『ミミズクと夜の王』あらすじとネタバレ感想!死にたい少女と人間嫌いの王が織りなす物語
伝説は、夜の森と共に――。完全版が紡ぐ新しい始まり。
魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖。自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。願いはたった、一つだけ。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」
死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。全ての始まりは、美しい月夜だった。それは、絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語。
加筆修正の末、ある結末に辿り着いた外伝『鳥籠巫女と聖剣の騎士』を併録。15年前、第13回電撃小説大賞《大賞》を受賞し、数多の少年少女と少女の心を持つ大人達の魂に触れた伝説の物語が、完全版で甦る。
Amazon商品ページより
元々は十五年前に電撃小説大賞の大賞受賞作品ということを知って、驚きました。
それくらい令和もすっかり馴染んだ今の時代に読んでも違和感がないし、難しいことを考えずに素晴らしい物語だと感じました。
僕は完全版しか読んでいないので、電撃文庫ver.とどう変わっているのかは分かりません。
しかし、別で配信されていた外伝『鳥籠巫女と聖剣の騎士』も収録されボリュームアップしているので、続けて読むとまた違った味わいがあるかもしれません。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
迷い込んだ少女
一人の少女が森を訪れます。
額には『332』の焼き印、両手足には鎖が繋がれていて、奴隷のように扱われていたことは一目瞭然です。
少女はミミズクと名乗り、森で魔物の王と出会います。
ミミズクは王に食べられることを望みますが、王はそんな彼女の願いを受け入れることはなく、かといって殺すこともありませんでした。
夜の王
ミミズクは生きることを許され、王とは別の魔物に世話をされることになります。
その魔物はクロと名付けられ、ミミズクに振り回されながらも、満更でもなさそうです。
ミミズクは森に住みつき、王に食べられたいと何度も直談判します。
しかし、王はそれを受け入れることはなく、かといってミミズクを明らかに拒絶することもしません。
ミミズクは王のことを『フクロウ』と呼び、やがて彼が美しいものを好むことを知ります。
その美しさに惹かれ、ミミズクは次第にフクロウにも惹かれるようになります。
討伐
同じ時期の、森の近くにあるレッドアークという国。
そこの国民は森に迷い込み、偶然にもミミズクに助けられます。
その人物はミミズクが魔物に捕らえられ、ひどい扱いを受けていると思い込み、国に報告。
レッドアークの王は魔物討伐を命じ、それに応じて聖騎士が動き出します。
感想
シンプルで読みやすい
読んでいてまず良いなと感じたのが、非常にシンプルだということです。
壮絶な過去を持つミミズクが夜の王であるフクロウと出会い、幸せが何なのかを考え、答えにたどり着く。
内容だけを書くなら、ただこれだけです。
ファンタジーなので設定を説明しだしたら、何百ページでも書けてしまうはず。
しかし、本書はそんなことは一切しません。
さらに必要最低限の登場人物しか出てこないので、読者が世界観に馴染むまでそう時間はかかりません。
これが出来たのは、本書の核であるメッセージが確固たるもので、それで読者を満足させられるという自信があったからではないかと僕は考えました。
心を震わせるメッセージ
本書には様々なメッセージが込められています。
ミミズクはもちろんのこと、フクロウは数少ない言動、行動で大事なメッセージを読者にくれます。
さらにクロちゃんやレッドアークの人たちにもそれぞれ思うことがあり、どれも読者にとって刺さるものでした。
基本的に本書に悪人は登場せず、みんな良い人です。
ただ立場が違うだけで、それによって考え方も当然変わってきます。
じゃあ、異なる価値基準から作られた各々の主張を、どうやって分かり合うのか。
その過程が本書では丁寧に描かれ、綺麗ごとだけれど、ちゃんと話せば人と人(あるいは魔物)は分かり合えるのだと僕は感じました。
小説で素直に感動したのは、けっこう久しぶりかもしれません。
おわりに
色褪せない名作を、また一つ見つけました。
壮大なファンタジーを想像しているとやや拍子抜けしてしまうかもしれませんが、読んで損はありません。
あるがままを受け止め、心が動くところを素直に楽しんでもらえればと思います。
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