『ユア・フォルマVII 電索官エチカと枢軸の軋轢』あらすじとネタバレ感想!
「エチカ。あなたが私に抱いているのは、特別な『愛情』ですか?」
Amazon商品紹介より
RFモデルのシステムコードが全世界に公開され、ハロルドの廃棄処分が決定。追い打ちを掛けるように、エチカまでが謂れのない職権濫用罪で逮捕される。
全てを覆す一手など見つからないと希望を失いかけていた最中、エチカはシュロッサー局長の隠蔽行為をはじめとする「同盟」の綻びに気がつき――。
「同盟」の軋轢、レクシー博士の裏切り、エチカの父、チカサトの存在。欠けていたピースが一つの答えへと収束する中で、最後に眼に映る「機憶」とは――。
シリーズ第七弾となる本書。
前の話はこちら。

前回、ハロルド含めたRFモデルの重大な秘密が全世界に公開され、本書冒頭からかなり重たい雰囲気です。
終始それが続くので読み進めることに力を使いますが、その先に物語を次に進めるための鍵があり、読み応え十分でした。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想などを書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
公開
前巻において、ハロルドたちの生みの親であるレクシーがとある情報を全世界に公開します。
それは、ハロルドたちRFモデルが国際AI運用法に反して製造された違法なアミクスだということです。
ハロルドの身を案じたエチカは彼を連れて逃げ出しますが、結局は確保され、ハロルドは彼女を庇うために自分が押し付けて逃走したと嘘をつきます。
お互いを思っているはずなのに、エチカの行動はハロルドの立場を悪化させる結果になりました。
嘘
トトキはハロルドの真実を知って衝撃を受けるも、エチカを守るために最善を尽くそうとしてくれます。
しかし、エチカは公開前から秘密を知っていたこと、自分主導で逃げたことなどを打ち明けるわけにはいかず、心苦しさが続きます。
問題は他にもあります。
『同盟』という組織が暗躍していて、電子犯罪捜査局を束ねるシュロッサー局長がその一員であるという疑いが浮上していて、身内だからといって信用することはできません。
どうしたらハロルドを助けることができるのか。
考えても良い案は浮かばず、まさに最悪の状況でした。
協力
トトキたちだけでは事態を変えることは難しいと判断して、トトキはロンドン警視庁にいる旧知の仲であるピーコックを頼ります。
情報共有しても話が良い方向に進みませんが、そこでエチカはトールボットの名前を出します。
国際AI倫理委員会の元委員長で、『同盟』会議でも主要人物として参加していた人です。
彼はこれまでの話で、自我を失って表舞台から去っていますが、自宅に何かあるのではないかとエチカは推測します。
かなり可能性の低い話ですが、何も案が出ない状態ではそれにすがるしかありません。
一同はトールボットの家をたずねますが、そこで会ったのはシュロッサーでした。
予想外の遭遇で、エチカたちの立場はさらに悪化します。
感想
絶望に次ぐ絶望
本書はとにかく暗い展開の連続です。
スタート時点で最悪と言っていい状況にも関わらず、エチカたちが動けば動くほど新たな苦難が立ちはだかります。
感覚としては、世界を敵に回した無謀な戦いとでもいうべきでしょうか。
行動する度、思考する度に己の無力さを突き付けられる。
そんな感覚が終始ありました。
エチカとハロルドの関係
これまでも何回もクローズアップされてきましたが、本書では二人の関係がさらに深くまで追及されます。
これまで有耶無耶にしてきたものが逃げ場をなくし、表にさらけ出される。
関係性をさらに進めるためには必要なことでしたが、シチュエーションのせいもあってかなり読んでいて苦しかったです。
さらにハロルドへの感情移入が進んでいることもあり、アミクスとして機械的に判断しているのか、それとも人間のような感情に近いものが芽生えたのか、判断に迷いが生じたことも苦しい理由にあげられます。
アミクスだと分かっているはずなのに、人間のように思ってしまう。
その感情が押し付けなのか、それとももっと違う何かなのか。
物語はかなり終盤のため、それが少しずつ明らかになるのではないかと思っています。
救われたこと
本書ではこれまでエチカたちを支えてきた人たちに、読者も支えてもらったのではないかと思います。
上司であるトトキもそうですし、フォーキンなんて真実が公開されてもなお、ハロルドのことを受け入れ、肯定してくれます。
この無条件の友情・愛情がまぶしく、弱った気持ちにすっと入ってきました。
改めて物語は主役だけで成立するものではなく、登場する全ての人があってこそだなと、小説のあり方を改めて学んだ気がします。
おわりに
いよいよ終わりが見えてきたように思えます。
この状況がどう覆るかも楽しみだし、その先にエチカとハロルドが一緒にいる未来があるのか。
それも気になります。
本書は前作からかなり間が空いてしまったのですが、ちょうどアニメ化もされているので、以前のような発刊ペースに戻ってくれると嬉しいです。
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