『四元館の殺人―探偵AIのリアル・ディープラーニング―』あらすじとネタバレ感想!シリーズ第三弾
今度の舞台は雪山の館。驚天動地の犯人、爆誕!?
「犯罪オークションへようこそ!」 犯人のAI・以相(いあ)が電脳空間で開催した闇オークション、落札したのは、従姉を何者かに殺され、復讐のための殺人を叶えたいというひとりの少女だった!?以相による殺意の連鎖を食い止めるべく、探偵のAI・相以(あい)と助手の輔(たすく)がわずかな手がかりを元に辿り着いたのは――雪山に佇む奇怪な館「四元館(よんげんかん)」だった。そこに住まう奇妙な四元(よつもと)一族と、次々巻き起こる不可思議な変死事件……人工知能の推理が解き明かす前代未聞の「犯人」とは!? 本格ミステリの奇才が“館ミステリ”の新たなる地平を鮮烈に切り開く、傑作長編。
Amazon商品ページより
シリーズ第三弾となる本書。
前の話はこちら。
人工知能(AI)という従来のミステリではなかった要素が館ミステリに挑戦した意欲作で、新旧ミステリそれぞれの魅力が光る良作に仕上がっています。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
犯罪オークション
犯罪AIの以相はネット上で犯罪オークションを開催します。
ここで競い合うのは金額ではなく、提示する叶えたい犯罪の面白さです。
その中で以相が、自分が実行するにふさわしいと思うものを選ぶのですが、彼女が選んだ犯罪を提示したのは年端もいかない少女でした。
少女の昨年の誕生日の翌朝、彼女の知っている人が亡くなっているのが発見されますが、周囲に足跡はなく自殺か他殺、あるいは事故だとしても説明がつかない状況でした。
結局、この件は解決されていませんが、少女は殺人だと考えています。
今回の依頼は、その犯人を殺害してほしいというものでした。
殺人は以相の本分ですが、仮にこれが殺人事件だとして、その犯人をまず突き止める必要があります。
それに関して以相にはアイディアがあるようで、物語はここから始まります。
阻止
ある日、輔と相以のもとにこの犯罪オークションの映像がもたらされ、二人はこの復讐に以相が関与していることを知ります。
相以は自分を巻き込むために以相が依頼を引き受けたのだと推測。
依頼人である少女の名前、住んでいる場所など何も提示されていませんが、犯罪オークションでの少女の言葉から条件を割り出し、場所がR県水平山の山奥にある館であることが判明します。
二人は復讐を阻止すべく現場に向かいます。
遺産
二人は問題の場所・四元館に到着しますが、事情を説明しても理解してもらえず門前払いされます。
するとこの館の主人である四元家に雇われている一ノ瀬というメイドが現れ、輔たちを匿った上でこの家にまつわることを教えてくれます。
以相の依頼人は、四元錬華という十歳の少女でした。
錬華の父親である錬二はこの水平山で七年前に行方不明になっていて、失踪宣言という手続きに則り、明後日になると彼の遺産が錬華のものになることが決まっています。
母親の凛花は二年前に病気で亡くなっていますが、彼女が遺したものがこの四元館でした。
凛花の遺言によって、錬華と一ノ瀬、執事の二村はこの場所に留まり続けています。
その後、遺産の話を聞きつけた親戚が四元館に住み着くようになり、錬華は常に誰かに狙われるような状況にありました。
依頼の正体
肝心の依頼ですが、それは昨年起きた事件が関係していました。
錬華の従姉・四元てとらが不審死を遂げていて、錬華はこれが殺人事件だと考えているのでした。
この四元館は伊山久郎という人物によって設計されていますが、彼はオクトコアのアジトを作った人物であり、何か仕掛けが施されている可能性があります。
四元館はその名前の通り、四元素がモチーフになっていて、明らかに不自然な設備もあり、これが後に物語のキーになります。
てとらは本当に殺害されたのか。
もしそうであれば、誰が殺害したのか。
輔と相以は前回の敗北を打ち消すためにも、この事件に挑みます。
感想
ミステリファン必見
本シリーズが面白いことは読んできた人であれば分かると思いますが、本書はその中でも一つ上をいっています。
というのも、ミステリファンであれば好きな人の多い『館』が舞台になっているからです。
現実ではほぼあり得ない設定ですが、ミステリにおいては王道中の王道。
人里離れた場所に館があって人が集まれば、そこでは必ず事件が起こります。
本書はそのミステリならではのエッセンスを取り入れつつ、従来のAIだからこそ出来る推理方法によって謎を解き明かしてくれます。
登場人物はいかにも怪しそうなやつばかりで、誰が犯人でもおかしくないように思えてしまいますが、ヒントは平等に提示されているので、決して解けないわけではありません。
ぜひ丁寧に読み解き、この謎を自身の手で解き明かしてもらえればと思います。
新感触
館というともはや時代錯誤のような設定で、いかにも古めかしい印象を受けると思います。
ところが本書ではAIが登場するし、館はモデムが設置されてスマホを使うこともできます。
この辺りの現代ならではのミスマッチ具合が面白く、それでいて無理の感じない設定にミステリの新たな在り方のようなものを感じました。
年々ミステリが成立しにくい環境になっていっていますが、技術が進歩したからこそ可能になったこともあり、その一つがシリーズ通して登場するAIです。
このシリーズにおいて、今後もこのように新旧ミステリの良いところをうまく活かしながら良作を生み出してほしいと願わずにいられませんでした。
おわりに
シリーズ第三弾まできましたが、まだまだシリーズが続くことはすでに明示されています。
あとはそれがどのような形で訪れるかなので、今後も期待したいと思います。
次の話はこちら。
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