ミステリー

『探偵ガリレオ』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!

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突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。

【「BOOK」データベースより】

今や東野さんの代名詞でもある『ガリレオ』シリーズの第一弾です。

理系出身の東野さんならではのトリック、登場人物が魅力的で、しかも短編なのでさくさく読むことができます。

この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。

ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

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燃える

深夜のバス停に若者が集まり、毎週のように騒いでいました。

ところがある日、突然山下という少年の後頭部から炎が上がり、焼死してしまったのです。

この件は事件として警察が捜査することになり、捜査一課の草薙俊平があたります。

現場にはガソリンの入ったポリタンクが置かれていて、それが燃えたのだといいます。

草薙は聞き込みのために近隣のアパートに向かいます。

そこで105号室の金森、205号室の前島から話を聞きます。

前島は声が出せないということで、金森が草薙に同行して話を聞きます。

彼らが少年たちの騒音を迷惑に思っていることは分かりましたが、事件には無関係のように思えました。

捜査に行き詰った草薙は大学の同級生で、現在帝都大学理工学部の助教授である湯川を訪れます。

一部のマスコミからプラズマによる火災ではと言われていて、草薙はその信憑性について湯川にたずねますが、データのない現状では答えられないといい、二人は現場に向かいます。

現場を見て、湯川はプラズマではないと断言。

ポリタンクよりも先に少年の頭が燃えたというのが鍵になりそうです。

二人は現場を離れようとしますが、そこで事件の日にもいた少女をみかけ、話を聞きます。

少女は事件の日、赤い糸を見たといいますが、母親は見ていないと証言。

湯川はこれでピンときて、すぐに現場近くに工場がないか調べ、一人で訪れます。

そこには前島が勤務していて、湯川は仕掛けのスイッチを入れてからその場を後にします。

湯川は同じ現象がもう一度起きると予言し、その三日後、草薙の目の前でそれは起きました。

草薙は湯川に言われた通り、工場に急いで向かって犯行の証を回収。

今度はそこに証拠を隠滅しようとした金森が現れ、草薙は彼が犯人であることを確信します。

 

ここからは湯川によるトリックの説明です。

少年を燃やしたのは、炭酸ガスレーザーでした。

湯川は少女の言った『赤い糸』という言葉からこのことに気が付きました。

糸の正体はヘリウム・ネオン・レーザーで、炭酸ガスレーザーの経路を調節するために使われていました。

湯川はそのことに気が付き、工場にその装置があるはずと踏んだのです。

草薙が工場で見つけたのもその装置です。

最後に動機について。

金森の妹は目が不自由で、それがきっかけで彼は声のボランティアに参加するために朗読のトレーニングをして専用のマイクを購入。

前島の部屋のオーディオ機器を借り、前島の部屋にある本を吹き込んでいました。

ところが、少年たちが現れ、騒音で録音どころではありません。

最初はポリタンクだけ燃やして脅かすつもりでしたが、その前に少年が立ってしまい、頭が発火してしまいました。

レーザーは電話を使って遠隔で作動させていたため、途中で止めることができなかったのです。

金森は静かな時間を手に入れたものの、人を殺したという意識から声が震えてうまく録音できなくなっていました。

しかし、警察に連れて行かれる前、今ならうまく読める気がすると、童話を一冊吹き込んだのでした。

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転写る(うつる)

草薙は姉・百合に頼まれ、彼女の夫に代わって姪の美砂の通う学校の文化祭を訪れます。

そこで展示された『ゾンビのデスマスク』というタイトルの石膏を見ますが、とある女性が兄に間違いないと動揺していました。

彼女は柿本良子といい、デスマスクの顔が、この夏に行方不明になった兄の進一に酷似しているのだといいます。

すぐにその作品を作った二人の学生が呼ばれますが、彼らはひょうたん池という池で拾った型に石膏を流し込んだだけだと証言。

その型はアルミ製に見えました。

草薙は早速湯川の研究室に持ち込み、話を聞きます。

このマスクのおかげで進一の死体は池から見つかりますが、このマスクが作られた理由、そしてその方法が分かりません。

警察では顔にアルミ材料を押し当ててみますが、とても精巧なデスマスクは出来ません。

草薙は同時に進一の妻・昌代に事情を聞きます。

彼女が進一に最後に会ったのが十八日の朝で、進一は黒のアウディでゴルフに向かっています。

ところが、帰ってこないので一緒に行った友人に連絡をとると、ゴルフになど行っていないと証言。

警察に届けることにしました。

黒のアウディはすでに見つかっていましたが、昌代は気味が悪いとすでに処分していました。

進一に恨みのある人物について聞くと、昌代は笹岡という男の名前を挙げます。

笹岡は進一に競争馬の共同購入を勧め、一千万円を受け取っていました。

草薙は笹岡に当たる前に、湯川と現場の池に向かいます。

池にはマスクの材料と同質のアルミ材、先端がいったん溶けて固まった電気コード、コードの絡まった鉄骨がありました。

草薙は死体にコードが絡まっていたことを話し、湯川はそのコードを見せてほしいと頼むと同時に、この夏に発生した雷の日時を調べてほしいと依頼します。

 

その後、草薙は笹岡と面会。

笹岡は進一から競走馬の購入資金を受け取ったことを認めますが、現金で返したと証言。

さらに進一の行方が分からなくなった十八日から二週間、中国に行っていたのだといいます。

草薙はすぐに怪しいと思いますが、鉄壁のアリバイをどう崩せばいいのか頭を悩ませます。

そのことで湯川に相談すると、彼はまず雷のことについて聞いてきます。

池の付近には十七日に雷が落ちていて、湯川は殺人が行われたのが十七日以前だと断言。

このことがきっかけで、昌代と笹岡は共犯として逮捕されます。

動機は昌代のスポーツインストラクターとの浮気ですが、お互いに殺人を持ち掛けられて仕方なくと話し、真相は分かりません。

犯行が行われたのは十六日の深夜で、翌日の早朝に死体は処理されました。

アリバイ工作として、進一が生きていると見せかけるために黒のアウディを別に用意しましたが、笹岡の友人に同じ車を持っていることが判明し、そこから犯行が明らかになったのでした。

最後に、湯川からデスマスクについて実演を交えて説明があります。

当時、遺体には電気コードが絡まっていて、コードは鉄骨と繋がっていました。

そこに雷が落ち、鉄骨に直撃。

しかし、コードは大きな電気エネルギーに耐えられずに溶断し、とても強力な衝撃波が発生しました。

衝撃波はアルミ材を外に押し寄り、死体の顔に押し付けられる形となり、結果としてあのデスマスクができたのでした。

湯川は最初、ライフルによる衝撃波を考えていて、とある論文を草薙に見せます。

発表者の名前には進一の名前もありました。

進一が亡くなった後、昔研究した技術で例の金属のマスクを作ったのでは、と湯川は冗談っぽく言うのでした。

壊死る(くさる)

内藤聡美はスーパーマーケットを経営する高崎邦夫、そして同僚の田上昇一に言い寄られてうんざりしていました。

しかし、高崎からは多額の借金をしているため、無下に断ることもできません。

聡美は田上から何度目かのプロポーズを受けて断る際、つきまとう男を殺してくれるかと冗談で言います。

すると田上は絶対に病死にしか見えない殺害方法があるといい、その後、高崎が自宅の風呂場で亡くなっているのを息子が発見します。

他殺には見えず、草薙は湯川に相談。

唯一、胸の痣が気になると話し、そこだけが完全に壊死していました。

二人は馴染みの店で飲んだ後、高崎が行きつけだった『キュリアス』という店に行きます。

高崎はサトミというホステスがお気に入りで、それはあの聡美です。

二人は聡美を呼び、ちょっとしたやり取りから湯川は、聡美がメーカーに勤務、それも現場で事務をしていることを見抜きます。

帰り道、聡美と話す若者を見つけますが、彼は田上です。

二人の会話から、田上が殺人に使う装置を聡美に貸したこと、中身を取り出した形跡があることが判明しますが、聡美は使っていないと否定します。

草薙は聡美の職場に行き、そこで橋本妙子という女性から聡美について聞きますが、カード破産しそうになったことがあることが分かりました。

また、同じ職場に田上がいるのも確認します。

その後、今度は湯川と二人で、キュリアスで相手をしてくれたホステスの家に行きます。

彼女の飼う猫には、聡美からもらったというシリコン製のブローチがついていて、湯川はあることを思い付きます。

それは、超音波による殺害方法でした。

方法は至って簡単で、超音波加工機を目標の部分に肌の上から直接当てるだけです。

猫のブローチを見て、シリコンを超音波加工を用いて細工したと推測したのでした。

珍しい機器ですが、聡美の勤める工場にあることを確認します。

ところがどこにも置いてなく、田上が管理しているとのこと。

その頃、聡美は田上の部屋を訪れ、気があるような素振りを見せ、性行為に及ぶ前にお風呂に入るよう勧めます。

田上は睡眠薬を飲まされ、お風呂に入ると物音がしなくなります。

聡美は頃合いを見計らって、田上の持ち出した超音波加工機で殺害しようとしますが、実は田上は寝たふりをしていただけで、形勢逆転。

逆に殺されそうになります。

しかし、間一髪で草薙と湯川が間に合い、犯行を阻止。

田上は、本当に腐っていたのは聡美の心だと口にし、彼女は言い返せずに瞼を閉じるのでした。

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爆ぜる

海水浴に来ていた梅里夫婦。

妻の律子はビーチマットに掴まりながら波に揺られていましたが、不意に自分の下から一人の男が水面に顔を出し、短い言葉を言って離れていきます。

その直後、黄色い火柱が上がり、律子を飲み込みます。

夫の尚彦は浜辺から、呆然と見ていました。

一方、とあるアパートで藤川雄一の死体が見つかります。

エアコンから出た水が原因で居住者からクレームが出たことで発見され、死後三日が経過していました。

草薙はアパートで見つかった死体の件で湯川のもとを訪れます。

草薙がここを訪れた理由、それは藤川が帝都大学理工学部の卒業生だったからです。

藤川の部屋からは、帝都大学の駐車場が写った写真が見つかっていて、日付から二週間前にここを訪れていることになります。

湯川は藤川のことを知らず、彼の所属していた研究室の助手・松田に話を聞きます。

彼は先月、藤川がやってきたと証言。

しかし、写真の日付とは違っていました。

藤川は研究室の横森教授の勧めでニシナ・エンジニアリングに就職しますが、最近になって退職していたことが判明。

さらに駐車場に行くと、藤川が駐車場を撮影していたという証言が得られました。

なかなか捜査に進展は見られず、草薙は藤川の部屋を再度調べます。

すると湘南にある喫茶店のレシートが出てきて、日付は湘南で起きた爆発事件の日と同じでした。

一方、湯川は爆発現場近くの土産物店で話を聞きます。

店員は、何かが爆ぜた後、細かい火の玉が海面を滑って広がったと証言。色は黄色でした。

その後、草薙は尚彦に聞き込みをし、律子を殺害したのは藤川である可能性が高いとします。

あとは、律子と藤川の関係です。

草薙が湯川に会いに行くと、国際会議から帰ってきた木島が現れ、宿泊先で雨の日は運転を控えた方が良いと何度も電話があったことを明かします。

これで湯川は事件の真相に気が付き、後日、松田が逮捕されます。

最後に、湯川から真相が明かされます。

まず爆発について、あれはナトリウムを水につけたことによる水素と空気の爆発でした。

藤川は研究室からナトリウムを盗むと、表面を炭酸ナトリウムにしておくことで反応を遅らせ、律子の乗るビーチマットに取り付けたのでした。

理由は就職先への不満でしたが、話はもっと根深いものでした。

藤川は元々、木島の研究室を希望していましたが、木島の講義の希望申請を忘れ、入れなかったのです。

その時の学生課の職員が律子で、彼女は訂正を認めませんでした。

さらに木島も許可せず、仕方なく横森の研究室に進みます。

それで藤川は木島と律子に恨みを持ち、犯行を決意します。

爆発事件後、松田は藤川の犯行だと確信し、彼のアパートを訪れます。

そこで松田は衝動的に藤川を殺害してしまいますが、問題はその動機です。

松田のいるエネルギー工学科は元々原子力工学科という名前で、松田は原子炉から熱を取り出す研究をしていました。

しかし、原子炉からのナトリウム事故から状況は一変、各企業は手を引き、それが原因で藤川は会社内で不本意な部署に配置転換されてしまいます。

松田の研究も予算見直しの対象にされ、研究テーマから外されれば全てが水の泡です。

そして、そこに藤川が殺人にナトリウムが使い、しかも研究室から盗んでいる。

これが世間に知られれば松田の研究はおしまいです。

さらに木島に不審な電話を掛けていたのも松田でした。

彼は木島の車に、藤川によってナトリウムが取り付けられていることを確信し、良心から注意を呼び掛けていたのです。

松田がナトリウムを回収する現場を警察は取り押さえましたが、その前に湯川が粘土にすり替えていたため、事なきを得ました。

説明が終わると木島と話すことがあり、藤川の受講を認めなかった理由を聞くと、木島は言います。

学問も戦いであり、エントリーを忘れるような選手は試合に出るべきではないと。

離脱る(ぬける)

杉並のマンションで長塚多恵子の死体が見つかり、草薙は捜査にあたります。

食べ物の消化状態から、死亡したのは二十二日の午後一時から四時と推定。

部屋からは保険の外交官の名刺が見つかり、草薙はその男、栗田に会います。

栗田は二十一日に保険の更新手続きの件で多恵子と会っていましたが、二十二日は二日酔いのため、多摩川近くに車を止めて休んでいたと証言。

車種は赤のミニクーパーで、後日、多恵子のマンション付近で二十一、二日と連続で目撃されていて、警察は彼が犯人ではと疑います。

しかし、アリバイは崩せず、かといって多摩川の近くで栗田の車を目撃した人もいません。

困っていると捜査本部に一通の手紙が送られてきて、状況は一変。

送り主は上村宏という人物で、フリーライターをしていますが、息子の忠広が幽体離脱をして、ミニクーパーが多摩川近くに停まっているのを目撃したのだといいます。

その話が奇妙で、草薙は湯川に相談します

事件当時、忠広は風邪で寝込んでいて、いつしかふわふわと浮き上がるような感覚を覚え、後で一枚の絵を描きました。

そこには窓の外にある食品工場のさらに向こう側、しかも上から俯瞰したような風景が描かれていて、赤のミニクーパーもありました。

真実を確かめるべく、二人は上村親子のもとを訪れます。

忠広の部屋から外を見ますが、やはり食品工場が邪魔で見えません。

宏は警察が信じてくれないことは百も承知で、付き合いのある雑誌にこのことをネタにした記事を書くつもりです。

草薙たちを呼んだのは、警察も注目したと箔をつけたいだけでした。

次に二人は食品工場を訪れ、事件当時、大扉が開いてなかったか確認します。

開いていれば、工場の向こう側まで見ることができるからです。

しかし、工場長は開いてなかったと証言します。

その時、湯川は奇妙な切断面のスニーカーを見つけます。

一方、宏は幽体離脱のことを世間に大々的に知らしめ、証拠を無視した警察を責める世論が強まります。

しかし、ここで突破口が開けます。

事件当時、多恵子のマンションの前に置かれたミニクーパーを覗き込む男性が目撃されていて、栗田が多恵子に会ってるのを知って立ち去ったのではと推測。

そこから多恵子と栗田に共通する関係者を調べたところ、多恵子の元上司・吉岡が逮捕されました。

吉岡と多恵子は愛人関係にありましたが、関係を切りたかった吉岡は栗田に多恵子を紹介します。

ところが多恵子は吉岡を諦めるつもりはなく、逆に不倫を妻にバラすと仄めかします。

そこで説得しようと二十一日に行くと、栗田がいたのて退散。

 

翌日出直し、気が付くと多恵子を殺害していました。

また二十一日に目撃されたのはミニクーパーですが、二十二日に目撃されたのは全く別の車でした。

そして最後に、幽体離脱のトリックについて、上村親子も交えて湯川から説明があります。

ズバリ、蜃気楼などで知られる光の屈折です。

事件当時、実は食品工場で事故があり、液体窒素か工場内に漏れていました。

半分に切れたスニーカーは、この時にできたものです。

換気が必要だと大扉を開けますが、そこで下は冷たい空気、上は暖かい空気という状況が生まれます。

工場内を見た場合、光は曲がり、本来よりも下にあるものが見え、結果として向こうにある車が見えたのでした。

真実が判明すると、忠広は父親に言われて都合の良いことを言わされていたことが判明。

さらに宏は絵に手を加え、描いてあった車がミニクーパーに見えるようにしていたのでした。

宏は全てが明らかになっても幽体離脱はあつたと認めず、忠広を連れて雑市のインタビューに向かうのでした。

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最後に

いかがでしたでしょうか。

理系の知識を活かした正統派推理小説なので、人を選ばず読みやすい作品だと思います。

シリーズ化されていますので、ぜひ他の作品もチェックしてみてください。

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