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『私の少年 8巻』あらすじとネタバレ感想!

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この巻から真修は高校生。

少しずつ聡子以外の人とのコミュニケーションがうまくなっている一方で、相変わらず聡子のことで頭が一杯です。

それが周囲にどのような影響を及ぼすのか。

本書にはそれが描かれています。

この記事はネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

第34話 時間

高校に合格した真修。

それ以降、特に聡子と約束をするでもなく、予定が会えば聡子の会社近くのカフェで合流し、それぞれの勉強に励みます。

一方、高校は真修と離れてしまった奈緒ですが、友達のりおんから真修の情報を入手し、偶然を装って毎週水曜日に会い、ほんの一時を楽しみます。

しかし、真修は知らない人から写真撮影を求められるほどその美形ぶりに磨きがかかり、うかうかしていられないのも事実でした。

そんな中、真修は偶然、奈緒の友だちから彼女のことを聞き、次に会った時に確信します。

奈緒は自分のことが好きなんだと。

第35話 露見

真修の父親と弟の遼一はゲームの体験会に行くことになりますが、行き先は聡子の勤めるヨネサス。

父親の許可があり、本社じゃないけれど聡子に会えるかもと真修もついて行きます。

しかし、会ったのは椎川でした。

椎川はにこやかに話しつつも、真修が今も聡子と会っていることに言及。

大人げなく聡子の癖や昔付き合っていたことなどを伝え、優越感に浸ります。

しかし、聡子は椎川のことが好きだったのかと聞かれ、今度は椎川が言葉に詰まります。

そうだと思いながらもその確信が持てず、むしろそうでないことを分かっているからです。

真修と別れた後、その苛立ちを露にするのでした。

第36話 記憶

回想で、椎川が兄に対してコンプレックスを抱いていることが分かります。

聡子は椎川と話す機会があり、改めて真修の父親に謝罪したいことを伝えます。

しかし、椎川から出てきた言葉は驚くべきことでした。

家庭に難があったことは真修の父親も椎川も理解していて、父親にとってヨネサスは大事な取引先で聡子の異動などを要求する立場にありません。

だからヨネサスはこのことを問題視などしていませんでした。

あの時、仙台支店が人員を欲していたのは事実ですが、椎川が聡子を推薦したのは自分自身が許せなかったからでした。

何が許せなかったのか。

それは一度も自分のことを好きだと思ってくれなかった聡子が、真修にその気持ちを抱いていたことでした。

聡子は椎川の話を聞き、彼に家族の姿を重ねていたこと、一人の男として好きだと思っていなかったことを認めます。

その上で椎川との思い出話を語ります。

そこにはちゃんと二人での思い出があったのです。

聡子は多少の後悔を見せますが、椎川はもう自分の知らない人間だと思い知るのでした。

第37話 ターコイズ

聡子と会って、父親に謝罪したことを聞いた真修。

詳しいことは言いませんが、何か言えないやりとりがあったのだと推測できます。

そこで真修は日曜日に約束をとりつけ、息抜きで遊びに行くことが決まります。

そしてその前日、真修は奈緒を含めて複数人の男女で遊びに行きます。

真修はそこでデートで着る服がないことに気が付きますが、なぜか男子組と女子組でそれぞれ真修のコーディネートをすることになります。

奈緒は真修に着てほしい服の色としてターコイズを挙げ、真修はそちらを選びます。

奈緒が前に挙げたブレスレットもまたターコイズで、自分が前にあげたから好きになってくれたのかと上機嫌になります。

しかし、それは勘違いでした。

真修は知り合いに会ったといってみんなから離れますが、その相手は聡子でした。

奈緒に真修の好きな色がターコイズだと教えたのは聡子で、真修と聡子は明日会う約束をしているのだといいます。

その瞬間、奈緒は直感します。

真修の好きな人は聡子だと。

第38話 白黒

奈緒はみんなと先に別れると、聡子を呼んで二人で会います。

聡子は自分とは何もかも正反対で、理想の女性です。

奈緒は、聡子に真修が好きかと聞くと、好きだと答えます。

しかし、それが異性としてなのか友達としてなのかはっきりしません。

曖昧な態度に苛立ち、奈緒は真修を男として好きなことを涙を浮かべながら訴えます。

聡子は大人ならではのきれいごとを並べながらも、真修が好きであることだけは否定しません。

最後にハンカチを置いて去りますが、その姿は昔、奈緒にハンカチを貸してくれた真修と重なります。

これまで白黒をはっきりさせてきた奈緒ですが、聡子と真修の関係はそのどちらでもなく、宝石のような色をしています。

正解の問題を前に、何を選んだら正解なのか。

奈緒は心配になって来てくれたりおんに体を預けて、涙を流すのでした。

一方、奈緒の言葉は聡子にもちゃんと響いていました。

誰も幸せになんかなれない。

明日の約束を前に、真修に何かをいうことを決心するのでした。

感想

お互いの思いを伝えて、色々振り切れた聡子と真修ですが、周囲はそうでないことが浮き彫りになった巻でした。

今まで聡子への未練をそれなりに見せていた椎川ですが、今回はそれが丸出しです。

真修がもう対等な立場の男になったんだなと成長を実感しました。

男の恋は上書き保存できないとよくいいますし、僕もみっともないと思いつつも共感できる部分もありました。

そして、奈緒はただ可哀そうです。

普通に恋をしているだけなのに、好きな人の好きな人は自分と正反対の理想のような女性。

そして、嫌なことを言ってしまった自分にも優しいという余裕もあり、まだまだ対等な立場にないことを痛感させられたと思います。

次巻で聡子が真修にどう言うのか。

それが二人の関係にどのような変化を及ぼすのか。

あまり明るい話ではないだろうと予想しつつも、先が気になって仕方ありません。

おわりに

真修が成長し、そろそろ『私の少年』ではなくなってきたのかもしれないと思った巻でした。

じゃあ、次は私の何になるのだろう。

そんなことを考えながら次の巻を待ちたいと思います。

次の話はこちら。

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