『幽霊を創出したのは誰か?』あらすじとネタバレ感想!そもそも幽霊とは何か?なWWシリーズ第四弾
幽霊が存在するために、死は、必要充分条件か?触れ合うことも、声を聞くことも、姿を見ることすら出来ない男女の亡霊。許されぬ恋を悲観して心中した二人は、今なお互いを求めて、小高い丘の上にある古い城跡を彷徨っているという。
Amazon商品ページより
城壁で言い伝えの幽霊を思わせる男女と遭遇したグアトとロジの元を、幽霊になった男性の弟だという老人が訪ねてきた。彼は、兄・ロベルトが、生存している可能性を探っているというのだが。
WWシリーズ第四弾となる本書。
前の話はこちら。
今よりも遥かに科学が進歩し、今よりもずっと現実的な考え方になった世界観において、『幽霊』というオカルトなものがテーマになります。
本当に存在するのか。
そもそも幽霊とは何なのか。
WWシリーズらしい切り口で語られる幽霊の謎とその正体は必見です。
この記事では、本書のあらすじや個人的な感想を書いています。
核心部のネタバレは避けますが、未読の方はご注意ください。
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あらすじ
幽霊
グアトとロジは大家夫婦から『城跡の亡霊』の話を聞きます。
二人の家の近くにはかつて城があり、そこにカップルの幽霊が出るのだといいます。
幽霊は百数十年前に自殺したロベルト・リンダというカップルだといい、二人は両家の対立によって結ばれず、それを苦に自殺したのだと。
グアトとロジは翌日、ピクニックがてらその城跡に行きますが、そこで本当に男女の幽霊を目撃します。
幽霊だと決めつけることは出来ませんが、男女が姿を消したのは事実で、その可能性を否定できるだけの材料もありませんでした。
後に警察の話から、グアトが目撃した男女はロベルトとリンダに確かに風貌が一致することが判明します。
招待
後日、二人のもとにヴィリ・トレンメルが訪れます。
ヴィリはロベルトの弟で、ロベルトらしき男性と唯一会話のできたグアトに興味を持っていました。
トレンメル家は金融と電力関係の事業を営んでいて、ロベルトが実は生きている、もしくはロベルトには子どもがいることが判明した場合、後継者の問題が生まれてしまいます。
ヴィリはかつて政治家でもあり、今もなお影響力の大きい人物で、この問題はそう簡単なものではありません。
ヴィリは二人を別荘に招待し、ロジも日本の情報局から別荘に行くよう指示され、二人はこの問題に首を突っ込むことにするのでした。
グアトはオーロラとの会話の中で、幽霊とは何なのかを考えます。
今でいうとトランスファの存在がそれに近いですが、結論は出ませんでした。
襲撃
ヴィリの別荘で、今度はリンダを名乗る不思議な光と遭遇する二人。
何かを伝えたい様子ですが、それを理解する前に消えてしまいます。
これだけでも大きな出来事ですが、その翌日、ヴィリが車の中で頭を銃で撃たれているのを発見。
グアトとロジは助けようとしますが、電波が妨害されているのか通信は出来ず、トランスファに操られたヴィリのウォーカロンに襲われます。
何とか襲撃を防ぎ、ヴィリは一命をとりとめますが、こんなことをする目的、犯人の正体に見当もつきません。
グアトとロジは調査を続け、やがて幽霊の正体や事件の真相に近づいていきます。
感想
人間らしい部分が多かった
科学が著しく進歩し、人間らしい、いわゆる無駄がない世界観ですが、本書では非科学的の代名詞ともいえる幽霊が登場します。
ロジは否定的ですが、グアトはどちらかというと存在していてもおかしくないというスタンスで受け入れに寛容でした。
リアルとヴァーチャルを区別する必要がなくなってきた世界において、何が人間で何がウォーカロンで何が幽霊なのかが度々議論されます。
その中でやはり無駄なことこそ人間らしい部分であり、それを楽しむグアトやロジの姿が印象的でした。
ちょうど外出自粛の時期と重なったこともあったので、僕自身もそれを実感したせいかもしれません。
会わなくても用は足りるけれど、それだけではない無駄な部分も同時に求めていたんだなと感じています。
全体的にゆったりしている
今回は事件らしい事件はそこまで起こらず、シリーズの中で物語の起伏は少なくゆったりしていたかなと思います。
刺激を求める人にとっては物足りないかもしれません。
僕はグアトとロジの恋人や夫婦のような二人にだけ分かるやりとりが好きなので、それがふんだんに散りばめられていて満足しています。
結局幽霊とは?
核心部のネタバレは避けますが、幽霊とは何かの結論についてちょっとモヤッとしています。
もう少しパンチが効いていても良かったかなと。
おそらく本書を読む人はWシリーズからずっと通しで読んでいる人だと思うので、これがそこまで不満点にはならないと思いますが、WWシリーズにおいて小休止の回のような印象を受けました。
次は派手に展開してくれると嬉しいなと、ちょっとわがままなことを思っています。
おわりに
この世界観で幽霊を取り扱ったのはテーマとして申し分なく、創出できるくらいに技術が発達しているのだと改めて驚かされました。
相変わらず面白い反面、行動範囲が狭いとどうしても物語の展開に限度があるので、次は壮大な冒険のような話を期待しています。
次の話はこちら。
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