宝石の国 11巻 第80話『三族』ネタバレ感想
前の話はこちら。
前回、祈りを途中で止めてしまう金剛に対し、フォスは『祈れ』と執念を見せつけました。
今回はそこから始まります。
第八十話『三族』
祈りを途中で止めてしまう金剛に飛び掛かるフォス。
唖然とする金剛。
金剛の手を、フォスの液状化した手が覆い、光り輝きます。
場面は変わり、エクメアとカンゴームは穏やかなティータイムを過ごしていました。
その時、周囲がざわめき、カンゴームはきたか、と浮足立ちます。
それはフォスが組み立てられ、金剛が再起動した合図でした。
そして、新しい人間という認知の定着の成功ともいえます。
まだ驚いているカンゴームに対して、エクメアは一緒に行こうと手を差し伸べます。
その時、バルバタは目覚め、まじかと頭をかきます。
エクメアとカンゴームは指令室のような場所に移動すると、大きなモニターに唖然とする金剛の表情が映し出され、不安定です、と一人の月人がいいます。
不安定にしては長いとエクメアは反論。
さっきの月人は、フォスが金剛の合掌形を押さえつけていて、金剛が抵抗しないことを報告します。
エクメアは幸運だとこぼします。
場面は変わり、フォスと金剛。
フォスは金剛のことを『機械』呼ばわりし、僕のために祈れといいます。
そして、血のように液状化した体を口から流し、おまえさえいなければと恨みをぶつけます。
この状態で百二十分が経過し、エクメアは国民への告知の準備を進めます。
そして、月中にアナウンスします。
金剛の起動が確認されたこと、発動した場合、月への影響到達は二十一分後。
だから皆、速やかに家に帰りなさいと。
場面は変わり、大勢の月人を前にアイドルばりのライブをしているダイヤ。
エクメアのアナウンスを聞いても、あと五曲はいけるとライブをやめず、観客である月人も盛り上がります。
アレキとベニトは食堂のような場所で料理を提供していました。
月人たちは最期にアレキの料理が食べたいといい、アレキも腕をふるいます。
バルバタと共に研究をしているエイティ・フォーは、バルバタの作るナポリタンが好きだと一緒に調理にかかります。
一方、カンゴームは怯えていましたが、大丈夫だとエクメアは彼の方に手を回します。
これにカンゴームは何がだよと怒りを露にしますが、エクメアは、君の予想は半分当たっていたと冷静そのものです。
くっついていれば一緒に行けますが、正確には金剛は壊れていて力の制御が出来なくなってしまったため、一度祈れば、人間を祖とする者は全て無に向かうのだといいます。
それは月人、宝石、アドミラビリスの三族を意味します。
確実に、同時に無に向かい、それこそが金剛が祈らない理由であり、宝石への執着が金剛になけなしの自我を発生させたのでした。
それは、金剛の故障の原因でもあります。
それを聞いたカンゴームは、膝から崩れ落ち、バカとエクメアをののしりますが、彼は笑っています。
エクメアはカンゴームたち鉱物生命体を、どこまでも純粋で優しく、この世で最も美しい生物だと評価します。
それゆえに、金剛に宝石のための楽園形成という叶わぬ夢を見させたのだと。
そして、エクメアはいいます。
民のために残酷を繰り返した自分でも、金剛が狂った気持ちは分かるんだと。
その顔は、笑っていました。
そして場面は変わり、誰かがみんな帰っちゃった、つまんないと呟きます。
言葉通り、月には誰もいません。
その誰かはスケートボードから跳躍し、宙を跳ぶのでした。
おわりに
最期の時が近づきつつあると書かれていますが、どんな結末を迎えるか想像もつきません。
想像力の貧困な僕としては、まだまだ目を離すわけにはいきません。
次の話はこちら。
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