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宝石の国 10巻 第76話『アドミラビリス』ネタバレ感想!

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前回、エクメアとカンゴームの強い繋がりをまざまざと見せつけられ、カンゴームの気持ちを宝石側に戻すのは至難の業であることが再確認できました。

今回は、そこから始まります。

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第76話『アドミラビリス』

結婚式が終わり、そのままセミのお腹の上で寝ていたフォスが目を覚まします。

エクメアが作戦の最終確認をしたいという伝言を月人が伝えに来て、フォスはエクメアの部屋に行きます。

彼はすでにフォスたちの伝えた作戦の概要を聞いていました。

その概要とは、前回の作戦で金剛が宝石たちに攻撃できないことを確信したのを踏まえて、友好的なユークレースを介して金剛に直接協力を求めるというものです。

それにはフォス単独でかつ攻撃手段を持ち込まない必要がありますが、フォスはもし作戦がうまくいった場合、月人たちが消え、月に他の宝石たちが取り残されることを懸念していました。

しかし、その懸念は不要だとエクメア。

全都市機能は宝石たちでも操作できるシステムに移行済みで、月人がいなくなっても宝石たちだけで全ての技術が使用可能で、マニュアルも用意してあります。

特に交通機関について、今までと変わりなく月と地球を行き来することができます。

しかし、それらの操作には多少の学習が必要で、適任者としてフォスはアメシストを挙げます。

パパラチアとイエローの治療は継続、アレキの希望する手術は不要となります。

それに対してフォスは、ダイヤとベニトは月に残るかもしれない、ゴーシェは分からないと正直にコメント。

しかしエクメアは、今の生活は恒久的に維持できるため、最適な生活を探せばいいと何から何まで至れり尽くせりです。

ここでフォスはようやくカンゴームについて聞きますが、エクメアはすでに彼の希望を聞いていました。

その時、部屋中に大きな振動が走り、姫が第一研究所を吹っ飛ばしたと月人が報告します。

姫とはカンゴームのことです。

エクメアはフォスに待っているよう言い残すと、煙のように消えます。

残されたフォスは、『あとは』と何か考えています。

場面は変わり、割れた試験管かビーカーらしきものを両手に持ち、煙の中で茫然と立ち尽くすカンゴーム。

背後からエクメアが現れ、やべ、とカンゴームもさすがに焦ります。

しかし、エクメアはまずカンゴームのことを心配し、彼も研究所を吹っ飛ばしたことを謝罪します。

合わせて蛇?のような形をした生物にも謝ります。

改めてエクメアは、あらゆる耐性保護膜をつけておいて良かったとカンゴームの顔をじっくり覗き込みます。

カンゴームはうまくいきそうだったのにと落ち込んでいますが、エクメアは化学の基礎を教えようと提案。

忙しいだろとカンゴームは遠慮しますが、暇な友人がいるとして、エクメアには心当たりがあるようでした。

場面は変わり、研究室でエクメアとカンゴームを茫然と見つめるバルバタ。

エクメアはバルバタが勉強を教えてくれると一方的に言いつけ、当然バルバタはやることがあると抵抗します。

しかし、申請中の実験の許可などを条件に出されて態度を一変、背筋を伸ばして改めて名乗るバルバタ。

カンゴームは嬉しそうにゴミがついていると彼の顎髭をつかみ、さすがのバルバタも迷惑そうです。

エクメアは二人きりにするのが心配なのか監視をつけるといいますが、おまえとは趣味が違うとバルバタはそれを拒否します。

バルバタはしゃがみ、何を勉強したいのかとカンゴームに聞きます。

彼が答えたのは、無に行く方法でした。

これにはバルバタも驚きますが、エクメアが寂しがるから仕方なくついていくのだとカンゴームは偉そうです。

これにはバルバタもかわいーと褒め、エクメアもそうだろうと満更でもありません。

場面は変わり、フォスが月人と話しているところにエクメアが戻ってきます。

フォスは仲間の再生が途中であることを挙げると、それも継続可能な状態で譲り渡すとエクメア。

アドミラビリスからの回収は彼らの自然死を待つことになり、新しい世代は小型化して貝殻の生成を必要としない都市の海に住んでもらう方針です。

再生完了後の処遇はフォスたちに任せるといいますが、アドミラビリスが了承したのかどうかフォスは聞きます。

しかしエクメアは、今のアドミラビリスでは理解して意思表示をすることは難しいとして、彼らの意思は確認していないことを認めます。

またこの計画がフォスの要望とも伝えていませんが、フォスは腑に落ちないといった表情です。

なぜアドミラビリスを捕らえたのかとさらに聞くと、金剛を動かす人間を造るためだとエクメアはいいます。

ここで部屋の中が海の中にいるような描写になり、遥か昔の話になります。

肉の末裔である彼らに協力を求めたところ、犯罪者を提供してくれたとして、包帯のようなものでぐるぐる巻きにされてぶら下がったアドミラビリスが現れます。

地球は六度の爆発で栄養に乏しく、宝石や月人と違い、アドミラビリスは生命維持のために大量の藻類等が必要でした。

そんな彼らにとって、仲間を流刑として月に渡すのは、食い扶持を減らす上で好都合だったのです。

しかし、それでも長い食糧難に陥り、栄養不足から知能が後退、共食いが深刻化します。

自分たちの卵を食べた例もあり、世代交代による環境適応は間に合いませんでした。

そして全ての資源が尽きた時、ウェントリコススの二代前の王の判断により、合成食料を頼って全国民の月への移住を希望し、月人はそれを受け入れたのでした

ここで過去の描写は終わり、合意がなされたのはフォスが二百五十歳くらいの時であることが明かされます。

フォスは、ウェントリコススが月から仲間を取り戻したいと言っていたことを伝えますが、当時の王であるコンウァラリウスが子孫にどう伝えたかは分からないとエクメアは意に介しません。

フォスは何か言おうとしますが、その前にエクメアは船の準備ができていると話し、フォスは改めて覚悟を決めます。

進展が見込めない場合は迎えを出すとエクメアは言いますが、回収後は捨ておいてくれとフォスはいいます。

退路を断った上で、全力を尽くすと意思表示し、成就を祈るとエクメアもいいます。

フォスがいなくなると、エクメアは移行せよと誰かに命令します。

場面は変わり、アメシストを中心に宝石たちは月人たちに教えてもらいながらマニュアルの操作を確認していました。

そこにフォスが現れ、舟のエネルギーについて説明を受けます。

いよいよ出発の時間になり、宝石たちは心配そうです。

フォスはセミたちに宝石たちを頼み、一人地球に向かいます。

暗闇の中、目だけが光っています。

フォスは何も考えず、うまくいくと何度も繰り返します。

だって先生は、いつでも僕に優しいと。

しかし、不意に涙が溢れ、いまさらそんなことを考える自分に怒りを感じ、膝の間に顔をうずめて一人涙を流すのでした。

感想

仲間のために頑張っているフォスがますます追い詰められていくのが、見ていて辛かったです。

地球ではユークを中心にフォスたちの事情も分かっているはずなので、今回の作戦のタイミングで彼を救ってあげてほしいと切に願っています。

また新しい話が届き次第、記事を更新したいと思いますので、乞うご期待!

次の話はこちら。

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