ホラー
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『身から出た闇』あらすじとネタバレ感想!書き上げたホラー小説が現実に影響を及ぼす

harutoautumn
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この本ができあがるまでに、編集者が二人消えています。

これは私が、角川ホラー文庫編集部から依頼を受けた連作短編集です。駆け出しの私に依頼が来るだけありがたく、最初は喜んで引き受けた作品でした。しかし、短編を提出するごとに、担当編集の休職が発生している以上、これを刊行するという編集部の判断が、正しいのか分かりません。
※このあらすじは、原浩氏の強硬な主張により、挿入されたものです。編集部の意図とは相違があります。本作は、あなたが望んでいる作品です。

Amazon商品ページより

現実とフィクションの境界を曖昧にしたような本書。

本書に収録された短編と、それを書き上げた後に起こる現実での出来事。

それがリンクすることによって、あたかも創作が現実に影響を与えているような印象を与え、そもそもホラー作品とはどのように生まれるのか。

そんな根源にかかわるような問いが投げかけられ、角川ホラー文庫という存在を巻き込んだスケールの大きさが面白いです。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

執筆依頼

本書の主人公は、著者である原浩さん。

原さんはKADOKAWAの編集者から、ホラー文庫で書き下ろしをしないかと打診され、執筆にとりかかります。

打ち合わせはそれなりに時間がかかりましたが、短編集で怖ければ一貫性がなくとも良いという方向性が決まり、原さんは一つ目の短編を書き上げました。

トゥルージー

女子高生たちの間で『トゥルージー』というアプリが流行っていました。

写真を共有するSNSですが、既存のSNSと違う点がいくつかあります。

例えば通知がきてから二分以内に写真を投稿すると、その日は無制限に写真をアップできる。

また『真実を映す』がコンセプトのため加工ができず、それがリアルタイムにお互いの状況を共有することができ、それが彼女たちに受けていました。

ところが、時間が経つにつれて仲間うちでもトゥルージーに対する見方が変わってきて、それがトラブルを生みます。

違和感

原さんは『トゥルージー』を書き上げ、打ち合わせの場で編集者からも好評を得ます。

しかし、編集者のうち、今井という女性の様子がおかしく、そこだけが引っかかるところでした。

その後も原さんは一つずつ短編を執筆しますが、その度に状況は変化・悪化し、原さんは思います。

自分の書いた作品が現実に影響を及ぼしているのではないかと。

感想

タイトルの意味

まずタイトルが良いですね。

響きだけでもホラー味があって素敵なのですが、その意味が分かってくると、面白さが段違いに深くなります。

本作は、あなたが望んでいる作品です。

あらすじの最後に書かれているこの言葉に尽きます。

言葉の本当の意味は皆さんご自身の目で確かめてもらうとして、ホラー小説はどのようにして生まれるのか。

それを考えると、うすら寒いものがありました。

短編自体も面白い

本書には短編として五作品登場します。

最後の『828の1』は『潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー』に収録されていますが、それ以外は初収録です。

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上述の通り、テーマが決まっていないので、題材から時代設定から違っていて、怖いという共通点以外は異なります。

個人的には『らくがき』がお気に入りで、やや強引なところがありつつも、題材や流れ含めてかなり楽しめました。

総合的にはもう一歩ほしい

本書は十分楽しめたのですが、タイトルや表紙から受けた印象からすると、もう一歩面白さがあったら最高だったな、というのが正直なところです。

各短編と、合間を繋ぐ編集者とのやり取り。

総合してよくまとまっていて、日常が非日常に反転するような怖さがありました。

しかし、人間から出てきた闇というものをもっと分かりやすい形で描いてもらうと、受けた印象にぴったりだったのかなと思っています。

朝宮運河さんのXでも紹介されていたこともあって期待値がかなり高かったので、蛇足ではありますがこのように記載しました。

おわりに

原さんが今後ホラー界隈をさらに盛り上げてくれる、そんな予感を与えてくれる一冊でした。

作品の傾向としてコンパクトにまとまっている気がするので、原さんがもっとスケールが大きくて予想もつかないような作品を書いたらどうなるのか。

期待が高まるばかりです。

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