った聞こえた方がして、いい位置に収録されているなと感心しました。
04. 境界
無限の可能性を感じさせてくれる楽曲で、かっこいいというのが第一印象。
ライブが想像しやすく、今から楽しみで仕方ありません。
05. stay on
会場で大合唱したい楽曲。
深く考えず、体を揺らして楽しむのが正解が気がしました。
06. First Sight
アルバムの楽曲の中で最後に完成した楽曲。
TAKUYA∞のお願いで急遽、ギターソロをいれることになり、彰がかなり苦戦していました。
キラキラしていて、美しい楽曲。
でも温かみのあるキラキラで、一通り聞いて一番耳に残りました。
タイトルの意味は『一目で』です。
初めて会った時の気持ちを忘れてしまうから、その度に何度でも思い出して何年でも愛を伝え会おうよ。
『ConneQt』と違い、愛することを恐れないまっすぐさ、穏やかさが伝わってきて、人間としての積み重ねを感じました。
MVのショートver.が公開されましたが、これを見ると曲の印象ががらりと変わります。
見る人によって解釈が異なると思いますが、僕は女性同士の恋人の物語と捉えました。
曲やライブのMCで国籍や性別、年齢など関係ないと発信していますが、これは性別に捉われないより大きな愛なのかなと考えます。
だから今までの男女のラブソングでは消化不良だった人たちにも寄り添ってあげられる。
そんな楽曲だと思います。
07. ODD FUTURE
シングル曲。
詳しい解説はこちらの記事をご参照ください。
『First Sight』から続いてキラキラした楽曲で、非常に良い流れです。
アルバムを通して聴くと、これまでのUVERworldらしさが残っている方だと思えるのだから不思議です。
08. 無意味になる夜
自由奔放。
UVERworldらしさがすごい溢れています。
TAKUYA∞の感じ方がよく表れていて、思わず微笑みながら聴いてしまいました。
09. EDENへ
シングル曲。
詳しい解説はこちらの記事をご参照ください。
重低音が魅力的で、ライブでちゃんとした機材で聴くとより良い楽曲に仕上がると思います。
10. ConneQt
『Touch off』のカップリング曲。
詳しい解説はこちらの記事をご参照ください。
11. OXYMORON
曲名は『オクシモロン』と読みます。
意味は撞着語法という矛盾する言葉を並べ、言い回しに効果を与える修辞法のことです。
『ゆっくり急げ』などがそれに当たります。
矛盾してしまうことを肯定し、正しさはそれぞれ違うことを教えてくれます。
誰かの背中を押してくれる強さと優しさに溢れていて、バンド結成20周年を間近に控えたUVERworldだからこそ作れた楽曲だと思います。
12. One Last Time
タイトルの意味は『最後にもう一度』。
とても攻撃的。
そしてUVERworldの生き様をよく表しています。
人よりも進むスピードが遅いと話すUVERworldですが、それでも諦めない強い気持ちを持っていて、それが最大の強さだとライブでもよく話していました。
すでに一泡も二泡も吹かせていると思いますが、まだまだ止まるつもりはないことを改めて意思表示してくれています。
MVでは最近ライブ前に行っているTAKUYA∞と信人とのやりとりも映っていて、いつものMVよりもプライベート感が出ているように感じました。
13. ROB THE FRONTIER
シングル曲。
詳しい解説はこちらの記事をご参照ください。
このアルバムの中で一番バンド感が出ています。
アルバム通して聴くと、急にジャンルの違う音楽が流れてくるので何度聴いても新鮮で良いです。
14. GOOD and EVIL
シングル曲。
詳しい解説はこちらの記事をご参照ください。
この流れで聴くと、タイアップ作品とは違った意味合いでも聴こえてくるのが面白い。
15. UNSER
SEで、次のシングルやアルバムを感じさせたいという理由から最後に配置されました。
SEが最後を飾るのは3rdアルバム『PROGLUTION』以来となります。
これで一曲目に戻るとループになってずっと聴いていられます。
特典
初回限定盤には特典として2019年6月6日に沖縄で行われたUVERworld生誕祭のライブ映像がついてきます。
バンド結成19周年で、20周年まであと少し。
『UNSER』収録曲もいくつか披露されていて、DVDとしては初の映像化となる『Touch off』、『ConneQt』などもあります。
特に『EDENへ』、『ConneQt』について、盛り上がる楽曲でないのにUVERworldのパフォーマンスによって盛り下がらなかったのが印象的でした。
『UNSER』を軸においたライブの片鱗を見た気がします。
おわりに
感想が雑で申し訳ないです。
まだ数回聴いただけで、この気持ちをうまく文章に書けなかったので、抽象的ですが率直に思ったことを書きました。
東京ドームでの男祭りなど、まだまだ止まることを知らないUVERworldを象徴するようなアルバムでした。
僕はこの男祭りに参戦予定なので、参戦前に楽曲をしっかり体に染みこませて臨みたいと思います。
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