森博嗣『S&Mシリーズ』順番と見所をご紹介!『すべてがFになる』から始まる傑作シリーズ!
森博嗣さんのデビュー作である『すべてがFになる』、そしてそれを筆頭に刊行された『S&M』シリーズは今でも語り継がれる名作シリーズです。
特に一作目である『すべてがFになる』はアニメ化、ドラマ化されたため、知っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、『S&Mシリーズ』の名前の由来や読む順番、見所などをご紹介します。
ネタバレは含みませんので、未読の方も安心してご覧ください。
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シリーズ名の意味
シリーズの由来について。
これは主人公二人の名前が由来で、犀川創平の『S』、そして西之園萌絵の『M』からとったものです。
他作品は『V』、『W』などあくまでメインは一つと絞っているのに対して、本シリーズは二人を主軸に構成されています。
後述しますが、この点こそが僕は本シリーズの最大の魅力だと考えています。
見所:主役が二人いる
森博嗣さんの作品はどれもおすすめですが、僕はやはり『S&Mシリーズ』をイチオシします。
その理由として、『主役が二人いる』ことが挙げられます。
他シリーズでも主人公を中心に主要メンバーが何人もいるということも少なくありませんが、本シリーズに登場する創平と萌絵の相性がもう抜群なんです。
創平と萌絵はいわゆる天才ですが、タイプが全く違います。
だから普段は創平がリードしていますが、ある場面では萌絵の力に助けられるということが少なくなく、二人がいるからこそ物語が成り立っているのだと幾度となく実感させられます。
小ネタ
本シリーズに関する小ネタをまとめてみました。
・元々このシリーズは『封印再度』までの五連作を予定していたが、編集部の意向で四作目の予定だった『すべてがFになる』が一作目となり、六作目以降の五作も執筆されることになった
・他シリーズに最も繋がるのが本シリーズで、特にGシリーズ、四季シリーズとの繋がりが多い
・森さんの作品を読破してやる!という方は、ぜひ本シリーズから読み始めると他シリーズをより楽しめ
・ただし、森さん自身は、どのシリーズから読んでも良いと明言している
読む順番
本シリーズではそれぞれタイトルが決められていて、巻数の記載がありません。
そこでここでは、読む順番と共にあらすじ、感想などをご紹介します。
すべてがFになる
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。
「BOOK」データベースより
『S&M』シリーズの記念すべき一作目。
犀川と萌絵の魅力がはじめから炸裂しています。
タイトルの意味がそのままトリックを表していますので、その意味を知りたい方はぜひ本書をお読みください。その大掛かなトリックは必見です。
あと、本書に登場する真賀田四季は四季シリーズにとどまらず、あらゆる場面でその存在感を出してきますので、ぜひここで覚えてください。
冷たい密室と博士たち
同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園萌絵。だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女二名の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!?人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが…。究極の森ミステリィ第2弾。
「BOOK」データベースより
『すべてがFになる』になるのトリック、登場人物が印象的だったせいか、いまひとつ評価されない作品。
インパクトは薄めですが、キャラクターに重きが置かれ、理系ミステリーとしての面白さも健在です。
笑わない数学者
偉大な数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。一夜あけて、再びオリオン像が現れた時、2つの死体が発見され…。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探る。超絶の森ミステリィ第3弾。
「BOOK」データベースより
トリックは前二作に比べると簡単で、わりと序盤で分かってしまう方も多い作品です。
しかし、トリックが解けたからといってそれで終わりではなく、そこから読み進めることで面白さが深まりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
詩的私的ジャック
大学施設で女子大生が連続して殺された。現場は密室状態で死体には文字状の傷が残されていた。捜査線上に浮かんだのはロック歌手の結城稔。被害者と面識があった上、事件と彼の歌詞が似ていたのだ。N大学工学部助教授・犀川創平とお嬢様学生・西之園萌絵が、明敏な知性を駆使して事件の構造を解体する。
「BOOK」データベースより
森さんの作品では犯行の動機が弱い、もしくは理解できないことがよくありますが、本書はそれが顕著です。
さらに推理もかなり難解なので、それを解きながら読み進めるというよりも、創平と萌絵の会話を楽しみながら物語の行く末を見守るというのが一番の楽しみ方な気がします。
封印再度
50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。
「BOOK」データベースより
タイトルの意味は読み進めると分かりますので、その点では『すべてがFになる』と同じです。
トリックの強引さこそありますが、個人的には創平と萌絵の心情が揺れ動く様子が見られて大満足です。
幻惑の死と使途
「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」いかなる状況からも奇跡の脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が衆人環視のショーの最中に殺された。しかも遺体は、霊柩車から消失。これは匠幻最後の脱出か?幾重にも重なる謎に秘められた真実を犀川・西之園の理系師弟が解明する。
「BOOK」データベースより
次作『夏のレプリカ』と同時期に起きた事件を扱っており、奇数章のみが書かれています。
最後のオチが秀逸で、読み進めるほどにのめり込んでしまうこと必至です。
夏のレプリカ
T大学大学院生の簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。眩い光、朦朧とする意識、夏の日に起こった事件に隠された過去とは?『幻惑の死と使途』と同時期に起った事件を描く。
「BOOK」データベースより
前作『幻惑の死と使途』と同時期に起きた事件を扱っており、偶数章のみが書かれています。
前作と関連した部分がありますので、ぜひ順番通りに読むことをおすすめします。
また本書では萌絵の友人・簑沢杜萌が主人公となっていること、作品から受ける印象がこれまでの作品とは大きく異なり、シリーズの中でも異色な作品です。
今はもうない
避暑地にある別荘で、美人姉妹が隣り合わせた部屋で一人ずつ死体となって発見された。二つの部屋は、映写室と鑑賞室で、いずれも密室状態。遺体が発見されたときスクリーンには、まだ映画が…。おりしも嵐が襲い、電話さえ通じなくなる。S&Mシリーズナンバーワンに挙げる声も多い清冽な森ミステリィ。
「BOOK」データベースより
シリーズの清涼剤、と評する人もいる本書。
シリーズものなので問題ないと思いますが、ここまで読んできた読者にこそ面白さが分かる作品であり、本書を一番に推す人も多いほどの人気作です。
数奇にして模型
模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。
「BOOK」データベースより
二つの密室事件が同時期に起こる本書。
七百ページを超える分厚さですが、登場人物の掛け合いは相変わらず楽しいので、最後まであっという間に読めてしまいます。
萌絵のコスプレ姿も読者の間でかなりの好評です。
有限と微小のパン
日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴン事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は…。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。
「BOOK」データベースより
シリーズ最終作であり、真賀田四季が圧倒的な存在感を見せてくれます。
このシリーズを締めるにふさわしいラストであり、本書以降にも可能性を広げてくれる作品です。
ここまで読んだ人であれば大満足すること間違いなしです。
おわりに
ハイペースな執筆活動をしてきた森さんの作品は非常に多いですが、その中でも『S&Mシリーズ』は森さんを語る上で外せない名シリーズだと思います。
本シリーズを読み終わっても、登場人物たちは各シリーズに度々登場しますので、ぜひ別の作品にも挑戦してみてください。
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