『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん3 死の礎は生』あらすじとネタバレ感想!
バレンタインの季節。 街では、複数の動物殺害事件が発生していた。マユがダイエットと称して体を刃物で削ぐ行為を阻止したその日。僕は夜道で、死んだはずの妹(多分)と出会う。そして妹っぽいものに遭遇した翌日。僕は学校の朝礼で知る。 無自覚の悪意の伝染について。三ヶ月の短い静穏へ精一杯の反抗を示す惨殺死体事件。最悪な、殺人街としての街興しが、再び始まったらしい。あー。 この立て役者は、僕の妹(暫定)なんだろうなあ、きっと。……口癖の出番は、あるなら早めによろしく。
Amazon商品ページより
シリーズ第三弾となる本書。
前の話はこちら。
今回はバレンタインデーということで甘い展開が待っていそうですが、そこはみーまー。
さらに僕の妹が登場するわけですが、これもまた強烈で、しっかり物語を盛り上げてくれます。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
バレンタインデー
退院して、再びマユとの生活に戻った僕。
時期はバレンタインデーということで、冒頭からその話題が出ます。
通常のライトノベルであれば恋愛のきっかけとして活用される題材ですが、本書においてはその限りではありませんでした。
事件
一ヵ月半ほど前から、動物の殺害事件がまばらではありますが観測されていました。
対象は犬、猫、養護学校の鶏、小学校の飼育小屋のアヒルです。
犯人も分からなければ、動機も分からない。
僕の所属する美化委員でも、この話題が出て、注意が促されますが、僕には心あたりがありました。
動物限定の殺害事件。
それには自分の腹違いの妹が関係しているのではないか。
ここまで彼女に関する情報は一切なく、読者は妹なる存在が登場することをなんとなく予感します。
更なる事件
マユがダイエットをするといって、僕は夜のランニングに付き合います。
案の定というか、マユは片道で疲れて僕の背中におぶわれて寝てしまい、自宅に置いてくることに。
そのあとは奈月と会っていましたが、そこで養護学校の塀を飛び越えて現れた人影がありました。
バットを握ったその姿に、僕は死んだ妹かもしれないとつぶやきます。
翌日、僕はその夜に美化委員長である宗田義人が惨殺されていたことを知ります。
そこに妹が関係しているのか。
こうして物語は幕を開けます。
感想
登場人物が多い
本書から活動の場が大きく学校にシフトしたため、登場人物が増えます。
僕とマユがぶっ飛んでいるのはいわずもがなですが、他の人物もなかなかの際物です。
一見まともそうでも、実はけっこうやばかったということで当たり前のようにあるので、油断はできません。
まあ、入間人間さんの作品の時点で、まともな人物を期待するほうが間違っているのですが。
新キャラはすぐに馴染んでくれたので、なかなか読みやすかったです。
妹の存在
今回、僕の妹が登場するわけですが、血が繋がっていなくてもさすが妹というか、こちらもかなりやばいやつです。
兄弟の再会で感動など一切なく、なかなか血なまぐさいです。
それでいてタイトルにある通り、死を生に繋げるところも上手で、ただの際物作品ではないことを見せてくれました。
あとはバレンタインデーということで、それに関する僕とマユのやりとりもあり、狂っているという点を除けば微笑ましい青春劇です。
こういった見方を穏やかにできるようになったのは、立派に本シリーズに調教された結果かもしれません。
おわりに
シリーズ三冊目にして、まだまだ狂った世界が続きます。
狂っているだけのように見えて、根底には生と死や幸せなど考え出すと難しいテーマがしっかり流れていて、読みごたえも十分。
安定の面白さでした。
次の話はこちら。
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