宝石の国 10巻 第74話『祭典』ネタバレ感想
前の話はこちら。
前回、宝石たちを復活させるための方法を聞き、その選択肢に絶望するフォス。
そんな中、アレキは施術を受ければ赤いままでいられることを打ち明けます。
今回はそこから始まります。
第七十四話『祭典』
アレキの話を聞いて、どういうこと?と事情を聞くフォス。
医者の話では、月人の放つ光が原因で赤くなるのだとアレキは説明します。
その光がアレキの瞳孔から入って中で反射して胸の深くまで届くと赤くなるのだと。
それは角度によって当たり外れがあり、ルーレットのようなものだといいます。
だから、元に戻ることを考慮しなくていいのなら、胸の中に月人と同じ発光体を入れておくだけで、赤いままでいられるという簡単な話です。
その状態ならイエローのように、先生や仲間と戦っても心が壊れないとアレキは言いますが、パパラチアほど戦えるかは分からないとその点は弱気です。
でも、とフォスは口を挟もうとしますが、アレキは、クリソベリルが戻ったら自分も戻してとお願いし、フォスは何も言えません。
そこでダメだと反対したのは横で話を聞いていたベニトでした。
ずっと赤いままでいたことなど、これまでなかったため、どうなるか分からない。
しかも、戦うにしても敵味方の区別がつかないと。
すると、アレキはそのことを承知していて、だからあんたが制御するのよ、とベニトに言います。
今までも良くしてくれたから、これからもよろしくと一方的に言いますが、ベニトは絶対にやらないと猛反対。
一連のやり取りを見ていたダイヤとエイティ・フォー。
ベニトは変わり者のネプチュナイトから逃れたくて月に来たのに、一番変わっている赤アレキのお世話をすることになるなんてかわいそうにと同情しますが、決して自分が代わるとは言いません。
しかし、フォスはここでアレキを赤いままにすることはできないと反対し、ベニトはホッとします。
フォスは、次は自分一人で行くと宣言し、みんな唖然とします。
先生に会って、どうして祈ってくれないのか。
そこまで口にしてそれを違うと否定し、フォスは言います。
月人のために祈ってくれるよう頼んでみる、と。
しかし、すかさずアレキは、ボルツとシンシャに阻まれて先生に会えなかったことを指摘、同じことにならない?と心配します。
それに対してフォスは、武器を持たずに行くことを提案します。
これにはみんな驚きます。
フォスは、先生が出てこなかったのはまだ自分たちのことが大切で、攻撃できないからだと指摘。
対話に応じてくれそうなユークレースを介して会えれば、話はできるだろうと踏んでいます。
それに賭けたい、と意志の固い表情を見せますが、それしか思いつかないよと両手で顔を覆ってしまい、腕の合金がドロドロと溶けて地面にしたたり落ちます。
その場にいる宝石たちは、悲しげな表情でフォスのことを見ます。
フォスは今の提案をエクメアに伝えてくれと月人のコンシェルジュに頼み、コンシェルジュはそれを了承するのでした。
場面は変わり、遊園地を楽しんだ後のエクメアとカンゴーム。
エクメアはハートの形をした風船を三つ持っていて、カンゴームはふわふわしたペットのような動物を抱え、頭には兎の耳のようなカチューシャをつけています。
楽しめたかい?というエクメアの問いに、自由に動けるってサイコー!!とふわふわしたものを遠くに放り投げます。
可愛くてかっこいい服をずっと着られるのも嬉しいと話し、これまではゴーストがアンタークっぽくないと嫌な顔をさせられていたことを打ち明けます。
エクメアもまた、カンゴームが前に着ていたアンダーウェアを選んだことに驚いていて、無性の宝石はセクシュアルな物を避けると思ったと理由を語ります。
それに対してカンゴームは右手を顎にあて、百二年の間、何度も流氷に飛び込もうとしたけれど、我慢して良かったと心底嬉しそうです。
そこに小さな筋斗雲のようなものが飛んできて、カンゴームはおまえのじゃね?と言います。
エクメアは失礼と前置きしてから飛んできたものに人差し指を当てます。
すると、筋斗雲は平べったい形に変わり、エクメアの目線で止まります。
エクメアははい、と話しかけると、服装がいつもの格好に変わり、眼鏡も出現。
よし、各所、一次準備に入ってよい。
日程は調整する。
そう言い終えると飛んできたものは霧散し、スムーズな進行だと独り言。
また君のおかげだとカンゴームに話しかけますが、またわけわかんねーこと言ってるとカンゴームは呆れています。
エクメアの眼鏡が再びなくなると、カンゴームはエクメアの胸に飛び込みます。
ふわふわのくせにおっかねーやつ♡、と完全にエクメアの虜になっています。
場面は変わり、再び宝石たち。
エイティ・フォーは、フォスの作戦が成功して月人が無になった場合、自分たちは月に残されるのかと質問します。
しかし、フォスは目が点状態で、何も考えてない顔とエイティに指摘されます。
だんだんバカに戻ってない?とかなり厳しい言葉を浴びせられ、そんなきついこと言うこだったっけ……と凹むフォス。
一方、サーティ・スリーと離れて一人になったせいか先生と離れたせいか最近しっかりしなきゃとエイティは思っていて、彼は誰もが目の前のことしか見ていない現状を心配していました。
そこでコンシェルジュは船の操縦を教えようかと提案しますが、そもそも船が無になる可能性をエイティは指摘。
それに対してコンシェルジュは、都市機能は月の表面温度による自動生成システムだから大丈夫だとした上で、確認すると言います。
さらに先ほどのフォスの提案について、エクメアから許可が下りたと返事がきますが、条件がありました。
それは、実行は祭典の後にしてほしいというもので、さいてん?とフォスは目が点です。
祭典とは、近日行われる予定の月で初めての催しで、簡単に言うと宝石たちと月人のかつてない協力及び親睦状態を国民に認知させることが目的だといいます。
宝石たちも全員出席しますが、宝石代表としてカンゴームが、月人代表としてエクメアが選ばれたことにフォスからツッコミが入ります。
さらに、コンシェルジュは親愛の深い二人が一対となり、社会が新たな段階に入ったことを一般大衆に広く示すのだと説明しますが、要はイチャつきイベントだとエイティとダイヤは面白がっています。
アレキもあの二人なら迫力があると肯定的ですが、迫力がありすぎだとベニトは及び腰です。
それぞれ意見を交わしますが、ここでコンシェルジュは式典名を告げます。
それは『結婚式』でした。
感想
シリアスな雰囲気はそのままに、段々とエクメアがカンゴームを利用して何かを進めようとしているのが見えてきました。
そして、最後に出てきた『結婚式』の文字。
月人や宝石からしたら失われて久しい文化だと思うので、どういった形で行われるのか興味があります。
しかし、エクメアはカンゴームたち宝石のことを無性だと言い切っていたので、この場合の結婚式は性別関係なく行われるのでしょうか。気になります。
次の話はこちら。
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