『夜は短し歩けよ乙女』原作小説のあらすじとネタバレ感想!不思議な世界観で育まれる純粋な恋愛物語
私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。
「BOOK」データベースより
森見登美彦さんといえば本書を思い浮かべる人も多いと思います。
本書は第20回山本周五郎賞受賞、第137回直木賞候補、2007年本屋大賞第2位など何度も話題に挙がり、2017年にはアニメ映画化もされました。
ジャンルとしては恋愛ファンタジーとなっていますが、大学生二人の恋愛という点では青春ですし、コメディ要素も強くて様々な要素を本書一冊で満たすことが出来ます。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
本書は先輩と後輩こと黒髪の乙女の二人の視点から物語が進行します。
現在進行形の物語ではなく、後になってその時のことを語るというスタンスになっています。
黒髪の乙女
男性主人公である先輩は、大学の同じクラブの後輩こと黒髪の乙女に恋をしていました。
しかし彼女は先輩の存在にすら気が付いておらず、物語開始時点では先輩の一方的な恋に過ぎません。
後輩はというと色恋沙汰とは無縁な生活を送っていて、溢れんばかりの好奇心に従って自由奔放に日々を送っていました。
不思議な一夜
クラブのOBが結婚することになり、内輪の飲み会が開催されて先輩と後輩もそれに参加します。
一次会が終わると、後輩はどうしても心置きなくお酒が飲みたくなり、一人で夜の街に繰り出します。
先輩は慌てて後を追いますが、すぐに見失ってしまいます。
後輩は夜の街で様々な出会いを果たし、様々な不思議な出来事に遭遇します。
そして、なぜか会ったばかりの人の借金をチャラにするために酒飲み対決をすることになり、先輩もその場に居合わせるのでした。
不思議な体験は続く
不思議な一夜を機に、後輩は先輩と奇遇な出会いを繰り返し、彼と会うことを楽しみにするようになります。
もちろん奇遇な出会いなどなく、先輩がストーカーのようにその出会いを偶然のように装っているだけですが、天然な後輩は奇遇が続くものだと先輩の気持ちには一切気が付きません。
その後、夏の古本市、秋の学園祭、冬の風邪騒動とイベントは続き、そこでも二人は不思議な体験をします。
これらの体験を通じて、先輩と後輩の関係はどのように変化するのか。
恋愛と呼べるようなイベントは皆無に等しいですが、それでも少しずつ縮まっていく距離は見応え十分でつい頬が緩んでしまいます。
感想
訳が分からない
これ、良い意味で使っています。
油断して読むと、急に訳の分からない展開が始まり、置いてけぼりを喰らうことが何度もありました。
小説なのでもちろん何でもアリなわけで、常識を取っ払って読めるかどうかが本書を楽しめるカギになります。
不思議なエピソードがこれでもかと詰め込まれているので一般的な恋愛小説とはかなり違いますが、先輩と後輩のじれったくも真っすぐな恋愛は胸を温かくしてくれます。
評価は人によって分かれますが、心を自由にして読める人であればこれほど面白い小説はなかなかありません。
ぜひありのままを受け止めてください。
黒髪の乙女が可愛い
先輩が思いを寄せる、後輩こと黒髪の乙女がとにかく可愛い。
本書の説明が面倒であれば、これだけでも十分説明になっていると思います。
天然というか、周りが心配になるほど純粋で先輩も何度もやきもきしますが、この小説内で彼女に危害を加える人間はほとんどいないので安心して読めます。
また、彼女は『おともだちパンチ』なる必殺技を有してるので、危害が及べば反撃するだけの強さを持ち、このギャップも魅力の一つになっています。
はじめはオモチロイことをただ追及する少女ですが、やがて恋する気持ちに気が付き、恋する乙女へと変身します。
歩みはかなり遅いですが、それでも見守りたいと思える存在なので、ぜひその過程も楽しんでください。
ぜひ映画もセットで
しっかり読んでも、なかなか頭の中でうまく想像できない人もいると思います。
そういう方はぜひアニメ映画も合わせて見てください。
表紙の絵柄、世界観そのままで映像化され、小説を読んで理解できなかった世界観がそのまま再現されています。
声優には星野源さん、花澤香菜さん、神谷浩史さん、ロバートの秋山竜次さんなど、第一線で活躍する声優から俳優、芸人まで多岐にわたり、世界観をより混沌とさせてくれます。
個人的に星野源さんの声に違和感がなかったこと、花澤香菜さんの声が黒髪の乙女にぴったりだったこともあり、小説以上に満足できる内容でした。
おわりに
他の作品では味わえない唯一無二の面白さが本書には詰まっています。
これは想像できる面白さではないので、まだ未読だという方はぜひ本書を読んでみてください。
もし読書が苦手だったり、時間がとれないという方はアニメ映画だけ視聴するのもアリです。
また本書は森見さんの別作品である『四畳半神話大系』とリンクがありますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。
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