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『梅雨物語』あらすじとネタバレ感想!謎解きの先にある絶望

harutoautumn
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謎を解くたびに、絶望は深まる。貴志祐介が描くホラーミステリの極北 。

自ら命を絶った青年が残したという1冊の句集。元教師の俳人・作田慮男は、かつての教え子から依頼を受け、俳句の解釈を進める。沖縄の情景を描いた句を読み解いていくうち、恐るべき秘密が浮かび上がってくる(「皐月闇」)。遊廓で蝶のような花魁たちと遊ぶ夢を見る男の末路、広い庭を埋め尽くす色とりどりのキノコがもたらす幻覚。静かに忍び寄る恐怖と緻密な謎解きが読者を圧倒する3編を収録。著者真骨頂のホラーミステリ。

Amazon商品ページより

貴志祐介さんの作品である本書。

ここ最近『秋雨物語』『さかさ星』と立て続けに予想を上回る満足感を与えてくれたのですが、本書も同様です。

興味を引く謎と鮮やかな推理。

そしてその先にある絶望。

ホラーミステリとしてここまで絶妙なバランスで融合させている作品は少ないのではないでしょうか。

この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。

核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。

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あらすじ

皐月闇

作田慮男(さくたのぶお)は妻の治子が出て行ってから八年、一人で寂しい生活を送っていて、認知症の兆候も見られます。

そんなある日、家のドアを開けると、そこでかつて中学校の俳句部の教え子・萩原菜央と十年ぶりの再会を果たします。

家に上がった菜央は作田に相談があるといって、兄・龍太郎が作った俳句集を見せます。

龍太郎は先月に自殺していて、母親はこの俳句集を読み、全て焼き捨てるよう菜央に命じます。

なぜ母親はそのような態度になってしまったのか。

作田は謎を解くため、『皐月闇』と呼ばれる俳句集に挑みます。

ぼくとう奇譚

昭和十一年、二・二六事件が起きたばかりの頃の話。

木下美武はとある銀座のカッフェーに行った夜、黒い蝶の夢を見ました。

黒い蝶は死者の魂と言われることもあり不安に感じていて、二回目の来店で、同じカッフェーにたまたま居合わせた作家・永井荷風もまた同じ夢を見たと話しているところを聞きます。

さらにこのままでは死ぬ、と言い出す行者・加茂日斎が現れ、加茂は木下が見た夢を言い当てます。

加茂は木下の自業自得だとしつつも助ける意向を示し、木下もその申し出を受けますが、ここから黒い蝶に侵食されていきます。

くさびら

工業デザイナーの杉平進也はある日、家の外の芝生に大量の色とりどりのキノコが生えているところを目撃します。

輪を形作っていて、まるで妖精の輪(フェアリーリング)です。

杉平はこのことを従兄で精神科医および心理学者の鶴田毅久に話しますが、鶴田は杉平の精神状態を考慮して話を聞いてくれますが、信じている様子はありません。

この後も杉平の前には様々なキノコが出現しますが、やがてこのキノコたちには意味があることが明らかになります。

感想

圧倒的な満足感

本書は短編三作が収録されていますが、どれも満足感が高く、いずれも長編を読んだかのようです。

リーダービリティの高さですいすいと読めて、提示された謎が頭の中で整理されます。

あとはそれを推理するわけですが、ここに色々な仕掛けがされていて、解けそうで解けない絶妙なラインで焦らされます。

推理が完了すると真実が引き出されるわけですが、そこにあるのは暴力的なほどの闇、絶望。

このどす黒さは貴志さんならではだと感じました。

貴志さんのホラーは本当に怖くて、最近の『さかさ星』でも再確認していたので、改めて作家としての唯一無二さを感じました。

嬉しいあの人の登場

僕が個人的に驚いて、かつ嬉しかったのが『さかさ星』に登場するあの人が登場したことです。

まさかの登場に思わず声が出てしまいました。

あまり作品間で登場人物が行き来するタイプの作家だと思っていなかったので、嬉しい誤算です。

そして、この人物の登場は僕に絶大なる安心感をもたらしてくれました。

彼女が登場すれば物語は動き、しっかり完結に向かって収束してくれるからです。

予想通り、物語はその展開になったわけですが、予想できていてもその手腕は鮮やかで、物語を一気にかっさらっていってくれました。

『さかさ星』をまだ読んだことがないという人は、逆に『さかさ星』を読んでその驚きを体感してみてください。

おわりに

貴志さんのホラー・ミステリそれぞれで培った知識やスキルが遺憾なく発揮された作品でした。

他の作品との繋がりもないので、はじめての人にも自信をもってオススメできる一冊です。

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