『キャサリンはどのように子どもを産んだのか?』あらすじとネタバレ感想!あの名作の再現?
国家反逆罪の被疑者であるキャサリン・クーパ博士と彼女の元を訪れていた検事局の八人が、忽然と姿を消した。博士は先天的な疾患のため研究所に作られた無菌ドームから出ることができず、研究所は、人工知能による完璧なセキュリティ下に置かれていた。
Amazon内容紹介より
消えた九人の謎を探るグアトは、博士は無菌ドーム内で出産し、閉じた世界に母子だけで暮らしていたという情報を得るのだが。
WWシリーズの第三弾となる本書。
人間が人工細胞を取り入れたことで生殖不能になり、新たに子どもが生まれなくなってしまった問題はWシリーズの頃から度々言われていますが、本書ではその点がクローズアップされます。
そして、森博嗣ファンにとってたまらない秘密が本書には隠されていて、必見です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
消えた
人類の生殖に関する基礎研究をしていた研究者・キャサリン・クーパーが消えたとニュースで報じられます。
彼女は先天的な病気によって生命維持装置から離れられないため、三十年もの間、研究所から離れたことなどありませんでした。
奇妙なことはこれだけではありません。
彼女はドイツ政府から委託された研究の内容を民間企業に漏洩したとして国家反逆罪に問われていて、研究所から離れられないため検事局の人間八人が彼女のもとを訪れています。
そして、この八人もまた姿を消したのです。
合計九人が建物から出ていないことは証明されているため、姿を消したとしか思えない状況にあります。
キャサリンの研究はチベットの科学者・ツェリン・パサン(Wシリーズに登場)と共同で行っていたため、日本の情報局はグアトに現地に行くよう要請し、護衛としてロジ、セリンも同行します。
失踪した娘
グアトが呼ばれた理由。
それは、キャサリンのアシストをしていたコンピュータ・ゾフィがグアト、もといハギリを呼んでほしいと希望したからです。
グアトはゾフィと対話を試み、ゾフィが何かを隠していることを確信します。
ゾフィの話によると、数年前にキャサリンが娘を出産したのだといいます。
これは人工細胞を取り入れた女性ではあり得ないと考えられてきたことです。
もし可能だとしても精子の提供者が不可欠ですが、それも分かりません。
消えた人たちの中にはその娘も含まれていますが、ゾフィは盗聴されていることを考慮して多くは語りませんでした。
キャサリンの研究とは
外部と遮断された空間の中で、グアトはゾフィと話す機会を得ます。
グアトは、ドイツ情報局が探しているのはアイビスという名前のチップであることを知ります。
それはキャサリンが開発した技術を収めたものの総称で、チップの形をしているとは限りません。
しかし、キャサリンが外部に出た形跡がない以上、研究所内にあるはずですが、いくら探しても見つかりません。
グアトたちは情報局に協力する中で様々なトラブルに巻き込まれ、やがてキャサリンの研究の正体、そしてそこに関与するあの人の影を知ります。
感想
一番大切なものとは何か
Wシリーズからここに至るまで、生殖に関する問題はずっと言われてきましたが、ここでその問題が大きくクローズアップされます。
タイトルにある通り、『キャサリンは子どもを産んだのか?』が重要になってきます。
しかし、物語が進むにつれて一番大切なものは『生命』なのか?というそもそも論になり、より大きな視点から見た考えが出てきます。
グアトの閃いた新たな考え方は相変わらず難解で、ロジが舌打ちをしながらも聞いているのが可愛かったです。
あと、WWシリーズに登場したあの人が意外な形で登場するので、最後まで一気に読むことが出来ました。
あの名作の再現?
キャサリンが消えた一件について、ある事件と類似していることが度々作中で指摘されます。
途中、娘の名前が判明した時点で、森さんファンであればすぐに気が付くと思います。
もっといえば、勘の鋭い方はタイトルを見た時点で、あることに気が付くかもしれません。
そう、森さんのとある作品の再現のような事件だったのです。
僕も途中で気が付きましたが、やはりそれがはっきりした時は、久しぶりに感嘆の声が出てしまいました。
やはりWおよびWWシリーズは、あの人がいてこその物語なんだなと改めて思い知らされました。
おわりに
読めば読むほどはまり込んでいくシリーズですが、ますます物語の行き着く先が分からなくなってきました。
理解できない話は相変わらず多いですが、ここまで目が離せない作品は久しぶりなので、しっかり最後まで見届けたいと思います。
あと、作品を重ねるごとにロジの変化が見られて非常に可愛らしいので、それも今後の楽しみです。
次の話はこちら。
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