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【感想】『親がうるさいので後輩(♀)と偽装結婚してみた。』偽りはいつしか本物の関係に変わる【ネタバレ注意】

子供の頃から、親の敷いたレール通りに生きてきた真知。上場企業に就職し、ようやく親からアレコレ言われなくなる…と思いきや、今度は「お見合いして結婚を!」と迫られて爆発。後輩ジョシ・花と偽装結婚することに。昔告白された相手との同居生活は、窮屈な様で、意外にも心地よくて…。表題作3話に加えて、幻の読切作品「無酸素恋愛」を加えた著者待望の作品集。

Amazon商品ページより

コダマナオコさんの作品集である本書。

表題の作品に加えて読み切り作品『無酸素恋愛』が収録されています。

偽装結婚とある通り、話を持ち掛けた方(真知)は後輩女子・花との共同生活に全く乗り気でない所から始まります。

この心境が一冊の中でどんどん変化していくので、スピーディーでドキドキの展開を楽しむことができます。

この記事では、本書の魅力や評価の分かれるポイントについて書いています。

多少のネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

登場人物

本書の内容に入る前に、メインの登場人物二人をご紹介します。

『親がうるさいあので後輩(♀)と偽装結婚してみた。』より

↑左が真知で、右が花。

森本真知

一部上場企業の社員。

自分のペースを乱されるのが嫌いで、交友関係に乏しく淡々としている。

小さい頃から親に何でも口出しされて言う通りにしてきた。

就職して親の監視もなくなったかと思いきや今度はお見合いの話を持ち掛けられ、咄嗟に彼氏がいると嘘をつく。

親が世間に自慢できないような相手と結婚して、それを事後報告したいと漏らしたところ、学生時代の後輩・花が相手に立候補。

かくして二人は法律上の結婚とは違うもののパートナーになり、両親の撃退に成功する。

阿佐ヶ谷花

真知の学生時代の後輩で同性愛者。

真知に告白したことがあるが、振られている。

パートナーになるには制度がある渋谷区に引っ越す必要があり、マンションの更新時期が近づいていたこともあって真知の家に転がり込む。

一緒に住めば真知の気も変わるはずと彼女への気持ちを諦めていない。

ガツガツしている一方で家事が得意で、在宅でイラストレーターの仕事をするなど見るからに良妻で、真知の気持ちを考慮した距離感を保つなどちゃんと気をつかっている。

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魅力

明暗のバランスが良い

この一冊で完結している物語ですが、とにかく話が面白いです。

偽装結婚するまでの流れ、今に至るまでの経緯、同棲生活の中での変化など起伏に富み、特に真知の気持ちが変化していく様子が楽しめます。

真知に関するエピソードは基本的に暗いのですが、それを相殺か上回るほど花が明るく可愛らしいので、パートナーとしても非常にバランスがとれています。

最初は嫌々だった真知がどのように花に影響されていくのか。

また花も今まで知らなかった真知の一面を目の当たりにしたことでドギマギしたりと、見所が満載です。

楽しそうと思える同棲生活

創作なのでもちろん出来過ぎているのですが、二人の同棲生活は穏やかで、楽しそうで羨ましく思います。

待っている人がいることを最初は疎ましく思う真知ですが、やがて花のために家に帰ると宣言できるくらい彼女を思うようになり、もう見事な百合です。

家事ができて、在宅ワークで家を守りながらも仕事もこなす花を妻とするなら、外に出てお金を稼ぐ真知は夫のような役割を果たしています。

真知は口調や行動がどちらかというと男性的なので、その辺りも意識して作られているのかもしれません。

よくまとまっている

一冊完結でボリュームは少なめですが、起承転結がしっかりついていてよくまとまっていると思います。

ちゃんと百合が堪能できるけれど、いい意味で性的なものを感じさせない絶妙なバランスが保たれているので、完成度はかなり高めです。

そしてラスト。

より幸せな生活を予感させながらも描き切らずに終わっているので、余韻に浸りながら妄想にふけることもできます。

評価の分かれるポイント

物足りない

僕的に文句なしの出来で好みの百合作品でしたが、あえて欠点を挙げるとすれば話が短いところでしょうか。

ここからさらに話を広げるのは難しいと思うので、これはこれで完成形でしょう。

しかし、ラブラブになった二人のその後が読みたいと思えるラストだったので、短編でもなんでもいいので二人の姿がもう一度だけでも見られると満足度はさらに高まると思います。

コミックマーケット94(C94)で新刊のオマケ本として描かれたらしいので、喉から手が出るほど欲しい!

C94オマケ本『親がうるさいので捏造トラップしてみた。』

かなりのオススメ作品ですが、腰を据えてじっくり読みたいという方には物足りないかもしれません。

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おわりに

あまり性的な描写がない、可愛らしく尊い百合が見たいという方には本当にオススメです。

百合に興味があるけれど何を読んでいいのか分からないという人にもオススメで、一冊で完結なので手をつけやすいところもグッドです。

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