ホラー
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『ジャンル特化型 ホラーの扉 八つの恐怖の物語』あらすじとネタバレ感想

harutoautumn
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ホラーはなぜ怖い? 人気作家陣のホラー作品を各ジャンルの魅力解説とともに味わう、ホラーカンパニー・株式会社闇が案内するホラーを「楽しむ」ための最恐の入門書。
各エピソードの面白さ(容赦のなさ)は言うまでもないですが、混沌としたホラージャンルを体系化する試みにやられました。この一冊で恐怖の根源が、全て理解でき(てしまい)ます。
――背筋(『近畿地方のある場所について』著者)

Amazon内容紹介より

ホラーというジャンルを5W1Hでカテゴリー分けして、ホラーの入門書として仕上げている本書。

その取り組み自体がもう素晴らしいのですが、ラインナップは豪華で、内容も一切の妥協がありません。

すでにホラーが好きな人にも絶対読んでほしい一冊です。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

みてるよ【澤村伊智】

Whoに分類される本作。

小学生のぼくは保健室で休んでいて、授業に戻ろうと教室に向かったところ、窓から教室を覗きこんでいる男子生徒を見つけます。

昔のような服装で、顔は見えない。

ぼくは怖いと思い自分のクラスに戻りますが、放課後、その男子生徒が覗き込んでいた教室の生徒が倒れたことが判明しました。

終わった町【芦花公園】

Whatに分類される本作。

私の幼馴染である皐が七月頃に亡くなったことがまず明かされます。

それから親や近所の人が理解できないルールを言い出し、町では小さな事件が起こり始めます。

私の知らないところで何かが起こり、町が着実に変わっていく様子が描かれます。

さよならブンブン【平山夢明】

こちらもWhatに分類される本作。

僕は同級生たちからひどいいじめを受けていて、毎日が辛くて仕方ありませんでした。

そんな僕にとって、唯一心を癒してくれるのはブンブンという猫でした。

弱っているブンブンを介抱したことがきっかけで仲良くなり、僕の心の支えになっていましたが、ブンブンがただの猫でないことが次第に明らかになります。

告発者【雨穴】

Whyに分類される本作。

光瀬健太郎はある日、SNSを何気なく見ていると驚きます。

そこには自分がかつてネット上に投稿した動画が拡散されていて、自分が名指しで人を死に追いやったと糾弾されていました。

しかも光瀬に思い当たる節があり、過去に起こったことやSNSに拡散した人物についてが描かれます。

とざし念仏【五味弘文】

Whereに分類される本作。

僕が東京から引っ越してきて、ようやく学校に馴染んできた頃の話。

文化祭のクラスの出し物としてお化け屋敷をすることになりますが、クラスメイトの臼井が『ホットケ』であるということが分かります。

言った人は言葉を濁し、僕は『放っとけ』という意味だろうくらいに認識して、その場は終わります。

しかし、文化祭当日を迎え、言葉の意味やそこに込められた恐怖を知ることになります。

十一分間【瀬名秀明】

Whenに分類される本作。

ある日の朝。

朝礼が始まる時間に教室に入ってきたのは知らない人で、担任の代わりをするといいます。

そして、今日から全世界で『思いやり』がなくなることを宣言するのでした。

学校の怖い話【田中俊行】

Howに分類される本作。

学校にまつわる怖い話がいくつか披露されます。

内容が面白いことに加えて、音声データでも聞くことができる、小説以外としても楽しめる一作です。

民法第961条【梨】

Howに分類される本作。

上田真莉の中学生時代の思い出に関する文章から始まります。

クラスには『みんなの本棚』というものがあり、そこに読んだら怖くなる本があるのだといいます。

それは自費出版物のような粗末なもので、『十四歳の世渡り術』なる不思議なタイトルなのだといいます。

真莉は怖さとリンクしないタイトルに驚きますが、これ以上の驚きや恐怖が待っていました。

感想

より深く味わえる

僕はホラーはある程度親しんできたので初心者というわけではありません。

しかし、本書でカテゴリー分けされていることで、改めてホラーの中でもジャンルを細分化して、その本質や面白さを意識しながら読むことができました。

なにが怖いのか。

なぜ怖いのか。

それを突き詰めていくと、ホラーというジャンルがジャンルになっていないのかというくらいに膨大な範囲をカバーしていることが分かります。

ホラーが好きと一口にいっても様々な好みがあり、自己分析用としても楽しめたのがまず予想外の収穫でした。

オススメ作品

僕が特にオススメするのは『終わった町』、『十一分間』です。

心霊ホラーが好きだということは自覚していましたが、その認識がさらに強まりました。

理屈では説明がつかない、どうやっても解決できない理不尽さを孕むこともあり、その人智を超えた領域で展開される話が好きです。

また『十一分間』はシチュエーションホラーに分類され、これも良かったです。

SFも自分や今の科学では解明できない内容を取り上げることがあり、一種の魔法と捉えることもできます。

僕の常識が通じないところが心霊ホラーに通じると思っていて、短いながら緊張感を持って読めました。

一方で、意外だったのは怪談はそこまで好きでなかったということです。

最近、意識的に読むことがありましたが、どれもそこまではまらず、後で分析してみると、語り手によって語られることで臨場感が物足りない、あるいは起伏が乏しいと感じているからかもしれません。

おわりに

近年、ホラーが盛り上がり歴史から語れることも多くなったので、改めてホラーという広大なジャンルを整理しても良いタイミングでは感じています。

自分の好みがはっきりすればそこに絞って追えるので、自分にとっての良作に出会える確率が上がるかもしれません。

一方で、食わず嫌いをしたくないという感覚もあるので、この辺りは悩ましいです。

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